わが青春のマリアンヌの作品情報・感想・評価

「わが青春のマリアンヌ」に投稿された感想・評価

「名作」というカテゴリーから離れた面白さ デゥヴィヴィエ「わが青春のマリアンヌ」

クラシックは面白いですね。
この作品が「名作」じゃなかったのはデゥヴィヴィエにとって本当に良かったことだと思います。
実際ルネ・クレマンの「居酒屋」などこの世から消滅しても誰も不幸に思わない普通の「名作」です。
それにしても幽霊屋敷の召使、何という眉毛か。あんな太い眉毛どんな映画でも見たことないww
ゆゆこ

ゆゆこの感想・評価

3.6
薄暗い林の中の、
仄かな霧と、陰影の輝き。
湿気た広い湖に匂う、
淡い人影と幻想。

母を想いつつ、寄宿舎にやって来た
端整な顔立ちの青年ヴィンセント。
彼には霊感があると知り、
不良冒険部の一員に呼ばれ、幽霊屋敷へ行くことになる。

不穏さをのこしたまま、何かが現れそうで現れない屋敷に隠れていた、
"妖精"マリアンヌ。

幻想的な白黒の世界、
霧の濃い森、
幽霊、
嵐、
友情、恋。
死。

それらがヴィンセントの成人への通過儀礼となり
残酷かつ美しく迫ってくる。

母から離れた、女性への目覚め。

まるで夢見心地ダーク・ワンダーランド。



追伸:
嵐の中、成長して男になって帰ってきたヴィンセントの、内部まで嵐で荒れ狂う寄宿舎での興奮ぷりな動作にすごく時代を感じた私 (笑)
なんだあの大胆で態とらしい俊敏な動きは…
滝和也

滝和也の感想・評価

3.7
夜露に濡れる森を
抜けて〜♪白いバルコニー
あなたを見た〜♫

アルフィーの出世作、メリーアンです。メリーアン=マリアンヌなんです。この映画の内容をストレートに歌詞にしたのは有名なお話。またここに出て来るマリアンヌは銀河鉄道999のメーテルの原型であるのも有名。

こちらも町山さんのトラウマ映画館で紹介された作品。発掘良品です。

そう私はメーテル。あなたの青春の幻影。まさしくそんなお話でした…。ある寄宿学校に転入した主人公。母の元を離れ寂しい環境になりますが、彼はギターの弾き語りもでき、身体能力も高く、人気ものになります。それを疎んじた不良が彼を誘いお化け屋敷と言われる館に探検に出かけます。当然不良どもはすぐ逃げ、取り残された彼は館で絶世の美女、マリアンヌに出逢い虜となるのです…。

幻想奇談と呼ぶに相応しい作品です。この監督、ジュリアン・デュヴィヴィエですがソフトフォーカスを使い、女優さんをキレイに撮ることで定評のある職人監督さん。望郷や舞踏会の手帳など戦前、戦後に人気を博した方。森の中、館、湖と美しいモノクロの画面の中、幻想的なお話が紡がれます。

マリアンヌ自体は主人公としか出会いません。語り部たる友人や学校の仲間は彼女を見ない。そのため、マリアンヌが果たして…。私にもわかりません…。主人公が大人になっていく話なんだろう程度で。謎ばかり。確かにトラウマになる映画です。

またトラウマになるのはもう一つ。男ばかりの寄宿学校なんですが、校長の娘が住んでいて彼女が、オカシイくらいに主人公にモーションをかけてくるわ、脱ぎっぷりはいいわ、ラストはとんでもないわで…。

私はこの監督さんの作品好きで何本かみてるんですが、最も評価に悩んだ作品です。キレイな映画ですかね…。
これぞ、幻想映画。寄宿学校での話。清々しいほど純粋な若さ。夢のような恋。恋する若者には嵐や雷雨すらも祝福の喝采のよう。夢か 現か 幻か…。一篇の詩か、どこからか聞こえる甘美な音色か、初恋の女性の香りか…すれ違う彼女の香りに気付いた時には、彼女はもう其処には居ない。眩しく、虚しく、なのに永遠を孕んだ傑作。
牛丼狂

