みな殺しの拳銃の作品情報・感想・評価

「みな殺しの拳銃」に投稿された感想・評価

shibamike

shibamikeの感想・評価

3.0

このレビューはネタバレを含みます

大阪府大阪市。父・史郎が「息子3人をボクシング世界チャンピオンに育てる」と公言。長男・興毅、キャッチコピー「浪速乃闘拳」。次男・大毅、キャッチコピー「浪速乃弁慶」。三男・和毅、キャッチコピー「エル・メヒカニート」。三兄弟の挑戦の結末やいかに!

失礼。本作では黒田三兄弟が活躍する。赤沢興業と黒田三兄弟の命を懸けたガチンコ対決。

口数こそ少ないものの、傍若無人な赤沢興業に対して怒りを頬っぺに溜め込む宍戸錠扮する長男。思慮深く、どっしり構えていて、観ていて心地良い。

黒田長男と次男の二人で赤沢興業と互角にやり合うというのが、流石に厳しいと思ったけど、暴力と背中で全てを語るハードボイルドさは観ていて楽しめた。

次男が蜂の巣にされて、死のダンスを披露するのも、最後の長男VS赤沢興業10人というのも映画の世界に入り込めれば手に汗握ること必至。

バーで歌うケン・サンダースの歌もイカす!

しゃおらー!
基本的にはやくざ映画によくある「3兄弟モノ」。
この兄弟がお上に反逆するという筋書きだが、主人公達も単なる善玉侠客ではないところがミソだ。
序盤こそ、アジトを荒らされても「奴らに罪はない。命令されてやらされているだけだ」と耐え偲ぶような理知的な組だったのが、いざエンジンがかかると猛烈な暴力集団と化していく。
ダンベルで相手の拳を殴打して潰したり、中指を鍼で貫いたり、主人公サイドとは思えぬエグい攻撃が続く。
かと思えば、日活アクション特有のムードも健在で、どの場面を観てもお洒落なジャズが流れている。
生々しさに走り過ぎないのが良くも悪くも日活アクション。

クライマックスはハイウェイでの銃撃戦となるのだが、ここが格好良かった。
無国籍アクションにありがちな牧歌的な銃撃戦とは違い、ボロボロに這いつくばりながらライフルを撃ちまくる殺し合いには緊張感があるし、人物と一緒に動き回るカメラワークもスタイリッシュ。
藤達也が蜂の巣にされてしまう執拗な処刑シーンも凄い。
女の扱い方やら展開やらハードボイルドならではの突っ込みどころは満載なんですが、やりたいことは明らかで、そのこだわりは伝わってきました。映像の雰囲気がとにかくかっこいい。観る価値はすごくある。