稲村ジェーンの作品情報・感想・評価

「稲村ジェーン」に投稿された感想・評価

このレビューはネタバレを含みます

https://umemomoliwu.com/inamura-jane
MOCO

MOCOの感想・評価

3.5
「静かな海にばかり浮かんでいたってしょうがないじゃない!」
 
 監督された方がこの映画を作ったことを後悔されているためDVDで販売される可能性も電波に乗って放送される可能性も非常に低い作品です。現在視聴できるのはビデオテープかLDのみと思われます。

 監督はこの映画を2時間40分作品として製作したのですが興行的に無理ということで40分カットして2時間枠の作品となりました。そのためか映画は理解し難く、酷評され使用された音楽のみが高評価となりました。
「もし、このカットがなければ評価はかわっていた」とも言われている作品です、ディレクターズカット版のDVDの販売があっても良さそうですがそうならないところが、悲しい現実です。
 しかしそこまで酷評される作品でもなければ、そこまで後悔しなければならない作品でもありません。

 青春映画なんてだいたいこんな他愛ないものです。期待しすぎだったのです。いやむしろ残念なことですが、一部の映画評論家の酷評に多くの人が乗ってしまったのです。長い物に巻かれて安心を買ってしまったのです。

[今は簡単に観ることが
  出来ないので
  ストーリー全体を!]
 日本のサーファーがサーフボードをアメリカ兵の払い下げで調達していた1965年のお話です。
 鎌倉市稲村ヶ崎の骨董屋を伊勢佐木町のチンピラ(的場浩司)が訪れ店番のヒロシ(加勢大周)に「お前のダチのマサシ(金山一彦)の居場所を教えろ」と言います。マサシは稲村ヶ崎のサーファーが集まる喫茶店ビーナスのロックバントを組んでいる男です。
 チンピラは親分の使いでマサシが勝手に売ってしまった金さんの壷を返せと言ってきたのです。
 ヒロシは「俺たち他人だからよ」と言ってチンピラを追い返すとビーナスに向かいます。
 ヒロシとマサシはひとまず稲村ヶ崎を離れるのですが、途中マサシがトルコ嬢(この頃のソープ嬢のこと)の波子(清水美砂)と仲が良くなり波子が「サーフィンをしたい」と言うので稲村ヶ崎の骨董屋に戻ってきます。
 偶然入ったレストランでチンピラに出くわした三人ですがマサシが一人逃げだしたため、ヒロシと波子が代わりに金さんの所へ連れていかれます。
 金さんに失くなった壷はしょうがないが、代わりになにかを差し出せと言われて帰ってきます。後日波子は一人で金さんのところに訪れ全て解決してきます。おそらく体で・・・。

 その夜あのチンピラが三人で生活する骨董屋に現れ「鉄砲玉になるため大阪に行ってくる」と別れを告げます。

 ある晩ビーナスのマスター(伊武雅刀)がヒロシとマサシに20年前の大波の話をします。それは酔った時にいつも話す内容よりずっと濃い内容でした。
「20年前にそのでっかい波が来た日もな、横須賀の兵隊(アメリカ兵)がひとり浜におりた、海を見て口を開けてやがった。怖くて乗れねえんだよ、波がでかすぎて。
 そのときにな、その狂っている兵隊を尻目に、稲村の無茶な若い衆が三人海に入っていった。
 もちろんサーフボードなんて誰も持っちゃいない。一人は見よう見まねで削った木の板を脇に抱えてなぁ。もう一人は洗濯板だよ。もう一人はなんだと思う?風呂の蓋だ。」
「どうしてるの?今、そいつら」
「洗濯板持ってた奴なぁ、伊豆で金目鯛船の船長になっている。大波が来た前の日に、伊豆で大量の金目鯛があがってな。
 船に乗って金目睨みながら、もう一度でっかい波に乗れるのを待っているんだろう・・・。」
「それで、他の二人は?」
「木の板持ってた奴東京から来た奴でな、その波見てから東京帰るのやめちまった。どうしてるんだかあの若造・・・」
「もう一人は」
「知らねえ・・・」
「稲村で最初にサーフィンやった伝説の三人のサーファーってさ、まさかそいつらのことかよ」
 ・・・・・・

