それについては「語らない」という経路を通してしか、語り得ないことがある。小津安二郎の作品を観るたびに、心と世界とが対峙したときに現れる、その境界線上に立つ人間の姿勢の美しさを僕は思うことになる。
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小津安二郎最期の傑作と名高い遺作にして晩年を代表する映画
妻に先立たれ、孤独となった父を気遣って嫁ぎに行かない娘の哀愁という小津作品がこれまで描いてきたテーマを再び描き出していく
本作でも飲み屋にす…
小津の映画を見たのは10年ぶりくらいか。学生の時分に『東京物語』を見たときは、空気感がノスタルジックで好みであったことは間違いないが、それ以上の感慨はあまりなくて、むしろ退屈に思えた。それから小津か…
>>続きを読む小津安二郎の映画ってたぶん初めて観たのですが、衝撃的なぐらいに面白かったです。
何も起こらないのに、こんなにも惹きつけるのは、映画の上手さなのでしょう。
台詞、シーン、演技、どれをとってもずば抜け…
映像の構成要素全てを独自の美的感覚のもと精緻に整え、唯一無二な箱庭世界を醸成して見せる小津安二郎センスが、作品のカラー化以降は“色彩”のレイヤーにおいても遺憾無く発揮されていて、おかげでモノクロ時代…
>>続きを読む別に観なくても良いけど、見たら見たで、忘られない体験になる映画。
小津安二郎の映画にはそういう魅力がぱんぱんに詰まってますか。
変な映画に違いないです。
この、永遠と焦らしてくる感じ。
奇妙奇天烈…
小津安二郎の遺作。これまで何度も描いてきた結婚する娘と送り出す父というナラティブの到達点として、孤独と老いを背負った老人の哀感が胸を締め付ける。
個人的には小津映画の魅力は本筋とはあまり関係のない…
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