縄張(しま)はもらったの作品情報・感想・評価・動画配信

『縄張(しま)はもらった』に投稿された感想・評価

このレビューはネタバレを含みます

角刈のアキラ。
やたらとかっこいいイカサマ師、藤竜也。
そしてほっぺがぷくぷくの太田雅子ちゃん。

ラストの戦闘シーン。
ヤクザ映画の戦いの場所としては割と珍しいと思います。狭いし。

サイコじゃねぇんだから
あまり得意ではないジャンルのはずが、これなら不思議とイケなくもない。日活と東映の中庸みたいな感じだからかな。あくまでアキラのスター性ありきなんだけど、いきなりギター片手に歌い出したりしないし、ハジキではなくドスなところとかこだわってるなあ、と。ただそれぞれの場面そのものはイイ味出てるんだけど、ストーリー全体だったりキャラクター設定に深みがないので、そりゃ映画としてはハネないでしょうね。ヒロインポジかもしれない太田雅子(梶芽衣子)の無駄遣いとか何か勿体ない。
時代の流れで変容を余儀なくされた日活アクションのひとつの答え、のように思える映画。相変わらず敵はヤクザ組織であることは変わりないが、主人公も落ちぶれた組織の人間であり、さらに合法ビジネスの皮を被って抗争を仕掛けていくという話で、その構図はかなり複雑なものになっている。

アキラはすでに役者の格が上がっているので、賭場でイカサマ破りをやったりするのは若手の藤竜也のお仕事。その昔、こういうやり口でヤクザどもを蹴散らしてきたアキラだが、それが許される大らかな時代ではすでになく、藤竜也は壮絶なリンチに遭う。これまでの約束が通用しない時代に苦しい戦いを強いられるアキラが作品のテーマとも言える。

ただ、安心感があるのは往年の作品と同じく、アキラのそばにはジョーがいること。特に時代が変わっても相変わらず不敵なジョーのほうがキャラクターの耐久性があるのが興味深い。そして一方の敵側には高品格や弘松三郎がいるので、たった10年足らずの間にすごい勢いで社会の情勢が変わっていったことがシンプルに比較ができる。

ところで劇中、黛ジュンの「天使の誘惑」がやたらとかかっている。ちょっと頻繁にかかりすぎなんじゃないかと思うが、1968年のメガヒットなので実際巷ではこんな感じだったのかもしれない。

リンチされる藤竜也を放置しつつも、気になってゴーゴーダンスに集中できなくて気分が悪くなってしまう川地民夫のシーンがとても良かった。
え

えの感想・評価

3.8

このレビューはネタバレを含みます

川地民夫、藤竜也、郷鍈治、梶芽衣子まで揃えておいて次々と仲間が失われていく様は高まらずにはいられない...
男も惚れさす小林旭を持ってして耐え映え得る惨さと仁義
kojikoji

kojikojiの感想・評価

3.9
1968年公開の日活ニューアクション。なかなかすごい。
東映の実録路線の先駆け的なのかな。
ストーリーはまあ日活らしい。
地権争いをしている古参の組と、新興の組に小林旭を頭にした組が割って入り、抗争になる。
女の子たちがみんな酷い目に。梶芽衣子はいきなりあんな目に。
藤竜也もまたすごい拷問を受けて。
全体的に結構ハードなシーン満載。
この作品は川地民夫がいい感じ。
宍戸錠はじめ、即席の組の男たちが何故そこまで小林旭に肩入れするのか。それが仁義の世界に生きる漢の生き様なのか。

撮り方が凝っているのが、さすが長谷部安春監督。
障子の隙間、望遠ショットなど。
ただ、ラストの風呂場の決闘シーンの繰り返しは?って感じ。

いつも思う。日活がこんな作品を作っていた時代に生まれていたらと。
日活アクション映画と東映実録路線の橋渡し的作品

1968年の作品。60年代前半までの日活アクションとは明らかに異なるテイスト。内容はアクション映画というよりヤクザ映画だが、この映画のアクションや撮り方は当時の東映任侠映画の様式美とは明らかに異なり、むしろ、この映画の数年後の実録路線に近い、というかこちらが先。その後、小林旭と宍戸錠は「仁義なき戦い」シリーズに出演することになる。

