山猫リュシュカの作品情報・感想・評価

「山猫リュシュカ」に投稿された感想・評価

驚異のモテ男、アレクシス中尉を襲った山賊の娘リュシュカ。しかし、お互いに相思相愛になってしまい…。山賊たちが王家を襲いに行った際、音楽が流れてきて、スリルいっぱいなシーンのはずなのに思わず踊り出してしまったりと面白い。文字通り、涙で川が出来ていたりとちょこちょこと笑える。リュシュカの成長にも見えるそのラストはとても感動的。
2017年5月14日、シネマヴェーラ渋谷にて鑑賞。(ルビッチ2本立て)

この映画、ルビッチのドイツ時代のサイレント映画であり、セットが凄い。
映像のくり抜き方が場面場面で工夫されている素晴らしさもある。

全部で4幕(ACT 4)まである。

◆ACT-1◆
司令官の娘リリーが居る。そこに、とんでもなくモテモテ男のアレクシス中尉がやってくる。(このモテモテぶりで大勢の女性が別れをする場面、赤ん坊たちに爆笑)
一方、山賊の娘リュシュカが居る。

◆ACT-2◆
モテモテ中尉が城へ移動する時に、リュシュカと出会う。
司令官の娘もリュシュカも、この中尉に惚れてしまう。
どうなるのだろうか?の楽しさ。

◆ACT-3◆
山賊討伐は大勝利に終わるが、城にリュシュカと5人の山賊が紛れ込む。
山賊たちも踊る音楽。観ていて楽しい。
司令官の娘は中尉に「もうすぐ結婚ね」と言えば、中尉曰く「残念ながら、そのようだ」。
一方で、中尉はリュシュカとグルグル回ったり、長いファーストキスしたり。。。

◆ACT-4◆
「リュシュカの夢」シーンは、本当に夢と思わせるように「人物が透き通った映像」が見事。
そして……
大傑作。
イケメン司令官とそれと敵対するはずの山賊の山娘が恋する話。

カットごとに画面のフレームの形状が違うが、ただの前衛ではなくきちんとエモと連動したフレームの形になっている。

イケメン司令官(禿げててどの辺がイケメンなのか?と思うが)が女子の大群衆に囲まれるシーンとかキートンっぽくてすき。
オープニングの軍隊の朝のシークエンスも笑える。

結婚が嫌で、雪山をごろごろ転がった司令官が山賊の娘に偶然ぶつかるシーンのむちゃくちゃさが大好き。そのあと二人でごろごろ転がるのも可愛いし、帽子があとを追って転がってくるとことかもちょー可愛い。ラストの涙の川には驚いた。
hamada

hamadaの感想・評価

4.3
昇って降りる、それだけのために出てくる階段があまりに素晴らしい。あんな階段は存在しないし(赤瀬川的に言うと"トマソン"?)、存在しない階段をただ昇ってただ降りる。最高!

なにもかもが過剰で、冒頭の "さようなら…" でいつまでも笑える。フレームの形がちゃんと効果的で、アイデア一発という感じになってないのがすごい。アイデア一発の映画しか撮れないリンクレイターやノーランといったカスは、ルビッチを10000000回観るべきである。
sumi

sumiの感想・評価

5.0
ルビッチドイツサイレント時代の米国版DVDボックスを購入して鑑賞。これは宝物。
恋物語と実験映画。
初めてのルビッチ映画は
そんな映画でした。

女盗賊だって恋をする。

がっつりワイルドな
リュシュカだけど
自分の周りにはいない
物腰の柔らかな男に
コロっといっちゃう恋物語。

物語の結末は、
ミラクルさには欠けるけど
あの小川は…女子としては
嬉しいねぇ。
(愛されるって無敵♡)

舞台装置のような
シュールな曲線を描く家具や
音楽を奏でる大きめのこだまや
(byもののけ姫)
構図を縦横・楕円に切り取ったり、
果てまたギザギザだったり、
表現を色々試行錯誤しているところに
この先のルビッチ作品に
ワクワクを感じる。(見なきゃ)

タイトルが、
おてんばや山猿じゃなくて
Wild catというところも
おしゃれだなぁって思うのです。
『牡蠣の王女』の時も思ったが、人員物量作戦ともいうべきモブシーンの過剰さがすごい。そしてダリがデザインしたようなシュールな美術セットもすごいが、ショットが変わる度にフレームの形も変わるというアイデアもすごい。それが単に奇をてらったものではなく、コメディのテンポとエモーショナルなものによる演出にたまげる(あれってズームアップとかトラックアップとかってことかもしれん)。

とにかく圧倒的な、過剰でカリカチュアでラジカルでアバンギャルドでスラップスティックなコメディに、ラストはなぜかジンワリするというアクロバットなことをやってのけるサイレントの傑作。

@シネマヴェーラ渋谷(5/15/2015)

*未DVD化だけどこんなところに。
https://youtu.be/im_pEraUTUs
cinemar

cinemarの感想・評価

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最近、普遍的な横長のスクリーンに違和感を持っていただけに、サイレント映画には学ぶものがあるなとか思う。
kiho

kihoの感想・評価

3.2
リュシュカかわいいし山賊も愛嬌あるけど、ちょっとありきたりかな、
ただ今でも通用するユーモアであると考えると最初にこれをやったってすごい
以前は好きな作品ではなかった(キートンを見る時の眼鏡をかけて鑑賞していたからだろう)。
しかし、シネマ乞食の先輩からの指摘によって、この映画の大胆と遊びの偉大さに気付くことができた。
彼の言う通り、ここにはウェス・アンダーソンの遊び心と同型の鋳型が宿っていた。
この映画のキャラクターが流す涙に対する尊敬の念は、初見の時から一貫している。
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