海外在住「B級スリラー好き」さんの数ヶ月前のレビューにあった

「冒頭AVみたいでびっくりした。フェラ、生挿入がもろにアップ」

という記述を自慢のホークアイで見逃さなかった俺。密かに、この作品をいち早くＣＬＩＰ！（バレてますが）。

遂に４月、「アンラッキー・セックス またはイカれたポルノ」というタイトルで日本公開されたので、満を持して鑑賞。

普段はボッチ専用席とも言える「後方端っこ」が指定席の俺であるが、もちろん、今回は渋谷イメージフォーラムの最前列中央席をいち早く予約。

これで、局部をドアップで観察できる上に、見知らぬオッサンのハゲ頭に俺の視界を邪魔されないぜ！

ちなみにこのポジションを予約したのは、西野七瀬のシャワーシーンを期待した「劇場版　あなたの番です」のボッチ鑑賞以来だ。あの時は埼玉隕石の野郎に煮え湯を飲まされたものの、今回はリベンジしたる。

もちろん俺もシャワーも浴びて、準備万端。右手も定位置にスタンバイした状態で、平常心にて上映開始を待つ。

さぁ、いよいよ上映開始だ！！

……さて結果はどうなったか。

うーん。

この作品鑑賞前／鑑賞後の「B級スリラー好き」さんのコメント欄の、俺の書き込みを引用しよう。

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【鑑賞前】2022/01/26 16:41
クリップしました。日本公開時にモザイクかからないように……ﾅﾑﾅﾑ(‐人‐)

↓↓↓↓↓↓

【鑑賞後】2022/04/24 21:26
日本公開時に全部モザイクかかってました……(T_T)
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……。

