真白の恋の作品情報・感想・評価

真白の恋2015年製作の映画)

上映日:2017年02月25日

製作国:

上映時間:97分

3.9

あらすじ

渋谷真白は、生まれてからこれまで、家族と共に富山で暮らしている。真白には、ごく軽度の知的障害がある。見た目にはそれとわからないが、精神年齢は十歳程度で、日常生活に支障はなく、知らない人から見れば、「少々エキセントリックな人」といった印象だ。真白は、自分が「障害者」であるという事は理解している。しかし自分の何が、「普通の人」と違うのかまでは、理解する事ができない。現在は父の営む自転車店の店番をした…

渋谷真白は、生まれてからこれまで、家族と共に富山で暮らしている。真白には、ごく軽度の知的障害がある。見た目にはそれとわからないが、精神年齢は十歳程度で、日常生活に支障はなく、知らない人から見れば、「少々エキセントリックな人」といった印象だ。真白は、自分が「障害者」であるという事は理解している。しかし自分の何が、「普通の人」と違うのかまでは、理解する事ができない。現在は父の営む自転車店の店番をしたり、飼い犬の世話をしたりと、元気に暮らしている。ある日、兄の結婚式で神社を訪れた真白は、東京からやって来たフリーカメラマン、油井景一に出会う。ひょんな事から、油井に少しの間カメラを預けられた真白は、レンズを覗き込んだ瞬間、うっかりシャッターを切ってしまう。その時偶然撮れた写真を、油井が気に入ってプリントした事から、二人の縁が繋がってゆく。真白の、生まれて初めての恋。応援する人、心配する家族。その中で真白は何を感じ、どう成長していくのか…。

「真白の恋」に投稿された感想・評価

のぞみ

のぞみの感想・評価

3.4
大切だから守りたい。やり方は、それぞれ。極端になったり、ぶつかりながらもつかめそう。本物の恋。共感し、考えさせられる。恋って、いいものだ。そして、朝陽はきれいだ。
真白は周りの人から大事に大事にされてきたんだな、ということはひしひしと伝わってくる。だから後半の展開がもどかしい。
誰も悪くないから。
純粋で真っ直ぐな真白の恋。美しい富山の自然、冬景色にも心洗われる気持ちがいたしました。
ああー。あっあー。ううう…。

富山の長閑な街で両親と暮らす女性、真白。無防備な表情や短い文節だけの喋り方はまるで子供の様で、ある種のチャーミングさに満ちています。
真白はある日、東京からやって来たカメラマンの男、油井に出会います。彼は物腰が柔らかく、誠実そうで、優しくて。何度かの偶然の再会を経て、真白の心は次第に油井に惹かれる様になっていきました。真白の初めての恋。

とても丁寧に撮られた映画という印象です。どのシーンも富山の風景の素朴な良さが自然に落とし込まれていて、ボンヤリ見ているだけで幸せな気持ちになります。余程念入りにロケーションに当たったのではないでしょうか。人物造形に深みがあり且つナチュラルで、皆さんが役者で有ることを忘れてしまいそうになります。(自分は不勉強で、長谷川初範さん以外の役者さんはほぼ初見でした。)劇伴、ちょっと近年聴いた覚えがないくらいに素直(素朴)です。とても好感を抱きました。
魅力的すぎる街の景観や雪景色。強い実在感の登場人物。脚本はとにかく繊細で正攻法。彼等がこの町でただ歩いているだけでその営み全てが愛おしく思えて来ます。個人的には、いわゆる日常系と呼ばれる漫画群にも似たテイストを感じました。
女性が、男性と出会い、惹かれる。ただ、それは激しい愛の物語とかでは無くて、淡い恋の物語で、すんなりと結ばれるハッピーなお話とかではありません。低いが分厚い、或いは薄くても破り難い壁が立ち塞がります。

真白は知的障害があるのです。軽度ではあるものの、確かにそれと分かる雰囲気が漂っていて、子供の様なイノセンスはここからきています。

うーん、と考え込んでしまう…。障害について、自分の態度を決めるのは本当に難しい。それがフィクションとなると尚更分からなくなる。
知的障害を持つという設定は絶対に必要なのか?(障害との認定が必要だったのか?)
知的、でないと駄目だったのか?
外見が可愛い必要はあるのか?
障がいの程度を物語の都合の良い様に設定してはしまっていないか?
…この辺りの事柄が自然に心の中で大きなノイズになって、フラットに作品に触れられなくなる。「そんな作品、山程有るだろう」と言われるとその通りで、その度に自分は「ああー、あっあー、ううう…」と唸っています。

凄く近しい知人に精神の障害を患ってしまった方がいます。以前は誰もが下を巻く切れ者だったその方は、ある時期を境に入退院を繰り返すようになり、今は狭い部屋で毎日テレビを見たり、熱帯魚に餌をやったりして、努めて大人しく、感情が波立たないように暮らしているように見えます。かつてはまるで脳が繋がってるんじゃないかと思う位に、同じ物を見て笑い、同じ絵を眺めて感動していたのに、今は、その人が何を見て、何を考えているのかよく分からない。なにより自分がその人を見て、どう感じているのか、分からない。確かなことなんてホントに何も無い。残念だけど、それだけは確かだ。

