1960年を境に時代の空気が変わった事を、当時、幼稚園児だった私でも感じた謂わば、昭和の都会原風景に、懐かしさを覚える成瀬巳喜男監督の小品佳作。信州上田から上京した母茂子乙羽信子は、一人息子小学六年…
>>続きを読む青山真治監督が、「映画は風景のドキュメンタリーなんだとつくづく思わされます」と言っていたけど、この映画はまさに古き良き銀座をたくさん堪能できて、なんだかそればかり見てしまったずら。
なかなかにしん…
成瀬の子供映画だが、やはり厳しい。上京した大澤健三郎が東京で揉まれる一連の出来事群。一木双葉と晴海海岸に遠出するシーンや線路で手を繋いで歩くシーンの寂寥感が堪らない。
また一木双葉は単純なお嬢様キャ…
“カブトムシ”に振り回された、ひと夏。
9月になるが、まだまだ秋は感じない。
少年の心は、まだまだ“理解できない事”に燃えていたからだ。
大人の矛盾と都合の良さに、知らず知らずに翻弄される少年。そ…
少年と社会との差が子供であることによる非力により人々と断絶されていく。その中にある少年には見えない力と感情が画面に充満していて素晴らしい。最後の走りの躍動感と希望も虚しく全てが去っていき孤独に包まれ…
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