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ブリキの太鼓
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『ブリキの太鼓』に投稿された感想・評価

kuu

kuuの感想・評価

3.8
『ブリキの太鼓』
原題 Die Blechtrommel.
映倫区分 G.
製作年 1979年。上映時間 142分。

1920~40年代の激動のポーランドを舞台に、3歳で自らの成長を止めた少年の視点から大人の世界を描く。
後にノーベル文学賞を受賞するドイツの作家ギュンター・グラスの長編デビュー作を原作に、ニュージャーマンシネマを代表する監督フォルカー・シュレンドルフがメガホンをとった西ドイツ・フランス合作品。

ポーランドの港町ダンツィヒ。
3歳の誕生日を迎えたオスカルは、大人たちの醜い世界に嫌気が差し、自らの成長を止めてしまう。それと同時にオスカルは、誕生日プレゼントにもらったブリキの太鼓を叩きながら奇声を発するとガラスが割れるという不思議な能力を身につける。
ナチスの台頭によって町の平和が脅かされる中、オスカルの家族を悲劇が襲う。。。

今作品の、面白味は、その壁画が
が完璧に一人の幼児ちゅう生身の人間の眼と心それだけを通して、一つの地域の具体性のみで描き切れた点にあると思う。
しかし、それだけならこりゃ独自かもしれないけど、ただ単なる童画風壁画ちゅう珍しさの傑作に留まったやろぅ。
そこに留まらへんかった今作品の卓抜さは、3歳の主人公オスカルに、金属的にがなりたてるブリキの太鼓と、高周波の悲鳴で周囲のガラスを砕いちまう超能力を与えて、
『抑圧された時代に人民が 抱く反撃力』
の不気味さ、
切なさ、
鋭さを、
(実は) 限りなくユーモラスな普遍性で映像化できた点にあるかな。
しかし、それだけやったら、これは、原作の斬新な着眼を深く生かし切れた映画化を拍手されるだけやったとは思う。
今作品の真価は、この映画を創った人々の全力を上げた現実直視に よって、人間ちゅうものの凄みが老若男女をトコトン見つめ切った結果、どないな暗黒の時代よりも、実はそこに生き死ぬ人間のほうが強かに強いんや、ちゅう勝利の結論が、手にとるように観る側に伝わるし、人々を力づけ、励ましてくる点にあるかな。
今作品を見終った時、内部に湧き上がる異様なまでの精神的昂揚感そのエネルギー源は、将にそれやと思う。
今作品を見て多くの人が、美しさに陶然としつつ、クリアな映像の深さに唸ってしまうんは、イゴール・ルターのカラ一撮影やろな。北の海辺と平原の、暗い冷たさ。 中でも、大空の雲の微妙さをバックにシルエット映像が人間の躍動を謳う牧歌的美しさ。
ほんで極度にリアリズムを徹底させたショッキングな凝視の大写し の率直さ。
このカメラには、ワンショットも、悪びれ、たじろいだ曖昧さがない。
また、モーリス・ジャールの音楽は、『ドクトル・ジバゴ』と並んで印象的で、しかも、それを越えてヴィヴィッドに多彩かな。
チェロで朗々と歌われる(シベリウ スやボロジンを思わせる) 郷土的主題に、土俗楽器フヤラの熱っぽい息吹きがからんで、叙事詩的な前 進が力づけられ、母アグネスの悲劇を官能的な詠嘆主題が抒情化する。
ナチのパレードのマーチがオスカルの太鼓の誘導で『青きドナウ』に転生してしまう爆笑シーンは、映画音楽が成就できた珍しいブラ ック・ユーモアでした。
こないな優秀なスタッフのベスト活動を一つに統括して、シュレンドルフの演出は、二つのとてつも ない達成で、瞼から消え難い画像を産み出してしまったんやろな。一つは彼がこの映画のリアリズム映像に、一つひとつ象徴的な寓意を込めていった立体感である。
もう一つは、そのリアリズム映像の一つひとつが手のつけられないほどの激烈さで “完成”されていることであると思います。
オスカルが街っ子たちから蛙の小便煮を呑まされる苦痛。  
母ちゃんと、いとこの性。
海中の死馬の首から鰻がこぼれ出る生命感。
その鰻を父ちゃんから食えと強制された母ちゃんが、いとこから性的な鎮静を受ける惨めさ。  
妊娠した母ちゃんの異常嗜好。
そして敗戦時、ナチ党章を呑込んだ父ちゃんが、苦闘の果てソ連少年兵に射殺される、
なんちゅう凄絶きわまりない地獄図の寓意。
でもまぁ、今作品は、幼い主人オスカルにダヴィッド・ベンネント少年を起用できなかったら、これほど有無を云わさぬ説得力で見てる側へ迫れたかなぁ。
不敵なギョロ目の面構え。 
3歳の時はまさに3歳の幼い所作でバアちゃんのスカートにもぐり、 16歳の時は、将に16歳のはにかみと欲望の表情で女の下腹部に顔を埋めてゆく子。
しかも同時に、発泡菓子を女の臍でなめたりする時の無邪気な幼児性の交錯。  
ダヴィッ ド・ベンネントこそ映画『ブリキの太鼓』を実現させるべくこの世に産み出された子であり、
『ブリキの 太鼓』はダヴィッド・ベンネントがこの世にあることを直覚で予感して書かれた小説にさえ思えてならんかな。
また、アグネスを演じるアンゲラ・ヴィンクラーが、 強烈である。
いとことの触れ合い方でもわかるように、全身全心、性の火が燃え切っている女が、 女の報いの悲劇を一番率直に受け入れて自滅してゆく。
ダンツィヒの安ホテルでいとこに飛込んでゆくヴィンクラーの性表現は、中でも圧倒的で、これほど堂々たる体位と絶叫の性シーンを映像が凝視できた例を知らんかな。
日本版がどないに検閲によって醜く傷つけられたんかはわからんけど、考えたら心寒くなる。
加えて、シャルル・アズナヴール――このユダヤ人のおもちゃ屋マルクスが、映画でも稀にしか見られない名演技やと思う。
時代の醜怪さの中で謙虚に人間性 の美しさだけを通した男。
アズナヴールが創ったこの男は、時代に負けることで人間に勝っている。
この西ドイツ映画が、ナチの時代を振返って、し かも何よりナチズムから解放され、ファシズムと一 番遠い地点に立てたことを証明できたのは、アグネスやこのマルクスを、このように切々たる人間感で創造できたことによるんかな。
これ、ダメな人はとことんダメだろうなぁ…。アートと言えばアートなので好きな人は好きだろうけど、僕もどハマりした訳でもなく…。

