三人三色の作品情報・感想・評価

「三人三色」に投稿された感想・評価

ゴリラ

ゴリラの感想・評価

2.5
ポンジュノ、ユーリクウァイ、石井聰互の三人の監督による短編映画集

とりあえずポンジュノ関連作品ということで観たが3つとも微妙だった。

ポンジュノ監督作
監視カメラのみを使って一人の男が強盗などの犯罪を犯す様子を描いた映画
シュールな笑いがポンジュノらしい
足でモノ集めるばあちゃんと主人公に大外刈を食らうばあちゃんは笑った

ユーリクウァイ監督作
大寒波により地下世界で暮らすようになった人々を描いたディストピア的な映画
カメラフォーカスが合わなかったりと独特な映像表現
何か小劇団の演劇を見ている感じ
独特な世界観は嫌いではなかったが、話は全くピンとこなかった…

石井聰互監督作
スランプに陥ったドラマ脚本家(?)の女性の物語
とにかく字幕をくれ!っていいたくなるぐらいセリフが聞き取れなかった…
久しぶりに見た市川実和子がかわいいなぁという印象しか残らなかった…
よしお

よしおの感想・評価

3.1
No.2569

アジアを代表する三人の監督による、デジタルムービーオムニバス。

①「インフルエンザ」監督:ポン・ジュノ
3.5点
監視カメラの映像をアイレベルにしている。だから覗き見感覚で生々しい。台詞もいらない。
ゆっくり倒されるお婆さん可哀そう。


②「夜迷宮」監督:ユー・リクウァイ
2.9点
これも音声としてのセリフに依拠していない。台詞は字幕ベースだから。サイレント映画みたい。


③「鏡心」監督:石井聰亙
3.0点
これもまたセリフ自体はストーリー展開上、そんなに重要ではない。なぜなら、何言ってるかよく聞こえないから。

いきなり冒頭シーンから、市川実和子とKEE(渋川清彦)、町田康との会話なんか、全然何言ってるか聞き取れない。ファーストシーンなのにこの聞き取りにくさ、ゆえにこれは意図的と思われる。

台詞を「喃語化(なんごか)」させている。喃語とは「乳児などが発する意味のない声」のことである。喃語化することによって、いかに普段、見る側が「音声としてのセリフ」に依存しているかを思い知らされる。
試しにミュートして見直してみたが、筋自体はわかる。

ただし、最後まで喃語化させているわけではない。徐々にセリフ自体が力を持って浮かび上がってくるような印象があり、ラストのシーンはやはり喃語から実体のある言葉に戻っている感覚があった。
AKI

AKIの感想・評価

-

このレビューはネタバレを含みます

『インフルエンザ』
ポン・ジュノ監督・脚本作品。

監視カメラを使って映画を撮るって発想が面白いな~。

監視カメラが捉えた一人の男の犯罪遍歴。
数々の犯罪シーンを時系列に沿って繋げた作品なのだが、途中から共犯として参加するコ・スヒさんの演技というか暴力が過激すぎて、唖然としながら観ていた。凄く刺激的な作品でした。
RandB

RandBの感想・評価

3.2
ポン・ジュノ監督作品にハマり、鑑賞。

2000年に始まった全州(チョンジュ)国際映画祭にて、毎年行われている短編映画の製作支援プロジェクト"三人三色"
その2004年版。

というわけで、ここからは各作品のあらすじと感想。

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『インフルエンザ』
監督:ポン・ジュノ
時間:27分19秒
☆×3.3
監視カメラに映し出された男の4年間。底辺に生きる男は、少しずつ犯罪に手を染めていく...。

監視カメラの映像(10カット)で表現される男の堕落。一つ一つのカットである程度、物語は出来上がっているので、それを繋ぎ合わせた結果、男の数年間の変化が見えてくる印象。アンダーグラウンドで生きるゆえに犯罪へと走ってしまう男の姿は『ジョーカー』にも通ずるのかも...。
ATMにやってきたおばあちゃんに優しく近づいたフリをして、小外刈を決める主人公のシーンと、ガラス張りATMの内と外でどんちゃん騒ぎが巻き起こるクライマックスが、とても滑稽な作品でした。

『夜迷宮』
監督:ユー・リクウァイ
時間:29分26秒
☆×2.5
大寒波による被害を受けた都市・プラスティックシティ。地上で住むことが出来なくなった人々は、地下の宿泊所での生活を余儀なくされていた...。

荒廃した近未来を舞台に描かれる独特な物語。
登場人物がセリフをしゃべらず、サイレント映画の様に後から字幕がでてきたり、現実離れした浮遊感を醸し出すため、あえて映像をぼやかしていたり、重要な言葉を画面奥から飛び出すように浮き出たせたり、変わった演出が目立つ作品だった。
しかし、全体的に雰囲気で乗り切った映画という印象は強い。

『鏡心』
監督:石井 聰亙
時間:40分5秒
☆×3.8
言葉選びに悩み、現実から逃げ出したくなった鬱気味の脚本家。不思議な臨死体験をした彼女の物語。

怪談のように監督がこちらへと話しかける導入が印象的な作品。
人物配置に困惑する序盤の二人の会話シーンや、監督が聞いたという話をスピリチュアルで美しい映像として表現したところが素晴らしく、美しいバリ島の風景に、風や滝が流れる音など、映画館で観たかった作品でもある。
ヒロインのモデルは一体誰だったのか、彼女が作った作品や、この作品の元となった監督の実体験についても具体的に知りたい気持ちになった...。

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参考
Jeonju Intl. Film Festival
http://eng.jiff.or.kr/
(全州国際映画祭の公式サイト)

