秋刀魚の味の作品情報・感想・評価・動画配信

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「秋刀魚の味」に投稿された感想・評価

小津の作品を語るうえで出てくるキーワードというのはいくつもあると思うけどそういった言葉で表現しきれない美しくも切なく高潔で庶民的な作品世界が広がる。芸術的演出は観る人の心にリアリティを越えた真理を投げかける。一つの考え方に過ぎないかもしれないけど人間ひとりぼっち論の説得力には抗えないとても切なくなる。役者の笑顔や音楽にうれしいような悲しいような気持ちにさせられたり、妙に花瓶に目を奪われたり、佐田啓二のスウィングや岩下志麻の立ち姿に見とれたり、基本的に画面上ではどの場面でも会話が行われているだけだけどいくらでもいかようにも楽しめる。
Jun

Junの感想・評価

4.1
当時の文化や街並みも味わえて贅沢な作品。

時代が違うから今とは価値観も違ってくるのが面白い。
かげ

かげの感想・評価

4.0
世界の小津と思って構えて見ると拍子抜けするような感じだけれど、繰り返しが多い独特のセリフまわしとか、定点のカメラの面白さとかドンドン引き込まれていく小津ワールドでした。

昔、小津監督のサイレントの映画を1本だけ見たことあるんだけれど、それもヤカンの演出が特徴的で面白かった記憶(タイトルは忘れました)。

ごく普通の(当時としては裕福な人が多いかな)人々の白とも黒ともつかない会話とユーモア、特に岡田茉莉子さんの若奥様はいいなあ。つっけんどんだけど、旦那を尻に敷くわけでもなくウィットもある感じ。ラストはそんな終わりなの呆気にとられつつも、最初に戻って定点カメラの父娘の会話のシーン見た瞬間に父親の失ったものの大きさを初めて感じた。さらっと見てしまったけど、繰り返し見る(或いは自分がもっと年を取ると)と孤独という作品に横たわる問いを突き付けられるんじゃないかという感じがした。
ryosuke

ryosukeの感想・評価

4.0
役者の力なのか、台詞なのか、演出なのかわからないけど、味わい深過ぎて笑ってしまった。
Hitu

Hituの感想・評価

4.3
2020.08.02 netflix

なんて静謐な映画…!
小津作品はカメラワークについて語られることが多い作品だが、並々ならぬこだわりを感じる。
建築家のミースの「less is more」を想起させるような画面内のディテール。
印影や色合い、小物などの配置バランス。
それを観てるだけでもすっごく楽しかった!
女性のファッションも素敵。

ストーリーは、奥さんに先立たれた主人公が
家のことを全部やってくれてる娘を嫁に出す話。
戦後の雰囲気や、当時の幸せの価値観などが伝わってくる。
結婚=幸せ の方程式が崩れた現代において、
私はこの話をどのように受け止めるべきかは悩ましい。
おおむね同意はできないが、それはともかく「娘の幸せ」のために葛藤し、行動することは不変であると思いたい。(押し付けはダメだけど、少なくともこの話の中ではあまり衝突しておらず、路子も結婚したがっているが悩んでいる)
それはラストの静かに涙するシーンに現れていると思う。

結構唐突に話が進むこともあってどきっとしたが、終盤、路子の結婚相手が出てこないのはびっくりした。
それは、路子が結婚することが重要であり相手や結婚までの過程は二の次、と解釈すると、だいぶげんなりしちゃう。

でも、主人公のお父さんはいつもニコニコ穏やかで、めちゃ良い人なんだよな。それだけでもこの映画はたのしかった。友達との会話とか。
なんてことない日常をここまで描けるのが素晴らしいな。とっても面白かった!

