魔王の作品情報・感想・評価

「魔王」に投稿された感想・評価

マルコビッチの真価を発揮した名作。
ただの変なオヤジでは無かったという事が証明されています。
純粋すぎる(というレベルでは無い)男の数奇な人生を通して、人間の醜悪さ純粋さ罪なる阿呆さなどを描いた史劇ロマン。

子ども達をドイツ士官学校に無理矢理スカウトする主人公アベル(マルコビッチ)の姿は、黒フードで黒馬に乗った人さらい[魔王]のよう。良かれと思った行動の結果、純粋な子供たちはナチズムに染まっていく。
子供達を守りたいアベルの人生はまるで、不運なフォレスト・ガンプのよう。
共感しにくいけど見応えのある大作ドラマです。

バクダッド・カフェのジャスミンも出演してます(貴重なのでファンの方は必見)
監督は[ブリキの太鼓]のフォルカー・シュレンドルフ。
本作は[亡き友、ルイ・マル監督に捧ぐ]との事。
犬

犬の感想・評価

-
この文芸的な戦争映画は宗教的な側面や国の文化、時代に疎い人にとってはちょっと理解に苦しむ。俺はゲーリング元帥が出てきたところでさっぱり分からない人なのでただただ観てるのが苦痛だった。
無

無の感想・評価

3.3
一人のフランス人捕虜である主人公が運命のままに辿る波乱万丈の戦争体験映画…というかマルコビッチが全くフランス人に見えなくても髪の色がコロコロ変わろうが捕虜の分際でゲーリングの秘書感覚で彼の隣に居座ってても誰一人として指摘する人がおらず、優しいドイツ人しかいないファンタジー映画だ。
序盤の黒づくめで外套を羽織ったフランス人の少年達の姿が未見の「さよなら子供たち」に出てくるような独特の雰囲気で良い。
舞台がドイツに移り、ヒトラー・ユーゲントの寮母役のネッタ夫人があの人に似てる!と思ったらやっぱり「バグダッド・カフェ」で誰得ヌードになってた主役のおばさんだった。
「ナポラ」と被るシーンもあったけど少年達が洗脳教育をされていく過程がもっと細かく描かれていたらより分かりやすくて良かったのでは。
最初に登場した時のマルコビッチはトロンとした目つきがかなりヤバめで一体どんなサイコパスっぷりを発揮してくれるかと勝手に期待してたのに意外とまともな感じに収まってて残念。
しかし世の中には想像以上にマニアックな作品があるなと実感させられた!笑
かなり宗教色が強く芸術的かつ幻想的な映画でした。主人公の数奇な運命(ゲーリング元帥が出てきたり)にどうなっていくんだろう??とワクワクしながら見てしまいました。かなり奇妙な設定ですがフィクションとしてとても楽しめました。後半からナポラのような学校が出てきます。ユーゲントがこんなにしっかり出てくる映画は珍しいのでは..?若き少年たちの訓練シーンは見ものです^_^
e

eの感想・評価

3.9
これは相当に変な話の映画だけど、元となるお話しはどうもキリスト教の説教的な話に関わるお話らしく、宗教的な事に疎い人は、というかほとんどの日本人には訴えたい事がなんなのかは理解しづらいと思う。そういうわけで観たままの感想しか浮かんでこない。

舞台はフランス〜ドイツだが例によって言語は英語です笑(一部、ドイツ語もあり)。何やらよくわからないトラウマを抱えるフランス人の主人公は兵役へ就くも捕虜となり、そこでなぜかドイツ人に認められ狩猟区でヘルマン・ゲーリングの付き人になったり、ヒトラー・ユーゲントの学校の用務員になったりする。果たして捕虜の身分でそんな事が可能なのだろうか?捕虜収容所も出入り自由なんじゃないかってくらいにゆるい。

さて、ゲーリングは実際にドイツ狩猟長官で、映画の中では所有する城にレジャー?で狩りに来ているように見える。このゲーリング役の人は体型もゲーリング並みに太っており、白い軍服を着用したり、顔もまあまあ似ているし、なかなかしっくり来ている。ライオンをペットにしていたり(史実らしい)、宝石の中に手を入れて心を落ち着かせたりと、かなり俗物的に描かれているが、実際にゲーリングは成金趣味としか言いようがないので、この辺は結構笑える。スターリングラードでの敗北によりゲーリングはベルリンへ呼び戻され、主人公を収容所から引き抜いた将校も東部戦線へ行くことになり、主人公はヒトラー・ユーゲントの学校で働くことに。

こうやって史実の通り映画は進んでいき、以後も7月20日事件や死の行進、ソ連軍の進行などが絡んでくるので、基本的な歴史の部分を抑えておくと、より楽しめると思う。

ヒトラー・ユーゲントの養成学校で、子供集めを任された主人公は、近隣の家庭の親から「鬼(魔王)」と忌み嫌われ、これが映画タイトルになるのだが、この辺も宗教話と関連ありそうだが、よくわからない。

ユーゲントの養成学校では、馬鹿げた人種妄想に取り付かれた医師や親衛隊も登場し、ユーゲントの訓練風景と相まってなかなか楽しめる。この映画は親衛隊があまり悪く描かれていないのも珍しく、親衛隊は捕虜の主人公に対して結構気さくだったりする。そうこうするうちにドイツの敗北は目前となり、学校にもソ連軍が迫り、、、という感じです。

ドイツのこの時代に興味がある人なら、結構楽しめる。が、一般的にはそれほどでもなさそうな気が、、、。
M少佐

M少佐の感想・評価

4.5
 国家ぐるみの洗脳計画。

第二次大戦の末期。
ドイツ支配地域のフランスの片田舎でナチスドイツの「人拐い」に荷担したフランス人の物語。彼は子供が好きだったが、少し知能が後退していた。
ドイツの将校の庭師としても働いていた彼は、主人からの信頼も篤く、主人が前線に勤務することになっても、仕事の推薦状を残してくれた。
次の勤務地は幼い子供達をナチズムに染まった兵隊に育て上げる施設。
彼の仕事はアーリア的な(金髪碧眼)の子供達を拐い、施設へと導く係。
仕事にも不満はなく、子供達も増えてゆく。
しかしソ連軍が、この施設にも迫りつつあった・・・

あまりにも馴染みの無い奇妙なコンセプト。
兵隊が主役ではなく、素朴な男。
大きな物に巻かれて生きていく、ただの男。
人間味があるドイツの将校が出てきたり、子供の為の矯正施設、協力する外国人。
興味が無ければさっぱりな内容です。
でも、後半の戦闘の悲惨さは戦争映画らしい。
大人の都合で子供達が悲惨な目に会います。

ラストは何故こうなる?と首を傾げてしまいますが、あらゆる矛盾を内包しているのが戦争だと解釈しました。
かなり胸糞悪くなる悲しい映画ですが、一見の価値はあるかと。

マルコビッチの熱演にも拍手(珍しく普通の役、笑)
本当に恐ろしいのはヒトラーでもなく、SSでもなく、ヒトラーユーゲントなんじゃないのっていう
できれば1.0以下にしたかったがそれ以下にはできなかった。
典型的なつまらない文芸映画。