ゴッド・スピード・ユー! BLACK EMPERORの作品情報・感想・評価

ゴッド・スピード・ユー! BLACK EMPEROR1976年製作の映画)

製作国:

上映時間:91分

3.6

「ゴッド・スピード・ユー! BLACK EMPEROR」に投稿された感想・評価


:サウンドトラック情報:
南 正人「トレイン・ブルー」(最初のメンバー紹介の時流れてくる曲)
久保田真琴「夕焼けブルース」(エンディング)
ザ・モップス「なむまいだあ」(バイク屋でのシーン)



新宿の西口がまだ「レコード街」と呼ばれてた頃、
この映画の名前を知った。
当時は”海外のアンダーグラウンドシーンで起こってる事”をタイムラグが無い程度に知れる場所ってのがインディーバンドを専門に扱ってるレコード店で、
例えば”訳も分からず買っちゃってる感満載のトートバック”が流行った「ラフトレード」もイギリスのレコードショップとレーベルの名前で、当時は日本でも原宿と新宿西口に店舗を構えていた。
実際に今では有名なロックバンドになってしまった”モグワイ”も、当時ラフトレードで1stアルバムが毎日の様に店内でかかっては品切れが続出してたぐらい、当時の熱は海外と差がほぼない状況で知ることが出来た。「海外では今こういうのが流行っているのか!」と。
モグワイが売れた理由として、個人的にはシューゲイズとソニックユースの接点、並びにスリントからの流れなど、90年代にインディペンデントで鳴らされていた音と、文化的に国民の意思とイメージを全世界に示したグランジのその後にリスナーから求められてた感覚にジャストフィットした事だと思っている。
長い静寂からの爆発とノイズ
それはそれまでの音楽で少なからず求められていた事を極端にした発明みたいなものであったと思う。ギャグなのかなんなのか分からない様なタイトルとジャケットも、内向的で鬱屈な人間性が支配していたグランジ時代によるアンチテーゼの様な感覚すらあって新しかった。
ゴッドスピードユーブラックエンペラー はその名前もさることながら、完全なモグワイの系譜で紹介されたバンドだった。
「次はコレ!!」と、革新的で売れたものがあれば類似品が出回る様に紹介されたが、しかしその音楽性、その後のお互いの活動を見ればわかる様に方向性や内容が全く違うこともあって、今でもお互い固定ファンを失いことなくコアな活動を続けている事から決して類似品でなかったことが示されている。

映画の存在を知ったのもその頃だったが、映画そのものにあまり興味がなかった当時からやっと今日で内容を知ることが出来た。

今となっては、当時のヤンキー文化をあまり繋がりのない映像の構成で見せられると中々不思議な気分になる。
確かに当時に公開されて若者の心を掴んだのは分かる。
なにより情報が少なかった時代、いろんな推測や憶測という会話が日常を支配していただろうし、噂によって伝説化して行った事を録画して切り取ることはものすごく価値のあるものであっただろう。そして現代においても海外においても、その情報や文化は歴史として機能しているのだと。
ギリギリ自分もヤンキー文化というものを触れれる時代に生まれたので、喫茶店に集まる行為や、公衆電話から連絡する姿は、田舎育ちの自分であってもあまり差異がなかった事を確認できる。
ただ、ヤンキー文化からカラーギャング、そして関東連合の様な半グレからヒップホップに移行して行った現代までの流れから見ると、当時のヤンキーは”真面目”である。
話している内容もしっかりと別社会の中でのルールやしきたりが如何に人間性を育てているかが伺えるし、それをしっかり理由を持って話している不良どもを見ていると今の凶暴化して常識の通じない不良と比べて非常に真面目で頭がいい。
ただ、その実録という価値以前に映画として、ドキュメンタリーとして面白いのかと問われると、その羅列具合がストーリーを排除、説明が足りない事で面白みがかけて飽きてしまう内容ではあると思う。