話は刑務所から出てきた小林旭が自分の親分を世話してくれた組の頼みで地方の工場用地買収に伴う土地取引のいざこざに巻き込まれる。うまく二つの組の対立をあおりながら縄張を確保するが、最後は依頼された組の親分に裏切られて、殴り込みに行くという「用心棒」と東映ヤクザ映画を合わせたようなストーリー。

中盤の殴り込みの場面での室内の乱闘シーン、その後の雨の中の野外の対決、最後の浴室内で水滴の音をバックにしながらの敵の親分との一騎打ちなどアクションシーンは見どころが多い。やたらと血糊の量が多いのが気になるが、手前に稲がなびくロングショット、隙間から覗くようなカメラアングル、俯瞰撮影など映像は凝っている。

主役の小林旭は少し肉が付き始めているがアクションはまだまだいけていた。宍戸錠は最初は敵役だが後で旭に惚れて仲間になるというおいしい役でこの映画では小林旭より格好いい。宍戸錠と同様に途中から小林旭に共感してしまう二谷英明、悲惨な死に方をするひげのない藤竜也、川地民夫や郷えい治、悪役の高品格、野呂圭介など脇役も多彩。デビューしたての梶芽衣子が太田雅子という芸名で出演しており、このころから綺麗だがこの映画では車の中で襲われるシーンで胸をあらわにしている。そのほかの女優たちもほとんどが裸をさらしている。


ARROW VIDEOのブルーレイで鑑賞
RETALIATIONといタイトルで販売されている

このレビューはネタバレを含みます

小林旭・宍戸錠・郷えい治・藤竜也
大好きな役者さんが勢ぞろいなので期待したけど
良い意味で男臭い真面目な映画
トチ狂ったバイオレンスやコミカルな要素がある方が好みなので
作品が悪いのではなく自分の好みのジャンルではなかったかな。
(採点迷っているので後で追加します)
一

一の感想・評価

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傑作~。『野獣の青春』スタイルな策士の立ち回りと汚ねえ新興ヤクザへの怒りの殴り込みのハイブリッドで、味方も女もバンバカ酷い死に方をしていく。暗闇を懐中電灯が照らす臨場感たっぷりの中盤、浴室でのクライマックスなどなどアクションシーンなんかも凝ってて見応えあり。川地民夫・藤竜也・郷鍈治といったチーム旭の面々はそりゃもう好きなので楽しいし、男を惚れさす旭にまんまと惚れる二谷英明と宍戸錠オイシイ。ジョーに至っては「惚れっぽいのがオレの悪い癖だ 野郎に惚れたのは初めてだ」とそのまんまである。クライマックスのあと、血塗れの旭とジョーが煙草を吸いながら「こんなきたねえヤクザ、いると思わなかったぜ」としみじみ漏らすラストショットが『流血の抗争』の終盤における宙ぶらりんの時間を思わせる緩み方ですごいよかった。
さっ

さっの感想・評価

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かなり好き。望遠&隙間&物ナメに過剰なまでに拘った撮影が堪らない。暗い屋内に懐中電灯の光が入り乱れる中での殴り込みは『クーリンチェ~』の先駆け。最後のシャワールームも良い(ガラスに飛び散る鮮血の量がすごくて笑った)。円卓を囲む人物を真俯瞰でグルグル撮るとか諸々ヘンなことやってる。サウンドスケープにラジオやテレビ放送が多用されてて歌謡曲も結構流れるので神代みたい。前半の集団『用心棒』的な脚本もおもしろかった。藤竜也が仁義きるところ、川地民夫の軽薄そうに見えて根は善さそうな素振りなど脇役にも見せ場あり

梶芽衣子の身体から摘出された散弾が生々しい
SKE

SKEの感想・評価

4.0
最後の刺殺の反復とスローモーション要らない。照明やフレームの使い方とか、天井にぶら下がる裸電球とか侯孝賢ぽい。小林旭より宍戸錠。とはいえ『東京流れ者』みたいに「立ち去る」のが良かったりする。

ちなみに冒頭機材トラブルで上映中断した。2日連続。
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