当事者、それも失った家族の属性も同じ、という中で生まれる温度差について考えたこともなかった。自分と完全に同世代の物語、というところもまた。
自らも通ったであろう大川小学校を歩くシーン、あと何年早か…
脚本やお話はとてもリアルで、度々心が持ってかれるシーンもあったけれど、だからこそお芝居に違和感があって、ドキュメンタリータッチだと思って観ていたからか、与えられたセリフをただ綺麗に読んでるだけに見え…
>>続きを読む素晴らしかった。ある喪失を、その土地の記憶の層に沈潜しながら、途切れ途切れになりながらも、見つめていく、聞き取っていく、記録していく。荒削りながらも、決してお涙頂戴のセンチメンタリズムに陥らせまいと…
>>続きを読む作り手にとっては自分ごととして誠実な物語であることは認めつつ、正直実際の出来事を他者に演じさせて語り直す行為のうちに、ありふれた映画的なコードに自らを規定させている印象が強く、もしかしたらそのような…
>>続きを読む3.11 で兄弟姉妹を失った者達の、静かな悲しみの表出。『春をかさねて』と『あなたの瞳に話せたら』 の2篇の中短編の併映。
『春を〜』は、当事者キャスティングながら、セリフも演出もある劇映画。『あ…
この地区での子どもたちにカメラや記者の前で、"正解"を言い続けることを強いてしまった状況がつらい。フィクションとして撮っているけれど、出てくる言葉やシーンが生々しかった。
一方で、終盤に気まずくな…
佐藤そのみ監督『春をかさねて』(2019)
ここにはいないけれど、どこかにいるー
足りなかった言葉をひとつひとつ埋め合わせるように、一歩一歩前を向いて歩いていくーその軌跡が新しい友情の香りを漂わせ…
喪失があまりにも大きすぎるので死者を背負って生きる。その義務感が人生の枷になってはならない。当事者の禊のような映画。大川小学校のUFOのようなオブジェで再会する。メディアに取り上げられることで引き出…
>>続きを読むこの映画の中の悲しみや寂しさはこの映画だけのものである。
東日本大震災で大川小学校に起こったことから生まれた劇映画で、実際に震災遺構で撮影されているが、スクリーン外からの感傷を寄せつけない。しかしど…
©SonomiSato