第1回 韓国で開催の全州(チョンジュ)国際映画祭の魅力に迫る!:ぐるっと!世界の映画祭 - シネマトゥデイ
https://www.cinematoday.jp/page/A0003320

公益財団法人川喜多記念映画文化財団 国際交流
http://www.kawakita-film.or.jp/kokusai_3_2010_jeonju.html
(映画祭のレポート記事。)
「インフルエンザ」
表情のない監視カメラはひとつの犯罪をただ捕らえている。
リアリティの有無よりも、その乾燥した時間の流れに痛みや血の赤さがノイズとして処理されてしまうようだ。

「夜迷宮」
悲壮感も温かみも日常臭さにかき消されてしまっている。
愛のまなざしも夢の世界。すべてが模糊とした映像。

「鏡心」
大切なものを失うということの苦悩よりも、何もかもをリセットしてみたいという広原への願望。それが逃避なのか死なのかはそれぞれの話。
ユンチェムンってやっぱりユンジェムンじゃないか!!コ・スヒがすごい

日本の作品にも字幕付けてほしい、、、セリフほぼ何も聞き取れず
krkr

krkrの感想・評価

2.8
ポンジュノのインフルエンザのみ鑑賞 説明はほぼナシ 全て監視カメラの映像で物語が進む 途中までらしくないなって思ってたけどコ・スヒが謎に踊り出したのでやっぱポンジュノだった
netfilms

netfilmsの感想・評価

3.8
 ソウル市内に設置された監視カメラのモノクロ映像、男が最初に目撃されたのは2000年11月、漢江(ハンガン)のセンフォ橋の上だった。チョウ・ヒョクレ(ユン・チェムン)31歳無職。お金に困った男は、駅のトイレの洗面台で手品を繰り出すも、道行く歩行者には一向に見向きもされない。それから2年後の2002年、男は飢えソンブックのゴミ置場で残飯を漁っていた。単独で初めての犯行を犯すのはそれから1年後のことだった。2004年、パートナーの女(コ・スヒ)と共にプサン銀行を襲った怠惰なカップルは20周年記念で銀行からプレゼントを貰うも、次第に犯罪に歯止めが効かなくなる。5000万ウォン(約500万円)以内の予算で製作し、全てデジタル・フォーマットで撮影・編集まで行う条件の『三人三色』プロジェクトの一編『インフルエンザ』は、冷たく無機質な監視カメラの映像を数年に渡りシームレスに繋ぐ。粒子の粗いモノクロ映像が続く中、駐車場の強盗シーンは首振りのカメラがゆっくりと左右にパンしながら、2人の凶行を斜め上から据える場面がヒリつくように怖い。

 キム・ギドク監督の2000年の『リアル・フィクション』とのある程度の親和性は見られるものの、『ほえる犬は噛まない』で主人公ペ・ドゥナの親友役を演じたコ・スヒの怪演ぶりが凄まじい。最初に痛めつけるのは男であるユン・チェムンだが、犯行をエスカレートさせるのは常に女であるコ・スヒの役目である。監視カメラの映像は時に犯罪を犯す対象との間に厳格な距離を取り、暴力を他人事のようにロング・ショットで据える。だが狭い密室での凶行を余儀なくされる壮絶なラスト・シーンまで、底辺に生きるカップルの底の抜けてしまった感覚が心底怖い。日常に漂う犯罪の気配を辺りに漂わせながら、銀行でハイになったコ・スヒが踊るダンス・シーンの滑稽さ、その暴力性とシニカルなユーモアを危うく配合するポン・ジュノの手腕が光る傑作短編である。

2017年上半期ベスト10
①『ラ・ラ・ランド』(デイミアン・チャゼル)
②『たかが世界の終わり』(グザヴィエ・ドラン)
③『ネオン・デーモン』(ニコラス・W・レフン)
④『パーソナル・ショッパー』(オリヴィエ・アサイヤス)
⑤『20センチュリー・ウーマン』(マイク・ニコルズ)
⑥『T2 トレインスポッティング』(ダニー・ボイル)
⑦『ムーンライト』(バリー・ジェンキンス)
⑧『LOGAN ローガン』(ジェームズ・マンゴールド)
⑨『パッセンジャー』(モルテン・ティルドゥム)
⑩『アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場』(ギャヴィン・フッド)
インフルエンザ/ポン・ジュノ
386世代レペゼン・ジーニアス。コンピューター制御された監視カメラとのシンクロ率98%のpractical film。定点でもきっと飽きさせない、河の底からBIG LADY。

夜迷宮/ユー・リクウァイ
defocusが創る、光の幻想。近未来的な描写と、ボヤけた展開、そしてsilent filmであるという奇妙さ。

鏡心/石井聰亙
監督同様、恋した女は市川実和子。
口紅がはみ出た様な唇が、Sadisticに追い詰められた、硝子の世界の青々しさ。観賞用のクラゲが、バリ島の美しい海へ還る的な臨死体験ambient film。

三人三色、三者三様、三位一体、現責め。なかなかの実験的なオムニバス故に、時間にゆとりを持って臨みたいかも。
tuttle

tuttleの感想・評価

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三人の監督によるオムニバス。
ポン・ジュノ『インフルエンザ』
犯罪者として堕ちていく1人の男を監視カメラの映像だけで追うモキュメンタリー。
ユー・リクウァイ『夜迷宮』
近未来の地下居住区を舞台にしたラブストーリー。
石井岳龍『鏡心』
美しい自然をバックに女優である主人公の苦悩を描く。

他のポン・ジュノの作品とはかなり違った作風で驚いたけど、救いのない話を淡々と映していて結構好き。
あとの二方の作品は観たことがないのでなんとも言えない。
インディーズ色が強く、ひとりよがりというか観客を楽しませる気はあまりなさそうな3本でした。
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