製作者の方々は間違いなく誠実で、表現者としての深い葛藤を乗り越え、試行錯誤した上での作品のバランスになっているのだと思うのですが、やっぱり自分はまだそこと上手く向き合う事が出来ませんでした。…でも、現状でもスコアは余裕でこのくらい有るのだ!と言いたい。とにかく心は揺さぶられた。
個人的には、終わり方にとても救われました。フィクションなんだから、心地良い着地の方が良い、なんて事は無いと思います。やはり誠実。
埋もれて欲しく無い。出来るだけ多くの人に観てもらいたい作品です。どんな気持ちになるとしても必ず意味が有る。
個人的に取り分け気になり、意見を聞いてみたいのは(馬鹿みたいに浅薄かつ、物語の本質とは関係無いように感じられるでしょうが)、真白のキャラクターに好感を抱くか否か、です。自分は「わはは、チャーミング!」ぐらいの印象だったのだけど、人によっては「天使!」だったりしそうだし、逆に「気持ち悪い…」だったりするのかな?と。それによって物語に抱く印象は大きく変わりそうな気がします。

真白のモコモコで色の溢れかえったコーディネートは凄く刺激を受けました。真似しよ!!
meco

mecoの感想・評価

4.8
こんな素敵な映画、あぶなく見落とすところだった…。

似たようなテーマのドラマがあった様な気がするが、こんなピュアな恋心を描いた作品はそうそうないかな。真白の真っ直ぐな気持ちに対し、ラストに向かう展開が本当に切ない…切な過ぎる。

いい映画なので、皆にお薦めしたいけど、こっそり自分だけ知っておきたいような映画です。
coro

coroの感想・評価

3.8
どこか雪深い国の民族衣装にも似た、色とりどりに彩られた衣装を纏い、薔薇の花びらでも浮かべたような赤い帽子と赤い自転車のよく似合う、水のように透明で、雪のように無垢な、ごく軽度の知的障がいのある(そう言われなければ分からないほど普通な)女の子(真白)が主人公。
この映画のために在るような景勝美溢れる富山のとある街で、家族や街の人々に優しく見守られながら穏やかな日々を過ごしている。
そんな彼女に訪れた初恋を応援してくれる人たちの気持ちも、心配する家族の気持ちも、何色にも染まっていない彼女の純粋さに触れたい写真家の気持ちも、普通だと言ってほしい真白の気持ちも、痛いほど伝わってくるからこそ辛い。





以下ネタバレ

真白の想いと彼の思いが違うってことを分かってはいながら、この叶わぬ恋がどこかで成就しないかと祈りながら見ていた。
" ありがとう " の言葉を残して小さく消えゆく電車と嗚咽の後の、うららかな彼女の笑顔の素敵なこと
なかの

なかのの感想・評価

4.0
ましろという名前が妹と同じで鑑賞。
どこか切なさがあるラブストーリーで見やすい。真白が素直で真っ直ぐでいちばん普通。景色が綺麗。
なんでこの映画がもっと有名にならないんだろう??と不思議になるくらい。

カメラの話が入るから、映像にもとってもこだわっていて、綺麗だったなあ。見終わったらまず富山行きたいって思う映画だと思う。笑

油井と真白の関係性、いたってシンプルで、どんどん惹かれていく真白の気持ちがとても理解出来た。普通なんて、ないし、なくていいし、くそくらえですね

それにしても雪菜、、、可愛いすぎたなあ、、、
fujiK

fujiKの感想・評価

3.8
お兄さんの言葉まで、真白ちゃんはおもしろい個性の女の子だ、可愛いな、いいな、と微笑ましく見ていた。
その言葉以降、言葉に定義された真白ちゃん。

ずっと真白ちゃんが悲しまないように、と思いながら見ていた。
しかしそれは映画の中の親たちと変わらない、私の偏見の表れなのだと。初めて恋した真白ちゃんは、悲しんで苦しんでも、ちゃんと前へと生きていく。
富山の美しい景色の中で。
Soichfork

Soichforkの感想・評価

4.0
純粋な真白の純粋な恋に、こちらまで心が洗われて真っ白になっていくよう。

この映画を観てると、「怒り」や「ワンダー」を思い出すシーンがいくつか。真白もだけじゃなくて、両親も、雪菜も、油井も、みんなの気持ちが分かるから、胸が苦しくなる。

富山の雪景色、街の景色、山頂からの日の出、すべて美しいけど、最後の真白の表情は、なによりも綺麗。

この監督は地元が富山のようで。いいなぁ、こうやって自分の地元を舞台に映画を撮るって。
Rily

Rilyの感想・評価

3.0
少しズレるけど、「怒り」で「あの子が幸せになれないと思ってない?」と言い放った池脇千鶴みたいな立ち位置の人物は、たぶん実生活ではとても貴重で有難いこと。
とくに閉鎖的な価値観にとっては尚更。
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