ぜんぶ、フィデルのせいの作品情報・感想・評価

『ぜんぶ、フィデルのせい』に投稿された感想・評価

hoka

hokaの感想・評価

3.2
まさかカストロも遠くフランスの9歳の女の子から恨みを買っているとは思ってなかったろう。

面白い。

所謂“持つ者”である両親が“持たざる者”の為社会主義に傾倒していく過程で、自分の環境が好まざる方向へ変化していく為、極めて正しく疑問に思う事を両親にぶつけていく。
彼女の疑問は至極真っ当で、それを説明するのはなかなか難しい。

フランコの独裁軍事政権へのカウンターとしての社会主義。

社会主義は全体主義で平等だが、それ故に技術革新は生まれにくく、産業発展は鈍化する。自由資本主義は富が偏在するため、その再分配制度の整備が必要だが、それを積極的に行う権益者はいない。ようは先鋭化する事なく、2つの良いところをうまくチューニングして法制化しなければ理想的な社会は実現しない。

合わせてカソリックの教えでは許されない人工中絶問題にも切り込む。

アンナはその環境の変化に疑問を持ちながら、逞しく順応していく様が微笑ましい。
tulpen

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3.6
おとなに媚びないところと
50日間の撮影に耐えられる子という条件をクリアしたアンナ役のニナ・ケルヴィルの仏頂面がかわいい。

「キョーサン主義」「チューゼツ」「ダンケツ(団結)」などの言葉を覚え、
自分なりに理解しようと9歳の暮らしの中のものと置き換えてみるあたりが可笑しい。
パパとママの口論にブチ切れて家を飛び出したアンナが弟のフランソワの手をぎゅっとつかんで鳩胸をせり出し、
口を固く結んで、通りをガシガシと歩いていく姿。 このシーンが1番好き。

ニコリともせずに繋がれた手の輪に加わっていくアンナを見ながらなんだかニンマリとしてしまうラストがいいね。


今はもいない静岡ミラノにて。
2008.6/4 (29) 通算1084
bowcat

bowcatの感想・評価

4.0
アンナは9歳
好奇心旺盛で、
感受性が高い女の子。
なんでも質問して
なんでも吸収しちゃう。

スペイン系のお父さん
雑誌社で働くお母さん
小さな弟と4人暮らし。

ある日、お父さんの妹が
スペインからやってきて
いろんなことが様変わりする。

お父さんはチリの革命の援助に奔走
お母さんは中絶した女性の本を執筆

ナニーがキューバ人🇨🇺のときは
キューバから逃げ出したナニーに
髭のある革命家は共産主義者と聞かされ

ナニーがギリシャ人🇬🇷のときは
ギリシア神話の神々の話を聞き

ナニーがベトナム人🇻🇳のときは
カエルの雨乞いから団結を知る

アンナはいろんな立場の大人から
違う考え方、価値観を聞いては、
頭の中で渦巻いて🌀考えから
いろんなことを発見していく。

素直な故になせるワザ。


70年代の社会がどうのとか
レビューしてる方の見方は
間違いではないけど、
本質じゃないのでは?

もっと子供の気持ち、
アンナになって観ると
とっても興味深い映画です。


アンナ役ニナ・ケルヴェルの
鋭い眼差しと、ムッとした顔が可愛い

お母さんのジュリー・ドパルデューは
ジェラール・ドパルデューの娘さん。

※フィデルとは、カストロのこと
左翼家庭あるある!?というお話。子供の成長を描くとはまさにこういう事。70年代社会思想が背景だが、それがテーマではなく、感性が育まれる様こそが主眼。アンナの不貞腐れっぷりが堪らん。
アンナ(7歳位か?)の父はスペイン貴族の出、母の実家もボルドーでワイナリーを営みお城の様な家に住んでいるので貴族の末裔か?
アンナ自身もパリ郊外の庭付き、お手伝いさん付きの邸宅に住み、名門ミッションスクールに通っている。
彼女のアイデンティティーは、この歳にして完全にブルジョワだ。

しかし、弁護士だった父親が、チリの民権運動の為に立ち上がり、狭いアパートに引越し。
そこにはパリに亡命中?の革命家達が入り浸り、母は人口中絶の自由推進の為、自宅でインタビューしているので、その話がアンナにも丸聞こえだ。
ブルジョアだったアンナも自然と影響を受けていく…。

アンナ役の女の子は、オーデションで大人に迎合していない子供が選ばれたそうだが、生活が訳の分からぬままに激変して怒りを感じている少女にピッタリの子だった。
アンナの学校は以前のままだし、別に両親は特別子供に革新的な考え方を吹き込んでいる訳でもないのだが、周りで遠慮なく大人が議論、討論しているのだから、自然に影響受けちゃうわな。

