禅と骨の作品情報・感想・評価・動画配信

「禅と骨」に投稿された感想・評価

【過去に観た映画】2018.4.21

「ヨコハマメリー」の上映会で
お逢いした中村高寛監督賞の11年ぶりの長編ドキュメンタリー作品。

オープニングのコラージュのような映像から、今日マチ子の味のあるアニメーション、
若い頃のヘンリご本人そっくりのウェンツが演じるドラマ部分。
どれもが新鮮であり、リアル部分をより引き立てる。

後半、家族間のいさかいや
取材でのやりとりなど、
カメラの前では見せないであろう場面も隠さずに流していて、驚いた。
中村監督は取材対象に寄り添うとおっしゃってた言葉を思い出し、中村監督だからこそ、撮れたのだろう。

破天荒な生き方を貫く男の影にはきっと、辛い思いをした女や家族がいるのだろう。

ヘンリの映画を撮りたいという思いは、強く伝わってきた。
その想いが、アニメになって、上映されたのを見て、涙があふれた。

映画タイトルにある“骨”が出てくるシーンはもちろん泣けて仕方なかった。

ここまで撮るか!と思いつつも、それが全てヘンリ・ミトワの生きざま。
未来より過去に興味があるという彼は家系図を作り、父の映画への意志を引きつごうとし、母への贖罪を形に残すことに
こだわり続けていたのだろうか。

ヘンリの最初の映画の企画書の脚本欄に大津一郎とあった。
後で中島貞夫監督のインタビューもあったから、シナリオ講座の大津先生かな。

先月、天龍寺に行き、
横浜にも行ったから、このドキュメンタリー映画のロケ地をとても身近に感じるられた。
デニロ

デニロの感想・評価

3.5
あの『ヨコハマメリー』の監督作品と聞いて妙にこころざわめき、休日しか行けない映画館に出掛ける。

『ヨコハマメリー』は謎の女を描いていて、対象の解き明かしがミステリアスだったけど、本作は、うるさい爺さんが登場し全面展開。坊さんかと思っていたが、修行したわけでもなさそうな説明だった。生身の人間があれこれ指図していくにつけ、もはやドキュメンタリーの面白さはなくなる。そこでは記録する側の意思主体が希薄なのです。

最後に執念を燃やしていたという「赤い靴」の映画化。これは何だかよくわからない。他人頼みの金集めで、それほどの執念を感じることはできない。

『ゆきゆきて、神軍』や『全身小説家』が成功したのは、聖人か変人か、ではなく記録に徹したから。そして、作者の期待した行動を、おそらく対象者がその期待を理解していたという事だと思うが、対象者がとったこと。かなり歪んだ信頼関係にあったことに尽きると思う。

ドキュメンタリーは作為である。カメラは武器だ、否、カメラは武器となりうるか。60年代70年代のテーマを思い起こした。

と、そんなことを観ている間は全くかんがえておらず、あまりに面白くないので、昼食はあの鰻屋にしよう、とそればかりかんがえ、実行に移したのでした。
やりたい事をやる、
その姿勢が何歳になっても衰えない、
それは単純にすごいし、素晴らしいなって思った。

途中、アメリカから兄夫婦が帰国したシーンは、きつい。
しーちゃんの涙、ヘンリさんの怒号、
母親の佇まい、を見てて、家族のカタチってホント色々あるんだなあって思った。

後半、娘、しすかさんの涙、
久しぶりにきつい涙をみた気がした。
この家族はみんな大変な思いをしてるし、
だから、人一倍家族の絆が強いのかもしれないなあ、、、ヘンリさんの苔別式で家族が集まった時に、家族の存在のありがたさってこの上のない幸せなんだなあと。

なんか自分の環境、家族との関係がこんなにも平和で、恵まれてるんだなあって思わされました。

このレビューはネタバレを含みます

凄味のある圧力とすっとぼけた愛嬌が同居する、ハーフの禅僧爺さんの壮絶人生を追ったドキュメンタリー。

個性的な家族が一同に会すシーンは、ミトワ家の波瀾万丈っぷりを集約。こんなこと言ったらむっちゃ怒られそうだけど、ヘタな映画よりもドラマティックでエンタメ度の高い一家団欒でした。次女のおばちゃん面白すぎ。

オープニング初め、テンポの良いセンス光る編集が見易かったです。
あと遺体をもがっつり映すのすごい。(それを許される関係性が)
若かりし頃のミトワさんを描く再現Vパートはバラエティレベル。ここはあんまり重要視しなかったのかな?

