恋の画集の作品情報・感想・評価

「恋の画集」に投稿された感想・評価

mingo

mingoの感想・評価

3.9
山田洋次が脚色した野村芳太郎監督作、犯罪サスペンスと恋愛スクランブルの傑作コメディ。本作は不倫を逆手にとった物語構成でかなり良くできてて、観る愉しさがあった!!和製ワイルダーのようでいて、アメリカ映画の上質コメディをお手本にお話が上手に転がっていく脚本に感心させられる1本。

原作のストーリーテリングと山田洋次のコメディセンスが絶妙にブレンドされ、隠れた傑作に仕上がっている。この日同時上映であった「モダン道中−その恋待ったなし」と同様に、こんな質の高い作品がプログラムピクチャーとして公開されていたのだから当時の日本映画のレベルは侮れないし、とにかく脚本の才気が光る愉しい映画であった!!!
特大ブーメランが加藤嘉にぶち当たった時の気持ち良さ。それにしても終盤はよく丸く収めたよな…と思うほどの力技。@新文芸坐
hirooaoki

hirooaokiの感想・評価

4.0
新文芸坐セレクションVol. 3 絶対に観てほしい喜劇〈コメディ〉 初笑い29本
namuge

namugeの感想・評価

-
登場人物たち各々の勘違い、思惑、事情が入り乱れてハチャメチャな展開になっていく様が楽しい喜劇映画の傑作。いつだってどんな時代だってオフィスラブにはドラマがつきまとう…恋に破れて田舎に帰っていく鳳八千代の姿が物悲しい…
いやあ…楽しかった
妾ではない藤間紫、饒舌な加藤嘉、厳格な三井弘次…素晴らしい脇キャストがいつもと少し違う感じで登場。サスペンスの名手らしい凝ったストーリーもさすが。

でも全然面白くない。どこも悪くないし決して駄作とは思わないけど、もはや古くなってしまった映画という感じ。年寄り向け、というか年寄りしか笑えないような凡庸ラブコメディ。なのでシネフィル受けは良さそう。。

この時代は役人が公金で不倫旅行してもあんまり世間に叩かれなかったのかな。と余計なことを考えてしまうほど退屈しました。
くずみ

くずみの感想・評価

4.0
うめぇうめぇ。階段や坂など、高低差のあるロケーションが光る。
新文芸坐セレクションvol.3
絶対に観て欲しい喜劇 初笑い29本
@新文芸坐
あーや

あーやの感想・評価

4.5

このレビューはネタバレを含みます

※「恋の画集」と「観賞用男性」の2本立てのため内容重複します。

コメディ映画のおもしろさは、映画館で観るからこそ真の価値が判るのだと思います。たとえ1人で観に行っていても、周りに笑い声がすると思わずつられて笑ってしまうのです。
今日は「恋の画集」と「観賞用男性」の2本。2本とも野村芳太郎監督作品です。
野村芳太郎のコメディってどんなんやろって思いながら見に行きました。なぜなら彼の作品で私が一番に思い出すのは「鬼畜」(とても怖い)その次に「ゼロの焦点」(程よく怖い)。清張作品を撮ってるイメージなんですよね。

それが「ゼロの焦点」と同じ1960年に「恋の画集」、その一年前に「観賞用男性」を撮っていたなんて!すごいギャップ!!!そして2作品ともとってもガーリーでラブリーなコメディ!この人の作品は清張作品以外にもスポットライトがあたるべきですね。発掘しないと!
「恋の画集」は桑野みゆきと川津祐介主演のハプニング系ラブコメ。
婚約者である桑野みゆきの上司が不倫していることを偶然知った川野祐介。婚約者の上司をユスって自分たちの結婚資金に当てようと一人懸命に詐欺を働く川野祐介の奮闘っぷりに大笑いでした。
結局色々明るみに出てあれよあれよという間に桑野みゆきに捨てられかけるのですが、もう勘違いやら誤解やらが多すぎて誰もが混乱してる間に無事結婚に至るというおめでたいストーリーでした。次々と起こるハプニングがいちいち面白くてね!周りにいたシルバー映画玄人の方々は、笑いすぎて時々痰の絡んだ咳をされていましたよ。どうかお大事に。

個人的に特筆しておきたいのは、両作品ともオープニングでアニメーションを使っています。「恋の画集」は最初の30秒だけで「観賞用男性」はガッツリと時間をかけてカラフルな色調です。どちらもお堅くない映画なんだなと思わせてくれる少しおマヌケなアニメーション。おかげでいい具合に力が抜けました。グラフィックを駆使せず、作家の手とセンスに任せたのだろうと感じるオープニングでした。
3104

3104の感想・評価

3.9
サスペンスや推理モノのイメージが強い野村芳太郎だが、実はコメディでもその才覚を発揮していた!・・いや単に自分が知らなかっただけか。

恋人との結婚資金工面に悩む男が、偶然ある男の不倫現場を盗撮しそれをネタに恐喝をする。しかしこの男が実は恋人の上司だったことから、周囲を巻き込んだ予期せぬ騒動に発展していく・・。

監督自身と山田洋次による巧みな共同脚本がつとに秀逸。
前半~中盤にかけて描いた「線」が伸びて互いに交差もし、やがてひとつの場所に束ねられる・・すなわち騒動の主要登場人物達が一堂に会するクライマックス部の展開がことさら面白い。
誰が誰に対しどういう感情を抱いているのか。誰が誰に対し何を、そしてどこまで知っているのか知らないのか。誰が誰に対し何を要求しているのか・・その感情や立場の二転三転が決してこんがらがり停滞することなく展開される様が小気味よい。細かい状況の変化に揺り動かされ、劇場内ではあちこちで平和な笑いが起こっていた。

主演は前年『青春残酷物語』で破滅に突進する2人を演じた川津祐介と桑野みゆき。あちらとは打って変わってコメディというまな板の上に乗り、若くキュートな2人を演じている。
恐喝される男・佐野周二の妻役に藤間紫。早とちりで気ぜわしく話を掻き乱す役どころが妙にフィット。桑野みゆきの父親役の三井弘次が、とっちらかりがちな物語に対し若干の「重し」のような存在を果たしている。
佐野が事件解決を相談する友人の弁護士役に加藤嘉。なんとも狡猾というかクセ者というか、結局はオイシイところをかっさらっていく印象。

様々な色や太さの「線」を無理矢理束ねたり切断するようなやや力技的なラストだがそれもよし。最後の最後のちょっとした「オチ」が心地良い。