影たちの対話の作品情報・感想・評価

影たちの対話2014年製作の映画)

Dialogue d'ombres

製作国:

上映時間:28分

3.9

「影たちの対話」に投稿された感想・評価

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tの感想・評価

3.5
目を閉じて対話する男女を個別に映す。2つのショットだけが続くミニマルな構成故にカットすると微細な部分が変わっているのでは、というスリル。台詞はあまり頭に入らなかった(最悪なことにラスト直前で意識が飛んだ)が、ついこの間観たサトウトシキ「不倫日記 濡れたままもう一度」と同種の映画的エモさが待ち受けていてグッと来た。ストローブとピンク映画は時に接続する。

このレビューはネタバレを含みます

初老の男女がそれぞれ別の場所で画面に映っていない下方の脚本を音読しているのを交互に映すだけで、小津映画のように会話してるように見えるっていうのは全くおかしいものだよな……と映画哲学に耽っていたら最後で実は同じ場所のすぐ隣で読んでいましたというのをネタバラシして二人の沈黙と対面で終わらせる鮮やかさと術策に平伏。

純粋な映像としては水面に反射する景色や風に揺れる枝葉、そして遠くでチラチラ見える馬が印象的だった女性側の方が好き。
ベルナノスの原作はさすがに知らないです(ちなみにブレッソンの「田舎司祭の日記」の原作小説がベルナノス)。ノルマンディのフレール近郊の林を背景に、固定ショットで男はフレームの右下に、女は左下に。それぞれうつむいたりフレーム外の対話相手の方を向いたり、この動き自体が次の運動を呼び込む。つまり運動性が継続し続ける(また、ストローブは敢えて他国人に他国語を読ませたり、言葉の響きの即物性を際立たせるようなゴツゴツした読み方をさせることが多い。スムーズでないことから生まれる「ひっかかりと違和感」がまた観客の記憶に残る)。そして映画の最後だけ同一フレームにこの2人がおさまって対面する。この「開け方」が大変すばらしい。単純きわまりない方法にも関わらずその効果は見事で、映画は大量のカネとヒトを使えば必ずしもサスペンスフルになるわけではない、逆に言えば撮り方1つでいかようにも豊かになります、という例示のようだ。