偽れる盛装の作品情報・感想・評価

「偽れる盛装」に投稿された感想・評価

Rikako

Rikakoの感想・評価

4.0
祇園の姉妹のオマージュらしいけど、実際の京都を映してるシーンがこっちの方が多くてなかなか見もの。戦後の四条大橋、祇園、宮川町、花見小路をチャリで走ってるシーンだけでも観る価値ある。お茶屋周りの人間関係の描写が細々丁寧で面白い。
京マチ子が(珍しく)めちゃくちゃ良い娘で泣ける。
街中を狂った情夫に追っかけ廻されるシーンは圧巻。

このレビューはネタバレを含みます

京都の芸者、君蝶。
金の切れ目が縁の切れ目とばかり男から男へ。
又、自分の家を格下扱いした女性からは男を奪い取り、お金をせしめる…
これだけ見ると嫌な女だが、母が自宅を抵当に借金したのを返済する為、妹には幸せになって欲しい、と彼女は文字通り身体を張って生きているのだ。

勿論全てが上手くゆく訳ではない。
その『つけ』は最後に彼女に襲いかかるのだが、妹と恋人がこの封建的な世界から旅立ってゆく、その姿を見送る彼女は、まるで憑物が落ちた様だ。

妹の友達が京都の街並みに吐きつける。「京都は戦災を免れた。でもそのせいで、この瓦屋根の下には封建的な世界が残ってしまった…」

この封建的な世界から飛び立つ、ふたりの希望に満ちた姿で映画は終わる。
その為、鑑賞後の後味は悪くない。

決して立ち止まらずしたたかに生き抜く君蝶の姿は圧倒的だ。京マチ子さんが熱演している。