最後の方で、カトリックの学校の道徳の授業でアンナが出した回答を聞いて、この子、意外に曲がらず成長したんだな、と嬉しくなった。
一人旅

一人旅の感想・評価

5.0
ジュリー・ガヴラス監督作。

1970年代のパリを舞台に、共産主義に傾倒する両親を持つ9歳の少女アンナの成長を描いたドラマ。

『Z』(1969)『背信の日々』(1988)『ミュージックボックス』(1989)の社会派映画の巨匠コスタ=ガヴラスの実の娘ジュリー・ガヴラス監督の長編デビュー作。1970年代のパリを舞台に、スペイン貴族出身で弁護士の父と雑誌記者の母がある日を境に共産主義に傾倒した結果、それまでの恵まれた生活が一変する様子を、厳格なミッションスクールに通う9歳の娘アンナの視点で描いてゆく。

シャルル・ド・ゴールの死、アジェンデ大統領就任によるチリ社会主義政権の成立、スペインのフランコ独裁政権、反体制を訴えるパリのデモ行進、チリ・クーデターによる社会主義政権の崩壊など、1970年代のフランス国内外の情勢を色濃く反映した内容。チリのクーデーターに関しては監督の父コスタ=ガヴラスがジャック・レモン主演で『ミッシング』(1982)を撮っているので、本作にもその影響が見られる。

テーマは少女アンナの成長。アンナはさまざまな“価値観”と触れ合ってゆく。共産主義という価値観、ウーマンリブ運動という価値観、厳格なミッションスクールが子どもたちに強制する価値観…。世の中に存在する無数の価値観、そのどれもが人によっては正しく、人によっては間違いである。絶対的に正しい価値観など存在しないことに気づいたアンナは、ひとつの価値観を盲目的に信じ続ける父親や母親の姿を見て子どもながらに疑問を抱いてゆく。さまざまな価値観に囲まれながら、やがて自分なりに考え理解する力を身に付けてゆくアンナの姿が感動的だ。そして、アンナと転校先の公立校に渦巻く“無数の価値観”との初めての遭遇を表現した、長回しのラストカットが秀逸。

主人公アンナを演じた新人ニナ・ケルヴェルの演技が素晴らしい。常に不満を抱いているようなふくれっ面が逆にキュート。自分が信じた価値観の敗北を知り、一人窓辺に佇む父親の手に優しく触れる姿も印象に残る。
mh

mhの感想・評価

5.0
1970年のフランス。フルジョワ階級から次第に反体制活動家になっていく両親を子ども視点で描く。
子ども側からだと、裕福で楽しかった毎日が、ひとの出入りが多い狭い家に移ってしまったので文句たらたら。
子どものことほっといて、他のことに夢中になってることへの抗議みたいなこともお姉ちゃんのほうは含んでるんだけど、マイペースな弟は順応性高いのとか、細かいとこまでよく設定してる。
親戚、学校、友だち、習い事に小さな軋轢が生まれて、だんだん両親の活動を理解していくという素晴らしいツアーに連れて行ってくれる。
説明がきわめて少ないので、
・キューバ危機から亡命してきたお手伝いさんだから親米派か。
・フランコ政権下の宗教=カトリック=避妊中絶に対する考え方が保守的。
・南米チリの選挙に、ヨーロッパの活動家たちが関わっていること。
・アジェンデ政権の行く末。
このあたりを把握してないと、話について行けなさそう。
監督さんはあのコスタガウラスの娘さんというのも激熱ポイント。
親から子供へと受け継がれていくという話なので、二世監督はうってつけ。
また、1970年代フランスのファッションも見どころ。インテリアの配色なんかも決まっていて、見るところ多かった。
ギリシャの世界観に続いてベトナムの世界観を聞かされて、子どもなりに考えるのはとてもいい勉強になりそう。
子役ふたりがかわいいのも最高でした。
これはすげー面白かった!
db

dbの感想・評価

4.1
yah○o映画4.0点

9歳の少女アンナの目線から、激動の70年代を見つめた心温まるヒューマンドラマ。

共産主義に目覚めた両親のせいで、上流階級の暮らしに別れを告げなくてはならなくなった少女の心の機微がユーモラスに描かれる。
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タイトルにあるフィデル(キューバの独裁者カストロ)からして、あまりよく理解していない状態で視聴したので、劇中に出てくる“ファシスト”など、事前に知識がないと物語の半分も楽しめなかったかもしれない。(視聴後にそれぞれの詳細を調べて後付け補完したけれど)

それでも、主人公やその弟の愛らしさなどもあり、見て良かったと思える作品だった。
Ib

Ibの感想・評価

4.0
子供視点からの共産主義な大人たちを見つめる映画だったと思う。自分は政治的な知識が不充分だった、勉強します
観て純粋な感想としては、大好きな宗教の授業も受けられなくなってしまったりと幼い子どもたちを取り巻く環境が目まぐるしく変わっていて、順応するのに大変だと思う。思想の是非以前に子どもらしい時期を過ごせないことが可哀想に思えた。
でも、他の世界に移ってまた順応していくことを彼女の成長物語と捉えるのかなと思う
政治とか社会関連の知識が全然足りてないことを自覚した。勉強不足だ…
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