偽れる盛装の作品情報・感想・評価

「偽れる盛装」に投稿された感想・評価

「古い世界に反発する妹、安住する母、体当たりする姉」

見どころは元気な京マチ子

舞台のシーンがはさまれたり、溝口っぽいなぁと思ったら、『祇園の姉妹』へのオマージュらしい
各登場人物が経済的にも愛情的にも綱渡り状況の中でせめぎ合う。予想通り刃傷被害に遭いながらも、逞しく生きる京マチ子の姿はいつも観ていたい。
昭和20年代の京都が多く撮影されていて、とてもよい。
moku

mokuの感想・評価

4.5
この京マチ子とても好きなんだよねー。
彼女と関わる、殿山泰司、菅井一郎、進藤英太郎もそれぞれに味わいあってとても良いです、とても。


<大映女優祭>
包丁片手の切羽詰まった菅井一郎に追いかけられるシーンはほんとカッコいい。これだけビッチを尽くした女なのに母と妹は大事にしている、君蝶こと京マチ子。
ミイコ

ミイコの感想・評価

4.2
古き良きには、こういう癌みたいなものもやっぱり残るのか。
こんな古い街、さっさと出ちゃいなさいよ、東京はいいわよ。

終盤の京マチ子が追っかけられるシーンはすごくハラハラした、映画には、古いとかない。
新藤兼人は本当シナリオ作家としては一流。
羅生門で一躍スターに躍り出た京マチの輝きと言ったら目も当てられないほど。この人ダイナミズムばかり注目されるけどお芝居も上手い。
でも正直これ見ると宮川一夫のカメラって当時としても圧倒的だったんだな〜と思う。同時代とは思えん。
凄まじく感動した

『千と千尋』顔ナシからの逃走シーンは、こっから来たに違いない

大映時代、映画は邦画の頂点に達した。
そしてまた復活の時を待っている


このラストシークエンスで年納めできたのはマジでアガった

思わぬ出会いってあるもんだ


京マチ子のお母さん役の芝居はホンモノにしか見えなかった
Rikako

Rikakoの感想・評価

4.0
祇園の姉妹のオマージュらしいけど、実際の京都を映してるシーンがこっちの方が多くてなかなか見もの。戦後の四条大橋、祇園、宮川町、花見小路をチャリで走ってるシーンだけでも観る価値ある。お茶屋周りの人間関係の描写が細々丁寧で面白い。
京マチ子が(珍しく)めちゃくちゃ良い娘で泣ける。
街中を狂った情夫に追っかけ廻されるシーンは圧巻。

このレビューはネタバレを含みます

京都の芸者、君蝶。
金の切れ目が縁の切れ目とばかり男から男へ。
又、自分の家を格下扱いした女性からは男を奪い取り、お金をせしめる…
これだけ見ると嫌な女だが、母が自宅を抵当に借金したのを返済する為、妹には幸せになって欲しい、と彼女は文字通り身体を張って生きているのだ。

勿論全てが上手くゆく訳ではない。
その『つけ』は最後に彼女に襲いかかるのだが、妹と恋人がこの封建的な世界から旅立ってゆく、その姿を見送る彼女は、まるで憑物が落ちた様だ。

妹の友達が京都の街並みに吐きつける。「京都は戦災を免れた。でもそのせいで、この瓦屋根の下には封建的な世界が残ってしまった…」

この封建的な世界から飛び立つ、ふたりの希望に満ちた姿で映画は終わる。
その為、鑑賞後の後味は悪くない。

決して立ち止まらずしたたかに生き抜く君蝶の姿は圧倒的だ。京マチ子さんが熱演している。