正直言ってここまで「寂しい映画」に出会ったことは今までなかった。
とりあえずシャンタル・アケルマン初期作品Blu-rayBOX収録作品は三作観たけど、映画作家としての我の出し様、その解放度合いは一番…
溶けていく私的空間
他人のそれと混ざり合い、完全に居場所をなくし、かといって共有もできない哀れな現代女性を描いた秀作。
アケルマンの素晴らしいところは、例えばゴダールのような省略による時の魔法で…
自分が他人の孤独や淋しさの穴埋めであることの虚しさ。話を聞くという思想と欲望の一方通行。アンナは"Oui"としか返さない。"女は結婚して子どもを生まなきゃダメ"。会話は時間を消費するだけの手段に成り…
>>続きを読むタイトル通り、3日間の間に人との出会いと別れを繰り返して、ドラマチックな期待しつつも言ってしまえば何も起こらない。いや、でも実際は視認できない何が確実に画面の上では起こっている様な。
リアルな時間の…
【鑑賞メモ】
駅。
ホテルのエントランス。
車窓。
雨に濡れたプラットフォーム。
駅。
シンメトリーとシークエンス。
さりげなく、でも精緻に左右対称な構図。画面の中で静かに、淡々と繰り返される動き…