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乱れるのmasahitotenmaのレビュー・感想・評価

乱れる(1964年製作の映画)
3.9
成瀬巳喜男監督が、ミューズ・高峰秀子と加山雄三共演で描くメロドラマ。
オリジナル脚本は、高峰の夫、松山善三。
(1964、1時間 38分、モノクロ)

舞台は、大型スーパー進出で、存続の危機に立たされる静岡県清水にある商店街。
結婚生活もつかの間、戦争で夫を亡くし、ひとりで嫁ぎ先の酒屋を切り盛りしてきた未亡人は、年の離れた義理の弟から真剣な愛を告白され、心を乱されていく。
スーパーへの転換計画が持ち上がる中、彼女はある決心をするのだが…。

~登場人物~
①酒屋「森田屋」の同居家族
・母親・しず(三益愛子)
・長男の嫁・礼子(高峰秀子)
・次男・幸司(加山雄三)

②酒屋「森田屋」の家族(結婚して家を出た娘)
・長女・久子(草笛光子)
・次女・孝子(白川由美)

②商店街の人たち
・賀谷食糧品店主人(柳谷寛)
・その妻・道子(中北千枝子)
・岡本薬局の主人(十朱久雄)
・スーパー「清水屋」店員・野溝(藤木悠)

③その他
・酒屋「森田屋」従業員・川俣(西条康彦)
・久子の夫・森園(北村和夫)
・幸司の恋人(浜美枝)
・温泉場のおかみ(浦辺粂子)

"銀山温泉"

「浮雲」は成瀬三喜男監督の代表作であるが、初めて恋愛映画のヒロインを演じた高峰秀子にとっても代表作の1本となり、その演技が絶賛された。
成瀬の晩年にあたるこの作品で高峰秀子は、本当の弟のように心配していた加山雄三から愛を告白され、戸惑いと共に女としての喜びも感じる複雑な感情をうまく演じている。
ラストの唐突な展開は評価が別れるところだが、高峰のやりきれない表情、視線がなんとも言えない余韻を感じさせる。
青春スターだった加山雄三も好演。
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