スリの作品情報・感想・評価

「スリ」に投稿された感想・評価

原田芳雄がかっこいい。アル中だけど。

90年代後半から2000年代にかけて、流行のポップカルチャーが徐々に影を潜め、ネットが普及し始めた頃。
今年の漢字が「倒」の1997年。大企業や銀行が次々と破綻し、自殺者数が毎年3万人を超え続けた灰色の時代。

アル中とスリがテーマのこの映画はそんな時代背景も重なってどんよりした空気が漂ってる。スリで盗んだサラリーマンの財布の中から遺書が出てくる場面からも、貧困と自殺が蔓延していることがわかる。

飲酒もスリも暴力もそんな時代をなんとか生き抜く為の手段で、やってることは犯罪ではあるが、それを生業とする男の確かな技術は職人と呼ぶにふさわしい。
もし堅気の職につけていれば周りから頼りにされる親方になっていたに違いない。
黒木和雄監督、主演原田芳雄でアル中で腕の落ちた老いたスリとそれを取り巻く刑事、育ての娘、弟子入り志願の青年、加えて断酒会の面々と多彩な脇役。

2000年(平成12年)の東京が美空ひばりの「東京キッド」のメロディでやけにノスタルジックに映る。
山手線の中でスリを繰り返す原田芳雄、ピッタリ後を追う刑事石橋蓮司。
原田が拾って育てた真野きりなも電車の中で巧みなスリの技を見せる。

外には聖路加ガーデンの高層ビル、走り抜けるレインボーブリッジ。シンボリックな東京の風景は今と変わらないのに、随分昔の様に感じる。

ジョニー・トー監督の「スリ」でも、ロベール・ブレッソン監督の「スリ」でもその時代の街の佇まいにこの犯罪は溶け込んでいるように見える。

育ての娘真野きりなが市川実和子?実日子?に見えた。
愛梨

愛梨の感想・評価

3.6
スリとアルコールって感じ

結構面白かった!

関係性が徐々にわかってくる感じがいい!

手を踏んでるところは急に暴力性がでてきてあんま好きじゃないな

作品としては好き
皆山

皆山の感想・評価

3.8
割と面白かった!!!
てか勉強になった、スリってこうやってやるんだ!!ってなった
服に触れなければ気づかないとか、指を曲げるなとか

人情ドラマだったなあ
黒木和雄監督作品。 

電車で痴漢をさせながらスリをする女(真野きりな)、スリをしようとするがアル中で手が震える男(原田芳雄)、「東京断酒再生会」という会を作って断酒活動をする女(風吹ジュン)などが出てくる。 
途中、「スリというよりアル中の話か?」と思えるほど、アル中に話が傾くが、原田芳雄の指震えを抑えるために断酒してまでしたい仕事が「スリ」という流れであった。 

同名映画のロベール・ブレッソン『スリ』の様に、スリの華麗な指先テクニックを見せる映画ではなく、スリを生業としている男の生き様を描いた映画だった。 

この映画、物語がスリに集中していなかったので、散漫な印象を持たせてしまう感あった。
原田芳雄 石橋蓮司というキャスト目当てで見たんだけど、微妙でした

流石に原田芳雄が老いすぎだし、石橋蓮司も禿げすぎだし、老いって辛いんだな
くぅー

くぅーの感想・評価

3.7
落ちぶれた名スリ師と彼に関わる者達のドラマは、派手さとは無縁の世界ゆえに覚悟されたし。
ある意味、孤高の一匹狼の男に魅せられる者達が描かれているのも見所だが、ストーリー的には中盤で取りとめが無くなり、ラストも今一つ上手く締まらなく感じでしまったのはもったいないが…それでもやはり味のある俳優陣にニンマリ。
そう、原田芳雄が激渋のハマり役で、刑事役の石橋蓮司とはもはや阿吽の呼吸共演を魅せ、密かな香川照之や真野きりならの熱演もいい。
スリの主人公を肯定化して考えて、人は簡単に変わらないこと、依存の虚しさを感じた
屈折した人間像に原田芳雄は絶妙だった
スリの巧みさは巻き戻して見てしまうほど。
重傷を負わされてもまだなお変わらないその依存たるや。
石橋蓮司との関係性がよかった
牛丼狂

牛丼狂の感想・評価

2.0
2000年公開。
1960年のロベール・ブレッソンが監督した『スリ』は鑑賞済み。

登場人物の視点からではなく全体を通して客観的な視点として物語を描いている邦画を久々にみた。
説明的なセリフが少なく、複雑な人物関係を見事な構成で描けていたと思う。
しかし、アル中要素はいるのか?という物語の根底となっているものに疑問を抱いてしまった。
やはり「スリ」という行為へのアプローチがもっと欲しいところだ。
非道な行為なんてことは十分に知っているので、そこから葛藤をする人物を描くよりは、依存性だとか醍醐味を見せてほしい。
原田芳男と石橋蓮司、二人の名優の枯れ始めた頃の演技が素晴らしい
映画の中身は、ATGっぽいね
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