ラ・ヴァレの作品情報・感想・評価(ネタバレなし)

「ラ・ヴァレ」に投稿された感想・評価

Cem

Cemの感想・評価

3.6
幻の羽根が欲しいフランスの奥さまが一人でパブア・ニューギニアに訪れます、
そこで出会ったヒッピー風な人達と幻の羽根を探しに冒険の旅をしますw
自由だ!開放だ!楽園だ!ヒャッハー!羨ましいw

原住民の儀式に参加し気に入った奥さまに、「心は自由になれない、無垢な自分などいないんだ」と冷静に言うヒッピー風な男に落胆する奥さまが良かったw

画面は緑一色、大きな樹木の下で緑色の蛇を首に絡めてるシーンは何だか幻想的な雰囲気で好き★

食人族のような不気味さもありつつ美しいとも感じた!
ラスト、ここで終わるの⁉って終わり方で嫌いじゃないですw
UNE

UNEの感想・評価

5.0
ピンクフロイドが音楽を手掛けたフレンチヒッピー映画。
本物のニューギニア原住民(マッドメン!)が登場して儀式をするシーンにはびっくり!

ヴィヴィアーヌが森の中の幻覚剤によって木や岩やヘビとの境界線が消えていくシーンは美しかった。
ピンクフロイドに特別興味はなく、このパッケージ、ポスターに惹かれ鑑賞、この木の映像のところはすごく好きだな。
そのまま大自然を相手に淡々としてて好きだけど性に対するヒッピー文化にあんまりハマりきれなかった。
ただ本当、このポスターとパッケージにもなってる木の映像はとても好き。
モアを見たときも思ったけど、この監督とはおそらく感性が微妙に合わなくて、それ故にやきもきする。

まず良い点としてはフレンチヒッピーという題材に物珍しいものがあり、加えて彼らとニューギニアの原住民の交流をドキュメンタリー的に捉えた点も良く、こういうありのままの姿を撮る姿勢はリュミエールやフラハティの映画を髣髴とさせるものがあって、こういうシーンが映画の大半を占めていたら最高だったのにと思うと勿体無くも感じられた。

しかしモアがそうだったように、自然の中にいても人物描写が多いためそこまで美しい映像があったように思えず、原住民が関わるシーン以外で挙げられるならヒロインが蛇と戯れるシーンとかくらいは多少印象に残りはしたけどその程度で、ニューギニアという土地を最大限に活かし切れてなかったよう思えた。

というかロメールやトリュフォーらの作品で良い働きをしたネストール・アルメンドロスの映像が魅力に乏しく思えたのは、これ以前にもうその手腕を発揮していたことを考えるとシーン構成自体に問題があるとしか思えず、アルメンドロスに目をつけた点は褒められるけどどうも持て余していた感は否めなかった。
エイジ

エイジの感想・評価

3.4
凄いものを観た。

これ本物だよな?


筋書きがある映画を無視したような後半の儀式は本物過ぎて見入ってしまった。



未踏の地のジャングルに白人の女性は、そのミスマッチが美し過ぎて、神秘的な領域。


文明人と原住民の根本的な違いに、考えさせられたな。
romio

romioの感想・評価

3.5
ラ・ヴァレ
アフリカの奥地。未だに誰も到達した人はいないという秘境を目指す探検隊。
幻の谷。楽園と信じらるその場所に彼らはたどり着けるのか。

探検隊といっても、彼らはいわゆるヒッピーらしい。
ヒッピー(英: Hippie)は、伝統・制度などの既成の価値観に縛られた人間生活を否定することを信条とし、また、文明以前の自然で野生生活への回帰を提唱する人々の総称らしい。
なんとなく、俺には姿形は髪の毛長くて、ホームレスしてる人々くらいの認識しかなかったが、そういうものなのだそうだ。

主人公はフランスの人妻。
何やら、羽根を求めている。
そして、レアな羽根をくれるという部族に会いに行くため、ヒッピー集団と行動をともにすることになる。
見ている最中は、ああこういうかったるい欧米の女いるよなくらいのものだったが、あとに残るものがある。
ヒッピーの映画でありながら、ただふざけるだけじゃなく、いたって真面目なところがいい。
イカレ具合とのバランスがよい。
ただのジャンキーとかではなく普通じゃないけど普通の人々のその考えの話なんだよな。
万人にはおすすめしないが、ビビっときた人にはおすすめしたい。
話自体、映画自体、すっげー面白いなとは思わなかったので、点数は低めに。
しかし、いい映画!
ラ・ヴァレとはいったい??
終わり方も実によい。
noriko

norikoの感想・評価

5.0
大傑作。
もう好きすぎて、オールタイムベスト10入り決定。
この映画の醸し出す気だるい雰囲気や、終始彼らに覆いかぶさっている不吉な雰囲気が好き。
「アギーレ神の怒り」の無謀さに「ピクニックatハンギング・ロック」の靄がかかったような神秘的雰囲気が合わさったような映画です。
それでいてヒッピー。
享楽的でありロマン的でありながら、超現実的でもある。
悪い飲み物を回し飲みしながら、自由に思い思いの相手と情事にふける。

はじめは主人公である女性ヴィヴィアーヌは、まさしく伝統的な価値観に縛られている女性でした。
けれど地図上でも未だに空白の”幻の土地にある谷”を、無謀なヒッピー探検隊とともに探すことで、徐々に魂が開放されていきます。

その象徴的な出来事は、やはり身体の開放。
当初はヴィヴィアーヌの恋人オリヴィエが、他の探検隊の女性と情事にふけることにひどく落胆をしていました。
けれど他の探検隊の女性から諭され、共有することの抵抗感が弱まり、ついには探検隊隊長であるガエタンと身体の関係になります。
これが、非常に上手い。

