鑓の権三の作品情報・感想・評価

「鑓の権三」に投稿された感想・評価

csm

csmの感想・評価

4.0
撮影=宮川一夫 美術=粟津潔 音楽=武満徹
固有名詞連ねてるだけでバカみたいだけどご覧の通り超一流。着物も美しいし馬も凄い、ロケ地は重要文化財。一流すぎてまどろみながらみるのがちょうど良い。郷ひろみは素晴らしい。頭巾を被りたい。
『心中天網島』に続く篠田の近松モノ。夫が江戸詰中に不義密通の濡れ衣を着せられた妻と城内一の槍の名手で男前の権三の逃避行。茶の湯を含めた郷や岩下の一つ一つの所作が凛としていて、それを切り取る宮川一夫キャメラが美しい。
とても面白かった。
この作品全般に妙な呪いをかけたのは、乳母役の加藤治子ではないだろうか。完全に樹木希林的な役回りだった。
半年前位にチャンネルnecoで放送された日活の若草物語のドラマ版において、山本陽子や芦川いづみ等の母役(当時推定45歳)でありながら、白黒映像に映えるベタ塗り化粧により若き4人姉妹らを凌ぐ程美しかったのを見て、この人只者ではないと再認識していたところだったが、、、
ジン

ジンの感想・評価

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このレビューはネタバレを含みます

郷ひろみ主演の心中もの
映像と音楽とカット割りは素晴らしいけど、情念のようなものがなかったところが残念
TsutomuZ

TsutomuZの感想・評価

3.0
夜の鼓
武士道残酷物語
のような。
かと言って心中のカタルシスがないのが残念。

封建時代武家社会の空気を感じさせてくれる、宮川一夫のカメラに武満徹の音楽。

日々是好日を前日に見ていたので、これほど茶道の持つ意味が違うことに驚く。

岩下志麻ら女優の化粧がお歯黒ではなく80年代ぽいのが残念。調度品に所作そしてロケは江戸なのに。
まさか郷ひろみに合わせた?
それほど郷ひろみが郷ひろみだった。

郷ひろみの空っぽを武家社会ひいては日本的なるものと表現したかったのか?
相変わらずの宮川一夫の撮影の美しさ。
画面の決まりっぷりだけで堪能はできる。

ただ、脚本がのっぺりとしている。
近松門左衛門に詳しいわけではないが、映画にする題材としてはもっとドラマが濃密なものなんじゃないかという気がするのだが。
構成的には、基本、淡々とした会話劇のようにして進む。
ただ、その割に書き割りのような会話で、どことなく芸達者な俳優たちほど、なんとも心がない。

その中で唯一、田中美佐子の演技の下手さが、非常に浮きだって見えるので、これまた、うーん、と頭を抱えてしまう。
なんとなくアンニュイな色っぽさ、みたいなイメージは幻想だったのか。
というぐらい本作の田中美佐子はただのバカに見える。

しかし。困った。
この作品、小林正樹のような侍の不条理や武士道の欺瞞みたいなことを描いている風でもある。
ストーリーの軸は概ねそうだ。
刀や鑓を使った力の論理ではなく、茶や位の高い女を寝取ることで這い上がる武士の出世闘争。
しかし結局はその根拠のない慣習によって滅ぼされていく。
不条理と因縁と、面子を優先するために…と、ざっくり全体はそんな感じ。
だけど、実際はのっぺりとして、ぼんやりとして、すごく眠くなります。
これを書くだけで何回寝落ちしたか。
ドッと疲れてしまった。

地味な映画、という意味ではなく。
本当に平坦な画面なので、そこに機微のドラマがないのである。

具体的にわかりやすいのは火野正平と田中美佐子の兄妹。
どこか兄の一方的な近親相姦的なニュアンスもあるが大味。
火野正平は出世欲の塊で、主君の妻を寝取ろうと画策するも相手にされないピエロ。
流石の火野正平も郷ひろみには勝てない、という構図。

田中美佐子は、淡白な顔をして郷ひろみには執着はするが、これも本筋に絡んだり絡まなかったり。

岩下志麻も好演は好演なんだが、間がない。割と説明的なセリフの応酬で台無しの感はある。

そして主役の郷ひろみ。
こいつが何を考えているのかわからない。
思考というか感情というか、その軸が見当たらない。
だが、ミステリアスというよりは。
その場の感情やら、状況やらのシチュエーションにのめり込む、イケメンにありがちな陶酔型のバカに見えて仕方ない。

女とやることはやる。
しかし気持ちはないわ、自分のやりたいことにしか興味がないわ、俗物的に出世欲はあるわ。
追い込まれたら追い込まれたで「武士として…」みたいな破滅に酔うわ。

とにかく劇的なものはあまり起こらないのでキャラクターに思い入れたいのだが、それも叶わずどう観たら良いかわからない作品だった。
郷ひろみ主演

近松文学の作品で、当時は話題になったのですが、なんせ85年から公開当時の86年は洋画の当たり年で邦画が苦戦してた頃で。

今回、鑑賞しましたが思ったより悪くなく面白かったです。

旗本と思われる権三と、旦那が留守の武家の嫁。
権三が、武家の嫁の家にある事を教えてもらいに夜に行く。
そこで、権三と武家の嫁が言い争いになって。
間が悪いことに、そこにタチの悪いツレが忍びいって、今で言う「浮気現場を押さえた!」って町中に触れ回って・・。

火野正平が、タチの悪いツレを好演。
武家の嫁で、窮地に追い込まれて自我に目覚める役を岩下志麻が。

ストーリーが、面白い作品で公開の時代が「雨あがる」辺りと併映だったら かなり評価されたと思いました。
てふ

てふの感想・評価

3.5
カラーの時代劇は要らないものまで写ってしまうから好きじゃない。
画面上の緊張感はモノクロに欠ける。

新文芸坐 篠田正浩監督・岩下志麻特集にて
本心の想いを胸にしまい、見てるこっちが思わず吐露したくなるような展開。
temmacho

temmachoの感想・評価

3.5
泰平の世の武家社会とは、出世と面目が第一な世界。

妻の不倫疑惑に上司の許しを得て二人をバッサリ仇討ちする亭主の話。

自身の面目のため、疑う余地もなく妻を斬る亭主。
亭主の面目のため、逃避行を演出して自らの命を投げ出す妻。

感情を表に出せない不自由な武家社会。
個より全なんだな。
農民でよかったw
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