あと食事シーンがやたら多い。
日本酒が美味しそう…徳利もかわいいんだ。
でも、何食べてるかはアングルが低すぎて全然見えない。見せないけど美味しそうに見えるのは凄いな。食べてる人たちが基本仲良しで楽しそうだから美味しく見えたのかも。

すっごく好きな作品にはなったものの、この映画をそのまま受け入れるには時代が違いすぎるので、当時の社会の雰囲気は現代とは大きく異なるということを大前提に見る必要がある。
hiro

hiroの感想・評価

3.9
鎌倉の川喜多映画館で鑑賞。
家からチャリで10分位の距離だけど初めてきた。
鎌倉で観る小津映画は贅沢だな。
梅雨も明けたし帰りは蕎麦屋でいっぱいひっかけて帰ろう。
ume0214

ume0214の感想・評価

3.7
小津安二郎最後の映画というので鑑賞。
古い映画って当時の風景とか風俗とか味わえていいな。
大きな赤い提灯とか女性の服装とか映画の美術もいいね。
そしてこの映画の最大の魅力、岩下志麻が美しい。
70年代後半から80年代前半の狂気じみた演技の印象しかないからびっくり。美しいけどやっぱりその印象があるから恐くてお嫁さんにはもらいたくないなー。
お見合いとか端折っていきなり嫁入れで結婚式も相手の男性も出てこないのね。ちょっとこれはすごい。
東野英治郎。
笠智衆より歳下なのに恩師役とはね。もう昔から老け役専門なのね。
教え子たちに卑屈になって行き遅れの娘と場末の不味いラーメン屋を営んでいる姿で主人公が娘の結婚に積極的になるんだけど、ちょっと卑屈に描き過ぎだよな。
「秋刀魚の味」
人生の秋を表していると同時に苦味も表してるのかなと思った。
anet

anetの感想・評価

1.8
地獄だな。時代ドキュメントとして鑑賞。
よし

よしの感想・評価

4.5
晩年の哀愁、いずれ巣立つ子供を想う複雑な親心と老いゆく者の孤独を際立たせつつも優しさが胸を打つ。小津安二郎監督最後のカラー作品は、巨匠名監督の最後に相応しい素晴らしい作品でなんとも心に居座る余韻を残していく。情緒的なのに不思議とどこか現実見据えた上で冷めてもいるというか、言葉・表現が正しいか分からないけど痛烈。素人目に見るとやっぱり答えの分かる硬いセリフのやり取りに繰り返し、そして一見特に何が起こるでもないけど度々長く回されるシーン尻。なのだけど、そこに技術的な面は分からなくとも感情に、また心に訴えかけてくるものがあるのをひしひしと感じる。定点で低く構えられた小津調。ただ淡々と生活を紡ぎ見 = 魅せる中で日常の気まずさに、味わい深さと深い洞察が。父、娘、双方の気持ちが痛いほど伝わってくるから余計に、こう胸を締め付けられてしまうよう。にしても路子の美しさと、本編中盤で大活躍する長男夫婦最高。あと主人公が自身を重ねる愛すべきキャラクター、ヒョータン。そんな一見腰が低く見るからに優しそうな主人公なのだけど、現代の感覚で見ると、さらりと結構毒舌なことに地味に驚かされた。娘を見送った後の終盤なんて素晴らしすぎてもう……

いやいや…あのほうの。あのほうの。やめちゃえ、やめちゃえ、駄目、駄目。娘を便利に使うてしもうて…。小せえんだ、太ってんだ、可愛いんだ。そうしろ、自分のことは自分でするんだ。お父さん…さぁ、行こう。不潔に見えるんだがね、女の子はつまらん、育て甲斐のないもんだ。かけましょうか、あれ?おい
みみこ

みみこの感想・評価

1.0
どこ切りとっても美談になんてなんない最悪の作品、ジェンダーロールの押し付けとかセクハラとかばっっっかりで気持ち悪かった、若い奥さん貰った~ってなったらなぜ猥談しかしないの? 娘の結婚を父が決めるのもほんとに嫌だな~、子ども作るかどうかも「早くこさえた方がいいよ」なんて男どうしの会話で言うんだもんね、腹立つなぁ この時代の女ってなんだったんだろう
最後も「しっかりおやり」ってお前がな!ってムカついて終わった

その当時はこういう家父長制の強い世界観だったのだろうし受けたかもしれないけれども今ありがたがる意味はさっぱりわからない

映像の撮り方はまあ最後まで小津調って感じで良かった
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