 ヒロシは病気の為療養中の骨董屋の主人(草刈正雄)を訪ねます。
 そこで波子と金さんが見舞いに訪れていたことを聞きます。
「そう、稲村ジェーンかぁ」
「知ってんの」
「海の水がさ全部稲村に押し寄せて来るんじゃないかって心配したそうだよ。ジェーンが来るときは伝説の予兆があるって話、聞いたことがあるか」
「いや」
「稲村の町で波の蜃気楼を見るそうだ」
「町の中で波の蜃気楼?どうやって」
「それからな、光明寺の山門の竜の目が赤くなる。それからな、伊豆に金目鯛が狂ったようにあつまってくる」
「金目?ビーナスのマスターも言ってたけど馬鹿げているよ」
「その馬鹿げた波にのるためにさぁ、すげえでかい板削った奴がいてな、4メートルあるんだ、4メートル・・・
すげえ暑い夏でさぁ、稲村の浜で若いのが汗流してひと夏中・・・。
デッキには竜の絵が書いてあるんだよ、カッコ良いんだよ」

 波子はヒロシのボードの上で「伝説のサーファーは三人とも同じ女の子を好きだったけど、誰も言い出せないうちに、彼女は流れてきたサーフボードにあたって行方不明になってしまったんだって」と、金さんから聞いた話を教えてくれます。

 しばらくしてビビって鉄砲玉になれなかったチンピラが三人のところに逃げてきます。チンピラは逃げ出したことでヤクザに追われてきたのです。
 骨董屋に現れたヤクザは店の中で大暴れしてヒロシを袋叩きにして帰っていきました。その最中骨董屋の中に隠れていた波子とチンピラは竜の描かれたサーフボードを目にします。
 
 四人で外食をしていたある日、親分とヤクザが現れチンピラは連れていかれてしまいます。ささやかな抵抗しかできなかったヒロシは言います「しょうがねえんだよ、結局俺たち・・・」言葉を遮るように波子が怒鳴ります「他人だからじゃすまないことだってあるのよ!そんな風に皆そうだから・・・
 静かな海にばかり浮かんでいたってしょうがないじゃない!」
 四人はもうバラバラになっていました。

  そんなとき20年前と同じような天候になり台風が発生し光明寺の山門の竜の目が赤くなって・・・。
 
 ビーナスのマスターは店をたたむ決心をして、マサシはバンドのドラムが抜けて、ヒロシはサーフィンをやめると決めて・・・。そんなときマスターから竜の描かれたサーフボードの話が出ます。それは波子がチンピラと見つけたサーフボードでした。
 ヒロシと波子はサーフボードをミゼットにくくりつけると、サーファーが大波を見るために集まっている山を目指すのですが、山道でミゼットを横転させてしまいます。二人はサーフボードを抱えて山を越えようとするのですがそこに大きな竜が現れヒロシは竜が骨董屋の主人だと感じます。
 同時刻、マスターが大波がくることを必死に連絡を取ろうとしていた金目船の船長がビーナスを訪ねます。そこに療養所から骨董屋の主人が亡くなったと連絡が有ります。船長は20年待ち焦がれた波ではなく「あいつの所へ行こう」と・・・。

 ヒロシと波子は山で蜃気楼を見て確かにボードに乗ったのです。

 早朝療養所に着いたマスターと船長は枕元に昔皆で写した写真を見つけます。三人のサーファーと憧れだった女の子が写った写真にマスターが言います「こいつもいるよ・・・ジェーンもいるよ」

 台風の過ぎたビーナス前の海岸に足を洗ったチンピラ・店を再開するときめたマスター・マサシ・ヒロシ・波子が・・・。


 エンディングの「真夏の果実」がぐっときます。伝説の三人とジェーン?との関係とヒロシ・マサシ・チンピラ三人と波子の関係になにか共通点があったらとか、おそらく相当なこだわりで、全く出てこないサーフィンシーンや大波シーン。草刈正雄さん伊武雅刀さんのセリフが聞き取りにくいなどが不満は残ります。

「俺たち他人なんだから・・・」とうそぶくヒロシですが、最後はそんなヒロシのもとに皆が集まっている。的場浩司さん演じるチンピラも友達が欲しかったんだ、寂しかったんだ・・・。

 生きている内は死ぬほど後悔することが一つや二つあるものです。監督は「静かな海にばかり浮かんでいたってしょうがないじゃない!」って気持ちで映画に対峙したのでしょうね。今回延べ10時間位観たけれど良い映画でした。好きになりました。

 ところで若い頃の的場浩司さんのチンピラってなんだか天才バカボンのお巡りさんとだぶってしまうのは私だけでしょうか。

 またまた、ところで主演の「加勢大周」は1990年のこの『稲村ジェーン』で俳優デビューし一躍トレンディ俳優となるのですが、一年後の1991年には独立をもくろみ、芸名の使用の停止を求めて提訴なんてことがありましたよね。事務所社長は歴史上の人物「勝海舟」を敬愛していて、その名前に似せた「加勢大周」という芸名には思い入れがあったようです。その後和解して芸名を譲り受けたのですが、後に大麻の所持で逮捕され、まるで「汗・大衆」みたいな汚れにまみれた事件で引退しちゃいましたね。

