TAKA

マンチェスター・バイ・ザ・シーのTAKAのレビュー・感想・評価

4.2
2017-086-064-022
2017.6.10 109C大阪エキスポシティ Scr.3

・故郷の海、楽しい日々。いまは遠い
・兄の死、甥っ子。過去との再会
・癒えない傷、回り始める時間・・・

海から始まる。
船上から俯瞰するふるさと。
兄と幼い甥っ子との楽しい船遊び。
だけど、それは遠い過去のもの。
今はもう望むべくもない世界・・・

主人公は過去に深い傷を負って故郷を離れ、一人ボストンで暮らしている。
アパートメント管理の便利屋で糊口をしのぐ暮し。

何もない部屋。
BARで声をかけられても応えることもない。
多分彼の目には、外の世界が映っていない。彼の耳には外界の音も聞こえていない。

彼の心は恐らく、なんの色彩もない、なんの音もしない世界の中にいる。
ただ、生きている・・・。

昔は笑う男だった。
幼い甥っ子に釣りを教え、陽気にからかう叔父さんだった。
ある事件をきっかけに、彼は故郷を離れた。
いや逃げた。
荒んでしまった彼は、鼻つまみ者になって故郷を追われたのだ・・・。

そんな彼の兄が、理解者だった兄が亡くなり、彼は帰省する。
葬儀、兄の残した甥っ子の処遇、
対処して行くなかで、彼は図らずも過去と向き合い始める・・・

本作はその過程を、人物の背景を、クドいくらいに丁寧に描いていく。

・・・好みによってはホントにクドいかもf(^_^;(笑)

ケイシー・アフレックが犯した過ちも、その過程のなかで、徐々に明かされていく・・・

重いです。
罪と呼ぶのは気の毒かもしれないけれど、過ちと呼ぶにはあまりに重い。

俺なら耐えられない・・・
かも。
だけど、少しだけでも、前に・・・

そんな苦悩を、見事に演じきったケイシー・アフレック。
リアルでした。
アカデミー賞納得です。(^_^)

本作は・・・
ある意味、生きるということを教えてくれている。
そんな気がした。

傷を完治できなくても、
傷を抱えながらも生きていくのが人生。
それでも、
時は未来に流れていく・・・。

追記。
・ケイシー・アフレック。
この声には、絶対に聞き覚えがある。
どの作品だっけ?
ずっとそう思いながら観てましたf(^_^;

ディスコグラフィー見ても分からん。
インターステラー?いや違う・・・

もう一度見直した。
あ!キラー・インサイド・ミーだ!
満足・・・(笑)
あれも・・・壊れた男の役だったな。
凄い印象的な声。
・甥っ子。
16歳で、それはやりすぎじゃね?(笑)
・何か・・・大学生くらいの・・・恐らく映画好きの男が四人組で来ていて・・・なんか妙に気になっちゃいましたf(^_^;(笑)
俺もあんな顔して観てんのかなぁ?(笑)
0件
    TAKA

    TAKA

    映画館派です。なんでも観ますが特によく観るのはアクション。そして午前10時の映画祭をこよなく愛しています。サッカー川崎フロンターレの応援との両立に苦労してます。 f(^_^; 好きな映画。レオン、ロ…

    映画館派です。なんでも観ますが特によく観るのはアクション。そして午前10時の映画祭をこよなく愛しています。サッカー川崎フロンターレの応援との両立に苦労してます。 f(^_^; 好きな映画。レオン、ロッキー2、アバウトタイム、太陽がいっぱい、ライフイズビューティフル、グランブルー。 感想や情報の交換をお願いしたいです(^_^)