ラストのオーバーラップが魅力的なものの、明らかに成瀬映画の中では失敗している。
それは持続が断ち切れてしまっていることである。成瀬映画の得意な、サスペンスを孕んだカット割りが明らかに欠けている。
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全体的に穏やかな話なのに、その裏にある非情でどうしようもない愛のうつろいを容赦なく描く成瀬の冷徹な視線にドキッとさせられる。久々に再開した夫に愛を取り戻せず惨めな姿を露呈する母親に対する娘の一言の鋭…
>>続きを読むいつの間にやらUnextに成瀬巳喜男作品がラインナップされていた。巨匠の名前に食いついてみる。なるほど、誰に感情移入するかで視点が変わる。つまり「男が悪い」「女が可哀想」とかジャッジメントするのは観…
>>続きを読むこのレビューはネタバレを含みます
成瀬映画の割に結末への共感が得られないのは時代のせいだろうか。
妻と娘を置いて田舎へ出たっきり帰ってこない夫。その夫が向かった先は、かつて芸者をしており、現在は田舎に住む妾。置いていかれた妻と娘か…