そしてもう一つ。
音楽の「お」の字も口から語られることがなかったし、ギターを始めたり音楽を部屋で聞いていることに決して良い顔をしなかった自分の親父がつい最近亡くなったのだが、
「空手の世界で結構良い線を行ってた」と嘘か本当か分からない様な武勇伝を話すのが好きで、
俺はそういう話も現実的に無理があったりする逸話が多く、親父の知り合いと話している時も「俺は昔こうだった、と話していた」と半分馬鹿にされた様に言われていたのもあって、虚言癖の強い人間だと、あまり好きな存在ではなかったし、実際に家庭内でも煙たがれた存在であった。
そしてどういう交友録で得た情報かは知らんが、晩酌をキメながらテレビに出演してる芸能人の武勇伝を話すのも好きで、その一つに「鈴木ヒロミツは今はこうしてテレビに出ているが、昔は喧嘩が強くてバンドでボーカルをやってて、そりゃ凄いバンドだったよ」と、また嘘か本当か分からない話していた事を覚えていた。唯一音楽のことで自分の口から話をしたから深く印象に残ったのだと思う。
今回こうして映画を見ていて時折かかる音楽がどれもカッコよく、シャザムっても反応されず、ラストのクレジットでも文字情報が無かったことでネットを調べ上げていたのだが、
俺が一番「なんじゃこりゃ!!カッケぇぇーー!!!」となった曲が、鈴木ヒロミツがやっていた「ザ・モップス」であり、ネットの情報から確かにバンド活動時期によく喧嘩をしていたという逸話が浮かび上がった。
家庭環境が良くない自分は親父の死亡を後から知ったが、このタイミングでこの記憶が蘇った偶然に不思議な感覚を得ている。
TA

TAの感想・評価

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終盤の室内のシーンがとても良かった。ドラマがある。急に彼ら、特にゴム君を知っているような気がした。彼が唄とふざける時間が淋しく愛おしく印象的。
manuca

manucaの感想・評価

3.0
モノクロームの東京を疾走する1970年代の若者たち。伝説の暴走族。なんかのんびりと素直でシンプルで。活き活きとして見えました。音楽がとても良かった。
小さな四角い画面と向き合う人ばかりの現在と比べると人間らしい若者たちの集まりに見えた。この年頃に反社会的逸脱行為が多くみられるのはいつの時代も同じ。内職しつつ悲嘆に暮れる母ちゃんが昭和を醸し出していて気の毒さに拍車がかかる。その後親孝行してもらったのだろうか…。

一度は耳にしたことがあるブラックエンペラー のドキュメンタリー。貴重な映像。どんな悪態映像が飛び出すのか身構えていたがまだまだ微笑ましかった。生解説付きで鑑賞されたというフォロワーさんが羨ましい…。
76年の新宿。
甲州街道をぶっ飛ばすブラックエンペラー。
カメラ、編集、音楽、そして意外にも気の利いた独白や会話。
不良の美学が白黒フィルムに焼き付けられている。

暇をつぶすためのコンテンツなんて深夜ラジオかバイクくらいしかないよな。
携帯も深夜テレビもコンビニもないんだからさ。

団地で南無妙法蓮華経とダウタウンブギウギバンドのレコードの音が交錯する風景。
宗教に救いを求める親、不良のアイコンに救いを求める子。
不良の流儀を美化したような作品ではなく、若者の遣る瀬無さが随所に噴出している。

本作に出演する男を間接的に知る者の解説を聞きながら鑑賞。

後に三代目総長となる本間雄二は、更に後「19歳の地図」で俳優デビューとなる。
タニー

タニーの感想・評価

2.0
ドキュメンタリーだから、特に話の内容ないから別にいいんだけど、何言ってるんだかあんまり聞き取れなかった。

この当時は、それなりにカッコよかったのかも知れないけど、皆んな髪型が寝癖みたい。そして、顔つきが少年!(少年なんだけど)

見た目も行動も、もっとギラギラメラメラしてると思ったから予想外だった。
脱退の意向を示した年少メンバーを総長が冷酷に突き放す場面、東映実録でよくある組織拡大の道具として使った松方弘樹を梅宮辰夫が捨てる場面を彷彿と…。

そう切り取られているから、だとしても根は素直でしっかりした良い子ばかりに見えるブラックエンペラー新宿支部の面々なので、その暴走に明け暮れる日々も今から見れば微笑ましい(そして羨ましい)限りだが、組織の締め付けを強化しようとする総長だけ本物感がガチ過ぎる。あれ瓜田純士の親父なのか。納得しかねぇわ。
日本の白黒ドキュメンタリー映画って見たことなかったかも。
よくこんな映像撮れたなぁー!臨場感。パラリラ。
面白かった!

現代から見ると超Old-Styleな不良たち(パンチパーマ、リーゼント、ヤンキー座り、眉毛全剃り!)が、大都会のファッションだったんだなぁというのがもはや感慨深い。

少年たちがみんな根は純朴そうで、親とのコミュニケーションもしっかり取っていたりして、なんか印象変わった。
構図が決まりまくり、嘘つきまくり。社会のはみ出しモン達が不良世界で社会が求める正しいニンゲンに近づいていく矛盾。この時代の不良は喋り方しっかりしてるな。
NZRK1

NZRK1の感想・評価

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