恐怖の足跡 ビギニングの作品情報・感想・評価

「恐怖の足跡 ビギニング」に投稿された感想・評価

悪夢から目覚めた女は夜の街を徘徊するが、それは狂気と現実の垣根を越える危険な旅だった・・・という話。

『イレイザー・ヘッド』のような悪夢的世界と、『不意打ち』のような腐った世の中が映し出される。
この時代の低予算映画らしい画質が悪い白黒だけど、影が濃くてかなり雰囲気が良い。

ナレーション以外サイレント状態だけど、映像の感じが良い。顔のスーパークローズアップも影が濃くて良い。
ストーリーも精神病的な味付けがされていて面白い。
撮影がエド・ウッド作品を撮ってた人だけど、なんでこんなに違いが出た。
カルト映画。
徳太郎

徳太郎の感想・評価

2.9
もっと似たのがあるだろ。つけろと言ってるんじゃない。便乗タイトルは作品を貶める。自分はマゾじゃないので不快さを楽しんでない(のでこの点数だ)が、便乗したあれより価値がある。10年以内にもっと国内評価が上がると確信している。これは余計な手を加えて損なわれている、言わば半端物だ。画質の良い、先のタイトルを販売してくれ。
腕

腕の感想・評価

3.3
親殺しの悪夢

マジで照明の演出がヤバすぎる。
照明知識のない一般人が観てるだけでこの衝撃だから、
映像作品作ってる人は度肝抜かれると思う。

ほぼサイレントだけど、悪夢を映像化したような禍々しさが最高。
この短さでこの視覚的な満足度は1億点あげちゃう。

この監督もっと作品撮ってほしかったなぁ。秀才よマジで
プレストン・スタージェスが絶賛した中編不条理劇。影や屋内空間の映し方にオーソン・ウェルズの影響を見る。
dude

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3.9
父殺しの女が夜の街を彷徨う悪夢的映画。ほとんどサイレント。おっさんの落下が良いし父親と同じ顔の警官がニヤニヤしながら追いかけてくるのはこわい。そして一瞬だけ映り込む犬は何なのか...。目新しくはないが秀逸な小品だった。
ゴマ

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3.5
原題はDaughter of horrorとなっているが私が購入したDVDには「恐怖の足跡 ビギニング」との邦題がついている。昨日観た「恐怖の足跡」と間違えて注文してしまったではないか。まあ内容も似てるっちゃあ似てるからメーカーがこういったタイトルにしたんだろうが、しかし紛らわしい。
セリフはほとんど無い。昨日観た恐怖の足跡よりこちらの方が先なんだな。オーソン・ウェルズに似たデブが口の回りもひげも油まみれにしてチキンを食う場面がグロテスクで印象的だった。あと女優さんがもう少し美人だったらなあ…顔全体を黒い覆面で覆った人達が怪しく不穏な雰囲気をかもし出していて大変良い。
「悪夢的シュルレアリスム映画として満点ではなかろうか。完璧。悪夢の映像化としては『イレイザーヘッド』よりも成功しているかもしれない(笑) どのシーンを観ても、ああーこいつ映画マニアなんだろうなーと小っ恥ずかしくなる。ブニュエル、ドイツ表現主義、怪奇映画、オーソン・ウェルズへのリスペクトが随所に散りばめられ、しかしそう言った一見小っ恥ずかしいオマージュやパスティーシュのそれぞれを自作に落とし込む手腕が甚だ見事で、こういうのを映画的運動神経と呼ぶのだと感じる。オーソン・ウェルズにそっくりな大富豪を出演させてるだけで小っ恥ずかしいし、そやつが美味そうにフライドチキンを食べるのがまた可愛い。忘れ去られるには勿体無さすぎるケッサク。ところで、星空で映画が始まるのは同年公開の『狩人の夜』と同じで、こういうシンクロニシティーが起きてることも恐ろしい。あと一瞬映り込む犬に”見てしまった”とめっちゃびっくりする」
 暴力と退廃の街をさ迷う女性。父親殺しの忌まわしい記憶。やがて彼女は正気を失い、夢遊病的殺人の果てに逃走する……本作のテーマは「狂気」である。原題は認知症を意味する“Dementia”、主人公が徐々に心神喪失状態に陥っていく様子を表している。55年の作品だが全編モノクロで撮影され、一切台詞がないという悪夢のような演出が特徴的。歪んだ背景や極端な陰影効果にドイツ表現主義的への傾倒が見られる。主人公が波に襲われる場面は『アンダルシアの犬』へのオマージュか。「狂気からは逃れられない」という不気味な宣告が耳に残る。
 監督はジョン・パーカーという人物で、彼が手がけた映画は後にも先にもこれ一本のみである。映画館長の息子であり、ホラー映画オタクでもあったジョンは自主制作という形で本作を完成させたという。妙に気取った邦題だが61年公開の『恐怖の足跡』とは全くの無関係。恐らく『テキサス・チェーンソー』や『エクソシスト』のリメイクブームに便乗したのだと思うが、いくら何でもビギニングはないだろう。
 映画公開から半世紀も経過している上、台詞が一切無いので登場人物への感情移入もし辛く、確かに不気味ではあるが主人公が追い詰められていくような恐怖や焦燥を感じることはない。脚本も現代人からすれば単調である。しかし、上にも述べたドイツ表現主義を再現するような演出や構図には時折ドキリとさせられる。映像で狂気の精神構造を魅せるといった点では『イレイザーヘッド』の感触に似ていると言えなくもない。
 特に冒頭の夜空に男の顔が浮かび上がるギミックや、精神の墓場で両親の殺害現場を再現するシーンなどはエド・ウッド作品を彷彿とさせる――などと思っていたら、どうやら撮影監督のウィリアム・C・トンプソンは後に『プラン9・フロム・アウター・スペース』『牢獄の罠』の撮影を手がけているらしい。この50年代中期のハリウッド自主制作界隈は意外と狭い世界だったのかもしれない。とにかく、古典ホラー映画愛に溢れた作品だが観る人を選ぶ。まさしくカルトである。

(鑑賞メーターより転載))
Aki

Akiの感想・評価

4.5
1時間ほどで、この満足度。陰影バキバキな照明が良いし、畳み掛けるような終盤に悶絶する。怪奇幻想映画の傑作。
大変興味深く(ラスト付近の不気味な演出とモンタージュ理論など)拝見したのですが、小生が見たかったのはCarnival of Soulsの方でした…………。