上映時間中、多数あるエロい場面になると、スクリーンいっぱいを埋め尽くすくらいの壁のようなドデカイ「検閲済み」の表示と、監督の言い訳が延々と並ぶ……。

ふざけんなあああああああ！！！！！

　　彡ミミ　.∩　　 　　 ∩_ ・∵’、
　　( 　 )/　⊂／"´ ﾉ　) >>監督
　⊂　俺 ﾉ　　　/　　 /vV
　　( 　 ﾉ　　　 し'`∪

いや確かに、

「夫とのハメ撮りが流出した女教師が主人公」

っていう設定だけ読んで、ジャケットの端っこにある「監督【自己検閲】版」って記述を見逃し、喜び勇んで劇場に出かける俺も悪いですよ。

「女教師」といえばギデンズ・コーの「怪怪怪怪怪物！」の影響で壮大な脱糞シーンを披露してくれるのでは……とワクワクした俺も悪いですよ。

でも「ハメ撮り」「流出」「女教師」って三種の神器が並んでたら劇場に足を運んじゃうよね？　俺間違ってないよね？

なんで俺、イメージフォーラムの最前列で、どでかい壁みたい言い訳をずーっと観させられなきゃならんのよ……。俺、大殺界か何かですか？　

「検閲あるから見せられません」だと？　

「殺人は上映できるのに、フェラはＮＧなんだってさー」だと？

言い訳ばっかしてんじゃねーよ。諦めたらそこで終わりだっつーの！

一万歩くらい譲って、モザイクするにしても、色々とやり方あるでしょ。

「薄消しモザイク」とか「ギリギリモザイク」とか「ハイパーギリギリモザイク」とかさ。日本のＡＶメーカーは色々と努力してるよ！？

ほんと、コロナ禍でソーシャルディスタンスを保った上で「テレクラキャノンボール」の新作を作り上げたカンパニー松尾のハメ撮りの垢でも煎じて飲んでほしい。

こんなに哀しい気持ちになったのは、「ポルノ」の名前に釣られてポルノグラフィティのＣＤをツタヤで大量に借りてしまったとき以来だ。

あまりに哀しくて、三部に分かれてる作品の二部と三部の間は、ずっと

「この壁に向かって大剣で攻撃かローリングしたら、この壁モザイク、消えてくれないかな……」

とばかり考えてた。なので、内容は、ほぼ覚えておらず、感想はこれにておしまい。

とりあえず慈悲で★５は付けておく。が、監督は、この感想を読んだら一刻も早く、俺に無修正版の高画質ＤＶＤを送ってくるように。

以上！

あ。一応ゆっとくと、「アポロ」と「サウダージ」だけはカラオケで歌えるようになりました。

いやはや、「アンラッキーセックス」ってタイトルだったけど……。

観た俺がアンラッキーだったぜ……。

（おしまい）

ドキュメンタリー映像やニュース映像を交えつつ🇷🇴世情がシニカルかつ哲学的に描かれまつ。画面に映る人物全員から目が離せない!!!!👈🏻情報量の過多っぷり＆モンタージュ構成なぬで観客はずーっと🧠♨️脳ミソフル回転(ﾟ◇､ﾟ)💫✨とんでも下ネタ作品🍆が、社会派やドキュメンタリー作品が強い(と言われる)🇩🇪ベルリン国際映画祭で🐻金熊賞受賞したと思たらしっかり『社会派＆哲学』してますた🎶

【🇩🇪ベルリン国際映画祭(🐻金熊賞)、🇭🇷プーラ映画祭(作品賞など)各賞４部門受賞🏆✨ヨーロッパ映画賞(監督賞・脚本賞)など各賞16部門ノミネート】

クセの強い作風なぬで🎞予告編(見ても全体像が把握できないww)を見て、あらすぢも読んで鑑賞をご検討下ちい。自分は"繰り返し観たいお気に入りのIPPON🍌"に咥え…加えますた

• #ブラックコメディ
• #下ネタ
• #シニカル
• #風刺
• #ルーマニア

　ルーマニアの首都ブカレストにある名門校で教師を務めるエミ（カティア・パスカリウ）は、夫との愛の営みを撮影したプライベートセックス映像が修理屋によってインターネットに流され、生徒や親の目に触れてしまう。本人にとっては大変お気の毒な話だが、たったこれだけの事案で106分持たせようとする根性も凄い。日本以外はモザイクなんかないから、動物園の動物たちとほとんど一緒の状態だ。インターネットに一度拡散されたものは、100%消すことなど出来ない。デリートしようがゴミ箱に入れようが別の場所に保存された映像は再びアップロードされ、本人たちの意にかかわらず世界に向けて発信され続ける。にも拘らず、監督は露骨な映像描写を隠す。幾らバッド・テイストな映画とはいえ、フレームのほぼ99%が趣味の悪い蛍光色とフォントで埋め尽くされるのは流石にどうかと思う。別に洋ピンが観たいわけでなく、これならモザイクで隠した方が映画としての体裁は保たれるような気もするが、そもそもルーマニアにはモザイクで隠すという概念そのものがないようだ。自己検閲版というお題目で全てが許されるわけではないと思うが、第71 回ベルリン国際映画祭金熊賞に輝いたというのだから恐れ入る。これに競り負けた映画群の製作者たちはどんな思いで見つめたのだろうか？

　映画そのものは3部仕立てだが、実は一番気合の入っているのは第2部だと思う。第1部はまんま『ホウ・シャオシェンのレッド・バルーン』で、エミが右に左に歩く姿がひたすらモンタージュされる。そのうちダルデンヌ兄弟の映画にも見えて来る。方々を右往左往するヒロインの焦燥をひたすら追うカメラは、交通量の多い道路を横断するエミの姿を克明に描く。それ自体が極めてダルデンヌ的だ。しかし彼女が求めているのは労働者の権利でも人間としての尊厳でも国民に与えられる最低限の福祉でもなく、どうやったら愛の営み映像がなかったことになるかだけである。ここに監督の強烈なブラック・ユーモアは滲む。3部の露悪的なディスカッションの醜悪さは置いておくとして問題は監督が2部で何をやったのかに尽きる。恣意的に作られたラドゥ・ジューデに対する100の質問またはAtoZは、映画が映像で述べることの出来る範囲を易々と越える。その時点で映画は、TVやYOUTUBEのような別の映像媒体に搦め取られて行く。言葉だけ先走る監督の言説は、映像にはほとんど意味が付与されない。ここに今作の致命的な欠陥は在る。