フィルムを見続けてきた男の卓抜な撮影と編集のアイデアが、心理や説話の軛から遥かに逃れながら、デジタルの画面で揮発する。
そのさまこそが美しい、と見ているうちに松平英子が映画の強靭な支持体として立…
奥行き研究の実作とのこと。
扉によって生まれる奥行きを意識した部屋の設計が面白い。
舞踊、演劇の練習をするゆかりをドキュメンタリーとして撮り、彼女に振り回される男をフィクションとしてコメディタッチ…
とにかくあの部屋のライティングと宇宙船のような照明芸。きらりと光るナイフ、身体アクション、フレーム外からの階段上り下りはさすがに『孤独な惑星』を思い出させる。あとジェリコの壁的な室内も。
が、妙に…
「まだ まだ まだ だね」
演劇!!!! あの舞台のシーンにこの映画のすべてがあるといっても過言ではない。あまりにも良すぎた。まずセットが素晴らしいし、学芸会みたいに観客の方をみて突っ立ってるだけ…
しばらく「ゆかり」という名前に変なバイアスがかかりそうです。
それにしてもビビる程長く感じてしまいましたな。
エンドロールが終わって場内の明かりが付いた時の解放感の半端なさたるやよ。
演劇的手法…
©2015 筒井武文