1979年度カンヌ国際映画祭パルム・ドール賞、アカデミー外国語映画賞を受賞しただけあって、作品自体が持つpowerは物凄く感じる。問題となる、児童ポルノ問題をどう捉えるかとか、生理的にどうとか、そこで評価は分かれそう。

物語は1899年のジャガイモ畑における祖母の妊娠に始まり、1924年のオスカル誕生に至る。自分の意思で、3歳で成長を止めたオスカル。声帯から発する超音波でガラスを破壊する能力を有し、彼の目線でナチス政権の台頭前後の時代の移り変わりを描く—— 。

これはかなり奇妙奇天烈なり。

放火犯である祖父を4枚重ねのスカートの中に匿った祖母。映像の早回しを活かした序盤から、惹き込まれる。

それにしても、オスカルよ。

撮影当時12歳のダーフィト・ベンネントが、新生児も自称3歳児も演じるという時点でカオス。

そう、この作品は、カオス!!

肉体の成長を自ら止めるというブッ飛び設定も、耳障りな叫び声も太鼓の音も、小人症の方々の登場や扱いも、全てが観衆の許容度のギリギリボーダーライン。こんなファンタジー無理!っていう方もいるだろうし、オスカルの叫び声は決して心地良いものでもないし。

作品全体を通して感じるのは、生々しい大人の醜悪な姿を子供の目線で描くという、ある種一貫した撮影スタイル。

2人の男と恋に落ち、そのまま関係を続ける母。母の情事を、オスカルはいつも見ている。2人目を妊娠した母は悪阻の影響か、缶詰めを開け、イワシやニシンを手掴みで口に頬張る。こんなシーン生理的に嫌と言えば嫌。

大人のおセックスを子供が見ていたり、オスカル自身が、自称3歳児でおセックスに興じたり。現代ならば絶対に問題になるに違いない。

16歳の初恋相手のお股に顔を埋めさせるとか、確かに狂っている。発泡させた粉末状のシャーベットの素に唾液を垂らすシーンなんかも、個人的には無理です無理です。相手の唾液飲むとか舐めるとか無理なんです。

終盤になればなる程混沌とした奇妙な展開は更に加速して…。

生理的には無理だけど、前述した通り、作品が持つpowerにひたすら圧倒されたのも事実。

兎に角すんごい作品なのは間違いない。後は生理的なレベルで皆様がどう受け止めるかで、傑作かどうかは決まる感じ。

Amazonプライム動画配信で観ました。

こういう名作を手軽に観られる時代になったのですね。

ギュンター・グラスの同名小説を基にした映画です。

寓意に満ちた物語。

ところどころに毒あり。

主人公が、戦争やファシズムの時代を生き抜きながら、独特の視点で世界を見つめていきます。

そして、人間の本質を感知する姿を描いています。

主人公オスカーは、こまっしゃくれていて、子どもの嫌な面を凝縮して持っているような少年→青年ですが、彼の行動に目を離せなくなりますね。

今作をきっかけに、ダンツィヒの歴史もちょっと調べてみました。


映画は、第二次世界大戦前後のドイツのダンツィが舞台。

3歳の誕生日、オスカーは成長を止めることを決意します。

大人の嫌な側面を見たため、自ら成長を拒否したため。

オスカーは、ブリキの太鼓にこだわりを持ち、常に持ち歩いています。

壊れたら、修理してもらったり、新しい太鼓を買ってもらっています。

また、オスカーは奇声をあげるとガラスを割れる特殊能力を持っていました。

〔これが後にちょっと役立ちます〕

ダンツィヒの社会が右傾化していくなか、ドイツはダンツィヒに侵攻し、第二次世界大戦が始まりました。

オスカーは、3歳の体で、極めて困難な時代をどう生き延びていくのでしょうか…

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