有名なネス湖のネッシー、その裏にはとある少年との物語が隠されていた。
スコットランドの小さな田舎町。
孤独な少年アンガスが、湖で見つけた大きな丸い石。
青く光るその石から、嵐の夜生まれたのはとても奇妙なモンスター。
クルーソーと名付けたそのモンスターはこの世に常に1匹しかいないと言われてる伝説の生き物。
アンガスと同じ孤独な存在だったから、1匹と1人は互いになくてはならない友達となった。
もう帰ってこないクルーソー
もう帰ってこないパパ
笑わなくなった母
以前のように家族一緒に笑い合うことも無くなった孤独な少年が、クルーソーの事件を通じて家族と仲間のようになっていく様子が丁寧に描かれている。
ネッシー伝説を元に作り出した壮大な子ども向けアドベンチャーファンタジーかと思いきや、戦争の影が重くのしかかる大人たちのダークサイドに触れて、子どもたちの大切な時間を押し潰されてしまうような、そんな暗いシーンも多くあった。
アンガスの成長物語ということではなくて、どちらかというと大人たちがクルーソー事件によって変わっていくような印象。
後半は少し駆け足で、ずっと感じ悪い隊長が優しくなるのには驚いたが、人間誰にも2面性があり、隊長もアンガスによって自分の中に残っていた少年心が刺激されたのだろうか。
母は抱えるものが多すぎて、途中まで冷たい感じだったので、父親代わりのような使用人のルイスがお屋敷に来てくれて本当によかった。
半世紀がすぎて物語が再び動き出すウォーターホース2も作れそうですね。