沈黙の島の作品情報・感想・評価

沈黙の島1969年製作の映画)

EN PASSION/The Passion of Anna

製作国:

上映時間:101分

3.9

「沈黙の島」に投稿された感想・評価

4月10日"シドー"の日はスウェーデン出身の俳優マックス・フォン・シドーのお誕生日です!
89歳ということで、今年でやっと恩師ベルイマンの年齢と並びましたね。

巨匠イングマール・ベルイマン監督との出会いで着実にキャリアを積み上げ、世界的名優として今も現役を通し続ける超ベテランのシドーさん。

本作はそんなシドーとベルイマンが組んだ最後の主演作であり、
他の監督作でも頻繁に多用された幽閉的な孤島(ベルイマンが住んだフォール島)を舞台に人間の表裏を描き出します。

英題は『The Passion Of Anna』となっていますが原題は単に『En Passion(情熱)』であり、
リヴ・ウルマン演じるアンナよりもシドー演じる主人公アンドレアスが中心となって物語は展開。

離婚し孤独に暮らす男アンドレアス。
交通事故で同名の夫アンドレアスと息子を失い、自身も脚に障害を残すアンナ。
隣人でアンナの友人でもある不眠症妻エヴァ。
写真撮影に固執するその夫エリス。
そしてアンドレアスだけが唯一気にかける隠遁者のヨハン。

ヨハン以外は皆それぞれが自分自身を身繕い社会性を保っている一方、
自己嫌悪に陥る心の闇や過去の後悔に囚われ続け、外虚内実の解離に苦悩する落伍者たちの側面を余すことなく映像に収めます。

そしてその辺鄙な島では謎の動物虐待・家畜虐殺事件が相次ぎ、朴吶な世捨て人のヨハンが島民から真っ先に疑われる事態へ。

日常に介在する孤独を抱えながら強く他者を求め、それでもすれ違っていく愛憎の所在をこの孤島はより克明に際立たせていきます。
フォール島シリーズの『ペルソナ』『狼の時刻』『恥』にも繋がるこれら一連のテーマ。
文体でしか表現しきれない心象も巧みに映像化してしまうベルイマンは、やはり偉大な作家であると同時に類い稀なる天才的感覚の持ち主であると言わざるを得ません。
要所毎で俳優陣のインタビューを挟む斬新さも見処。

今年はベルイマン生誕100周年ということで、全タイトルがまるっと国内ソフト化されることを切に願います!
ILC

ILCの感想・評価

3.8
動物が死んだり苦しんだりするシーンあるからそういうの苦手な人はこの作品は無理