スザンヌの作品情報・感想・評価

スザンヌ2013年製作の映画)

Suzanne

製作国:

上映時間:94分

3.9

「スザンヌ」に投稿された感想・評価

さど

さどの感想・評価

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各シークエンスで繰り返される、スザンヌの瞳を通じて時空と色彩を切り取る撮影が情緒的で非常に良い。
ライフストーリーらしくテンポよく進むものの、背景と奥行きを感じさせる力量に驚いた。
父子家庭に育つ姉妹の、衝動的で奔放な姉スザンヌを通して描かれるのは、スザンヌの犯罪的なロマンスだけでなく、決して見放すことなく、あるがままの彼女を受け入れようとする家族の優しさと愛。特にトラック運転手の父の留守を預かり育った姉妹の絆は強い。
若くしてシングルマザーとなった姉が青年と恋に落ち、幼い息子を預けに来る甘えも許容してしまう妹マリアだけど、その表情から優しさで押し殺した感情も伺えるような、暗い部屋の場面は繊細で印象的で、アデル・エネルがとても良い!明るさと微笑みの影にある彼女の心の内を知るようで。
そんな妹マリアが、姉スザンヌを成長へと導くのだけど、あのとても悲しい場面には胸を掴まれ、最もロマンチックにも思えた。
時間と空間の切り取り方が新鮮というか、時の経過の中でスザンヌが何かやらかす度に家族が巻き込まれ、その時空でのスザンヌや家族の現状や想いや繋がりを見る。最初、スザンヌは身勝手に思えていたのに、彼女の家族のように、生きていれば良いのだって感じに思えていた。

そして、ニナ・シモンの歌!
籠

籠の感想・評価

3.9
2017年151本目 旧作外国映画27本目 1,200/121,950

サラ・フォレスティエには高峰秀子を目指してもらいたい。アデル・エネルは着実にステージが上がっていたことがわかったので2017年は日本では彼女の年だ。駆け足で描かれる彼女の人生はいろいろだが俯瞰ショットが楽しい。最後に流れたニーナ・シモンによるスザンヌが素晴らしい。レナード・コーエン共々ちゃんと聴く時が来た。
meg

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3.9
平日から抜け出せた開放感と人恋しさが増す金曜日、心地よい秋の夜。

映画館を出たあと通り過ぎる景色をぼんやりと眺め、次から次へと重なり合う人の声を聴きながらわざと歩くスピードを落として駅へと向かった。
なんだかとてもさみしかった。
だれかのぬくもりを感じていたかった。


あの選択をしたスザンヌがとても誇らしくとても愛おしく、とても悲しかった。
痛くて痛くて痛くて、
立っていられないほどに苦しいのに。

華奢で小さなからだ。
まん丸のブルーの瞳の上にはいつも不安げに傾く薄い眉。
無造作なブロンドの髪をなびかせ、息を切らして彼の元へと走る。
大きめのスウェットにデニム姿の彼女は少女にしか見えない。

会いたい。ただ会いたい。
「母」をやめてでも。

幼い息子の世話を妹にまかせ、父を泣かせ、すべてを捨て、愛を選んだ。
と思えばふらりと戻っては周りをかき乱してまたふらりと消える。
与えられた愛をめちゃくちゃに引き裂いて放り投げ、妹と父はそれをまた拾い集めてつなぎ合わせる。その繰り返し。

スザンヌの青い瞳にはひとつの曇りもなくて、そこには透き通った愛しかみえなかったから、だれも彼女を見捨てる事が出来なかったんだと思う。

雨の街角、傘もささずに抱き合い別れを言い、離れたかと思えばまた彼の元へと走って首に抱きつきキスをする。
たったそれだけのシーンがただただ美しく、
たったそれだけ、がすべてなんだと思った。
愛おしくて苦しくてめまいがする。


愛に生きたスザンヌが、得たものと失ったもの。
ラスト、少しやつれたようででもとても幸せそうに見えたあの微笑みを信じたい。



※FASHION'S NIGHT OUT(通称FNO)と比べ恐ろしく地味なナイトアウト、「新宿シネマズナイトアウト」にて限定上映でした。
1234

1234の感想・評価

4.5
アダルト・チルドレンの勉強してるとどれだけ丁寧にこの映画が作られてるかわかる 説教臭くないし
子供時代のちょっとトゲのありそうな、でも愛おしいスザンヌの映像から始まる。

父親のトラックが姉妹の、父の誇りのよう。そして家族をつなぐ象徴であって、とても素敵に描かれている。

若くして子供を産んだスザンヌ、幸せそうなのも束の間、スザンヌは子供を捨て、少女のように愛に生きてしまう。

痛々しいほどの激しい愛。それは息子にはうまく向けられない。父と、妹はスザンヌに翻弄されながらも、愛を持って彼女を赦しているようだ。

激しい愛の形にベディー・ブルーを思い出したが、もっと家族が関わり、現実味を帯びた物語。何度もスザンヌになぜ?とイライラしながら見ていたのだが、ラストの驚きの展開。やっとまともに生きる事ができる。これから子供達が、スザンヌを母にしていくのだろうと、本当にしみじみと涙が溢れた。
irtkk

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3.5
2015.06.13@フィルムセンター
杉原賢彦氏トークショー
サラ・フォレスティエにつられて鑑賞。
カテル・キレヴェレ監督もフランスの注目の若手なのだそう。彼女は愛の記念にを撮ったモーリス・ピアラに影響を受けてるそう。
私が苦手な「愛」を扱う監督さん。
yuria

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4.8
サラ・フォレスティエ演じる『スザンヌ』は子供を産み25年たっても少女のままで、人間でもジャンヌでもなくスザンヌという名の映画の妖精だった。これは映画だから産まれた魔物だと思う。スザンヌで産まれたサラ・フォレスティエ演じるスザンヌ、それはもちろん『愛の記念に』にてサンドリ ヌ・ボネールが演じたスザンヌもまた然り。
恋に夢中になった二人が街をくるくると駆け回り追いかけて抱き締めてキスをして別れて振り向いてまた彼のもとへ駆け寄って っていうだけの長い長い恋人たちの時間を、俯瞰ショットでひたすら撮す二分間にはとにかく憧れた。
hush

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4.2
サラ・フォレスティエ大好きなんです。

『身をかわして』で観て以来、気になって仕方ないです。