オリヴィエとの情事は彼が上になり、よくある一般的な性行為にしか過ぎないです。
けれどガエタンとの情事は違う。
互いが向き合っての座位。
動物的な行為である、身体的動作を排することで得られる魂の快楽を得ているように見られました。

ああ、ここでヴィヴィアーヌは真の意味で、世俗を捨て固定概念を真っ向からぶっ壊し、自由と平和とセックスを愛する解放人になったのだと感じました。
それが美しい。
野生に帰り、より人間的になった女は美しい。

一向は高山病と戦いながら、見果てぬ谷を追い求めます。
最後疲労困憊の中、彼らは谷を見たといいます。
そこでエンドロール。
見事なぶった切り。
思わず、「え?」と声が出た始末。

なんという尻切れトンボか!と見終わって30秒間は思っていたんです。
でもそこから映画の真の力が発揮されました。
映画は本編が終わってからが勝負。
どれだけ余韻を残せて、どれだけ観客に思考させ続けるか。

果たして彼らが最後見たものとは?
高山病による幻覚でしょうか、はたまた本当の谷を見たのでしょうか。
そもそも彼らが目指していた谷とは?

彼らは死を覚悟していました。
アギーレでは黄金卿を執拗に追い求め、最後まで金の亡者、資本の奴隷でありました。
けれど本作の彼らには物質欲などなく、ただただ純粋な精神もしくは狂信的な思想により、現世にない”なにか”を求めていました。
谷に行ったものは帰れないのか、自ら帰らないのか。

この図をどこかで、、、と考えたら神様タルコフスキーの「ストーカー」!
ありとあらゆる願いを叶える、危険なゾーンにある「部屋」。
そこに行くためには幾多の危険を乗り越えなければならず、時に命を落とすものも。
そしてついに3人は行き着くも究極の選択を迫られ、己の限界を知ります。
救済などなく、そこにあるのは偽善。
それを知りながらも己の暴露を恐れる。
だからただ立ち尽くすしかないのです。

本作も同じ構図です。
死を覚悟して、理想郷があるであろう谷へ向かいます。
命を削った先に、彼らは谷を見たといいます。
ゾーンの「部屋」の前で立ち尽くした3人のように、彼らも「見た」だけで身体は動きません。
ここでぷっつりと映画は切れていますが、もし映画が続いていても彼らは動いていないでしょう。

疲労ではない。
彼らは極限状態で試された。
試された結果、動けなかった。
だから彼らは谷を前にして朽ち果てるしかないのでしょう。

その無情な終わり方が好き。
あくまでも私の感覚であって、本当のところは分かりません。
最後の力を振り絞って谷に行き、ハーレム築いているかもしれませんし(笑)

総じて、オールタイムベスト10入り決定です。
対となる前作「MORE」を観たのもかれこれ10年以上前になりますが、バルベ・シュローデル監督が再びPINK FLOYDとタッグを組んだフレンチ・ヒッピー映画。

アフリカ・ニューギニア島の奥地に存在する人跡未踏の秘境を目指す小細工無しのリアル・アドベンチャー!
フランス領事官の妻で工芸品の買い付けをするブルジョワマダム・ヴィヴィアーヌは偶然出会った冒険家たちに触発され、彼らと共に未知なる「ラ・ヴァレ=渓谷」を探し求める"オデッセイ"を体現します。

PINK FLOYDも後に世界最高峰の歴史的傑作となる「狂気」の制作と並行して本サントラを手掛けており、そのグルーヴは我々を幻想的な次元へと誘ってくれます。

当時はフランス五月革命やベトナム反戦運動、ロックはサイケからプログレという新段階に到達し、ドラッグとセックスのボーダーは緩み、ヒッピー・ムーヴメントは世界中で最盛を迎えていた時期。
西洋の近代文明下で凝り固まった既成概念を氷解させ、俗世とは逸脱した原始世界に触れることで人と人の調和、人と世界の調和を映し出します。

ただ、シュローデル監督は闇雲に若者をアフリカに駆り立てヒッピー・カルチャーを煽動しよう!というわけでは決してなく、前作「MORE」ではドラッグによる精神解放を描きつつもその代償として破滅を伴う危惧を説きました。

本作でも例えば、性解放とは快楽の為のフリーセックスを指すのではなく、愛を広く多く共有し合う前提のセックスであることや、
我々が享楽的に土着民と同化することは単なる観光客程度にすぎず、今まで培った一切の価値を棄てなければ求める真実には到達できないなど、次第に短絡的になりつつあるヒッピームーヴメントの真の在り方を諭します。

全編アフリカオールロケを敢行し、各部族が大集結する祭典シーンはとにかく圧巻!
後半の祭儀のシーンでは村の長らしき人の「わしは誇りに思う!映画というものでわしの名を世界の果てまで伝えてくれる」という発言など、半分はもう探検ドキュメント。

Valley(谷)を意味する「La Vallee」に彼らは果たして辿り着くことができるのか。
そもそも彼らが探し求める「谷」とは一体何を意味するのか。
ホドロフスキー「HOLY MOUNTAIN」っぽいノリでどうぞ!いや、違うか。
hiro

hiroの感想・評価

3.8
ドキュメンタリーかと思うほど静かで淡々とした雰囲気。というかきっと部族の祭りの部分はガチのドキュメンタリー。
羽根。そこから入り込んで音楽とともにいつの間にか主人公とともにヒッピーそして民族へと入り込んでいく。途中にある原住民ぽい民族の人との交流はドキュメンタリーかと思えるような自然な表情。言葉。映画というワードもでてくる。未開拓の谷という天国というなにかに導かれバイヤーだった主人公がヒッピー達と心境の変化をみいだしていく。
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