牛丼狂の感想・評価

3.0
恋愛、友情、心霊、いたずらの要素を盛り込み青春を表現する。
謎めいたマリアンヌには神秘的な魅力を感じる。
日本語字幕で男が男を君と呼ぶのは独特だ。
お洒落な人情を深く味わえる。
lgKaoring

lgKaoringの感想・評価

3.2
発掘良品で見かけた事もありましたが、それ以前に、BSか何かで放送されたのを観ました。

マリアンヌ…確かに美しく儚げ。
しかし「本当は何か秘密があるんだろ?」と下衆な勘ぐりをする私。

だけど、マリアンヌは最後まで美しいマリアンヌのままでした。

なぜ純粋な気持ちで観れなかったのか。
心が汚れちまったか…。
もっと若い頃に観るべきだったのか…。
後への影響が多大過ぎてベッタベタな話に見えてしまったが、マリアンヌの美しさは印象的だった。
幻想か現実かわからない観念的な美しさ。ブラウスの乳の部分が尖り過ぎているのが気になるがそれも一興。
学校の生徒を演じる俳優達はどう見ても皆イイトシをしているが、12,3歳ぐらいの設定らしい。
主人公も全然子供に見えない。よってあまりおねショタ的な趣は無いが、精神的に未成熟な青年という事で、テーマ的には正しいキャスティングと言えるかも。

しかし、ライバル娘が主人公の気を引こうと鹿を殺したばかりに鹿の大群に圧殺されたのはビビった。
しかも肝心の主人公は無反応。哀れ過ぎる。
アルフィーの『メリーアン』は本作を歌った曲らしいが、この娘の一節も入れてあげればよかったのに。
冒頭からナレーションが過去の思い出を語り回想形で入り
映し出されている映像は過去の時代であることを紹介する

その青春時代に出会ったマリアンヌという女性に憧れ夢中になった過去についての物語

ではあるのだけれど
このマリアンヌという存在が
そもそもの存在を疑いたくなるような不思議な存在感の女性として語られ
やがて過去としての物語の中の主人公もマリアンヌという存在をきっかけに言動が本当に少しづつ変になっていき

そもそもの過去を回想している主人公の言葉が怪しくなっていく

最終的に見終わった時に不可思議な気持ちになって
妙な作品だったという印象が残った
マリアンヌを神秘的に美しく撮ろうとしてるけど、何も感じなかった。ロリコンだからかね…?

あっちの人達がよく履く半ズボンや少年が少年に見えないのも勘弁してって感じ。そして退屈。まぁしょうがないね。
amrs1909

amrs1909の感想・評価

5.0
君の歌声が聞こえる。僕らの青春を呼び戻す声が。
きみの歌声は森の古城を魔法のように蘇らせるーーー。

 森、動物、霧、湖、古城、寄宿舎、冒険好きな少年たち、世界の果てから旅してきた青年。そして夢と現の狭間でめぐり逢う美女。この映画は幻想的な要素で紡ぎだされている。その根底に流れているのは、ほんの少し残酷なイニシエーション。

 青年は母親を恋しく思いながら、少年期をそのまま示す寄宿舎で日々を過ごしていたが、ある日古城に幽閉された美女に出会う。恋人のように便りを待ちわびた母の面影は薄れ、次第に美女に恋い焦がれーーー。やがて少年期から大人への旅立ちに繋がる、そんな物語。
 どこかしら歌が聞こえてくる、光差す森をゆっくり抜けていく冒頭が美しい。美女が肖像画のように額縁の向こう側から姿をあらわす登場。窓や柵から見える景色を内から映し、徐々にズームアウトするカメラワーク。こうしたひとつひとつの見せ方がとても印象的。

 果たして美女は実在したのか、男爵は嘘を語っていたのか。パブロという友人、青年が愛でる牝鹿、古城に置き去りにされた鳩、旅立つ彼を見送る牡鹿。これらがそれぞれなにを意味するか読み解くのも面白い。

夢から醒めた彼は再び旅立つ。幻想のほのかな残り香を道標に。
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