 「静かな海にばかり浮かんでいたってしょうがないじゃない!」って良い言葉ですね。
 



 
 
 
Jeffrey

Jeffreyの感想・評価

1.8
「稲村ジェーン」

冒頭、 昭和四〇年、湘南鎌倉市の稲村ヶ崎。ガレージでサーフボードをチェーンソーで真っ二つにしようとする少年たち、夏の汗の匂い、伝説のビックウェーブ、チンピラ、骨董壺、青春、海、波子の存在。今、伊勢佐木町に台風が近づいている…本作は一九九〇年にサザンオールスターズのバンドマスターとして活動している桑田佳祐の初監督作品との事で、円盤化されずVHSにて初鑑賞した。映画主演は加勢大周で、いつしか見たキンキの堂本兄弟主演のというか本来主演は赤井さんだが、人間失格と言うドラマに出ていた彼は確か…あの件で芸能界を辞めたと記憶している。主題歌はサザンの真夏の果実である。北野武がぼろくそに酷評しているが、桑田も桑田で色々と言ったそうだ。深い事はよく知らないが…。

さて、物語は昭和四〇年サーフィンが始まってまだ日も浅い湘南・稲村ヶ崎を舞台にしたもので、夏の終わりのある朝、ロングボートをミゼットに積んでヒロシが稲村に帰ってきた。ヒロシを待ち受けていたのは、伊勢佐木町のチンピラ、かっちゃんだ。ボスの骨董壷を横流ししたラテンバンドのリーダーマサシを追っていると言う。そんなところへ横須賀のトルコで波子と言うとびきり良い女が現れる。奔放で情熱的な小さな台風、波子を中心にヒロシ、マサシ、かっちゃんに奇妙な友情が生まれ始めた頃、稲村ヶ崎に台風が近づいていた…と簡単に説明するとこんな感じで、映画音楽の枠を超えた新曲10曲を自ら書き下ろして音楽と画が平均に存在する映画を徹底して追い詰めた桑田の初監督作品である。

こんな映画に泉谷しげるや小泉今日子が出演していたことにびっくりする。この作品冒頭の暑苦しい倉庫のような所(ガレージ)で少年たちが額に汗をかきながらチェーンソーでボードをぶった切ろうとするファースト・ショットは個人的には好みである。まぁ、色々と批判はあるようだが、青春映画としては1つこういったものもあっていいんじゃないかなと思う。それにしても加勢 大周若え〜し、カッコいいわ。的場 浩司も今ではスイーツ大好き男子としてよくバラエティーに出ているが、この時から悪役がハマっている。悪役というかチンピラや不良的な立ち位置の。
内容はさほどではないが舞台が湘南なので海が眩しい!カミさんと結婚前に映画館で観たのを思い出す。
Juliet

Julietの感想・評価

-
映画かんでみたー。
このとき、
サザン、すきだった。

加瀬大周
いま、なにしてるんだろう。。。。
期待して映画館へ見に行ったけど非常につまらなくモヤモヤして、そのまま別の映画館へ違うのを見に行きスッキリして帰ったという思い出。ミュージシャンはミュージシャンに専念した方がいい。
ryoryosan

ryoryosanの感想・評価

2.8
映画館でみてずっこけた笑
まあ、でも希望の轍という名曲が残った。
ゆき

ゆきの感想・評価

5.0
映画館で観た時、なんて豪華なMVだろーって思った。
ストーリーなんてちょっと大目にみちゃうよね(笑)

なつかしーって思って観たら、哀愁なのか郷愁の類いか…とにかくとにかく、全てが薄目で観るような愛しさ。
それは、ストーリーや演者さん含めてね。

あぁ、良かった。
やっぱり曲はどれも好きだし、懐かしさをもう一つの懐かしさでちゃんと包んで、私の中の良い位置に戻してあげられた。
浮わついていた時代の名残り

私も今思えば恥ずかしいこと
相当してました
チャラチャラしてたな

それにしても、いい曲だな
イントロに過ぎてゆく夏の切なさが
凝縮されている

桑田さん
過ぎてしまったあの頃の夏の一日を歌う
新曲をお願いします。
その時は、もう映画は要らないですね。
他の人のレビューを見ると私はこの映画途中で見るの辞めたのだと思う。途中迄はゆったりした印象ある。今見ると案外いいかもしれない。
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