ケイコの不器用でいじらしい人間性と、彼女を取り巻く人々の良い意味で普通の暖かさがすごく良かった。
ケイコの自分の中で燻るものがある一方でそれをスムーズに伝えられないもどかしさが、私自身と重なって、…
伝えたくても伝えるのに時間がかかるからこそ、我慢して、諦めていることがたくさんあるんだろう。
暗く静かな画面に映る灯りがあたたかい。
何気ないところに、彼女の日常と、彼女を見守る家族やジムの人たち…
映画はフィクション。
のはずなのに、ケイコが実在するするかのような"自然さ"。
それを生み出すための執拗な準備とブレインストーミングとロジカルな映画技法。
勤勉さと妥協のなさと、詰め込まない美学…
岸井ゆきのさんマジカッコいい
普段の生活のハードルの高さとは別に言葉が無い中でのケイコの前半のドライな性格がなんとなく分かるのとスランプに陥った後の葛藤→試合に臨むまでのケイコの心象描写素敵だった
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このレビューはネタバレを含みます
主人公は劇中「はい」の一言以外、声を発さない。16mmで撮影された画面は全体的に暗っぽい。光が少なく言葉が少ないからこそ、何よりも主人公が音のない世界で生きているからこそ、サンドバッグやミットが鳴る…
>>続きを読むこのレビューはネタバレを含みます
まず岸井ゆきのが素晴らしい。
ボクサーとしての役作りもだがセリフが無い中での表情や仕草で物語る演技にこんな事出来る役者さんなのかと感動した。作中に街の雑踏や雑音がシーン事に差し込まれている部分が聴覚…
これを見た人の中にはきっと、ケイコが感じられない“音”からいろいろなものを受け取っている人がいて、私もその1人で、それに矛盾を感じて、でもそれによって、ケイコは情景だったり表情だったりを通して、目…
まず、主人公のケイコ。ろう者のプロボクサー。もうこの設定だけで胸アツなんやけど、映画は別に感動で泣かせたろ!みたいなこと一切してこなくて、めちゃくちゃ淡々としてる。ナレーションもなければ、説明セリフ…
>>続きを読む三宅唱さんの撮る映画がとても好きだと思った。
人が生きている、人が人と関わっているということを過剰ではなく等身大で感じ取れる感覚がある。
鏡の前での会長とのシーンと、弟と彼女さんとの3人のシーンが…
©2022 映画「ケイコ 目を澄ませて」製作委員会/COMME DES CINÉMAS