禅僧つっても聖人君子とはかけ離れていて、齢を重ねても強情で自由気ままで自己中心的でユーモアと煩悩に溢れるミトワさんはめちゃくちゃ人間臭くって、なんだか一休さんみたいだなと思いました。
【映画作るのも骨が折れる、、】

序盤の気合いの入ったデザインと耳心地の良い仲村トオルのナレーションに誘われて、気が付けば大変な長旅をして遠い所まで来た感覚。
娘の静さんがドキュメントの真骨頂。
嫌いと思えば思うほど似てくる親子のサガ。
母親、妻、娘、、なんだか女性陣が特に大変だったように思えてひたすら切なかった。

登場映画
『動天』
『ヘンリの赤い靴』

2021/10/30Amazon Prime Video
Pon5

Pon5の感想・評価

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煩悩むき出しのクソジジイ感がたまりません。想像とは真逆の禅僧ドキュメンタリー
ヘンリ・ミトワの人生、生き様を描いた映画。戦前、戦中、戦後を日米のハーフとして両国の狭間を生き抜き、禅や茶道、華道、陶芸、絵画、そして映画と実に多才な人だった。ドキュメンタリーを軸にドラマやアニメを組み込むなど面白かったが、監督の若さゆえかところどころエゴと作為を感じたのがドキュメンタリー映画としてはとても残念だった。
鈴木大拙系の人の話かと思ってたら全く無関係のとんだ生臭坊主の話でした。
日本にもアメリカにもどこにも居場所がなくて寂しい人だったんだろうな、とは思う。でもその寂しさを突き詰めることなく中途半端な場所で暴発させてばかり。何をやってもとりあえずのそれっぽい形は作れてもそこである程度満足して止まって極めることができず他のことに逃げてしまう人。禅僧とは名ばかりで悟りとは程遠い人。悟りとは程遠いのに異形のものなので異物感からの特別扱いでなんとなくそれで許されて結果お寺でもやっぱり居場所がないの残酷だなとも思う。でもその残酷さに甘えてるのも本人だからしょうがない。

家族に対する毒っぷりが祖父や父を思い起こさせるものがあってキツかった…母親の手紙の愚痴愚痴愚痴の羅列聞かされると毒親の連鎖だともわかるので更にキツい。救いはお子様たちがそんな父の姿を反面教師にして真っ当に育っていると少なくともこの映画の中で編集された中では感じられるところですかね…

自分を見つめることから逃げて色んなことやろうとして、でも何かを極めるためには自分を見つめ直すことが必須になるのでその段階に差し掛かるとまた逃げて他のことに興味を持ってというやり散らかし方をし続けるのは苦しいんだろうなとは思うんだけどその苦しさを周囲に撒き散らすのは違うので、はた迷惑な人が死んでよかったですね、と毒親持ちの仲間としてはお子様方には声かけたいですよね。親が(できるだけ私により多く有益な遺産が残る形で手を煩わせることなく)死ぬことしか望んでないですもんね私も。

最近のウエンツ瑛士は悪い意味でこの人と似てきている気がするので、彼を反面教師として役者として大成して欲しいなと勝手ながら思いました。
panc

pancの感想・評価

3.8
禅と骨か…ズシリ骨に来る家族ドキュンタリー。親と子。日本とアメリカ。過去と現在。戦争と平和。ヘンリさんがフィルムに残したかったのは何だったんだろう…。
アメリカ人とのハーフである禅僧のドキュメンタリー。

通常のドキュメンタリーシーンだけでなく、再現ドラマやアニメシーンなど、盛り沢山な感じでした。

戦中は日本でもアメリカでも適性外国人としての扱いを受けつつも、戦後まで生き残り、日本文化を愛しながら最後まで自身の夢である映画制作に向かっていく感じが、多分監督もこの作品を作ろうって思ったきっかけなんだろうなぁとか思いました。

また、家族を大事にしつつも、家族からは独裁者といわれ、また母親のために映画を作るといいつつも、母親が生きている間は日本に戻らなかったというアンビバレントな感じも、どこか日本的な仏教っぽさを感じました。

波乱の生涯を送った禅僧が、生まれてから骨となり、死後に夢を叶えるまでの重厚なドキュメンタリー作品でしたので、好き嫌いはあるかもしれませんが、こういう作品もたまにはありだなと思いました。
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