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ハリー・ポッターと死の秘宝 PART2のショーのレビュー・感想・評価

4.6
葛藤の裏には優しさがある。

【感想】
戦いのシーンが多くてめちゃくちゃ盛り上がる一方、
最後が駆け足になりすぎて、モヤモヤが残ってしまう。
ヴォルデモートを倒した後、変に喜びをあらわにせず、まだ頭と現実が追いついていない感じの演出は良かったけど、その後が端折りすぎていたので、もっと見たかった。
ダンブルドア先生を初め、亡くなった魔法使いを弔うシーンがあっても良かったと思う。
とは言え、「ハリー・ポッター」の最後を迎えたという達成感と悲しさが入り混じり合って感動したのは事実である。
映画館で再上映された際は、見に行きたい。

今回一番フォーカスを当てた人物は、
第一作から登場しているスネイプ先生と、ドラコ・マルフォイだと思う。
この二人は1作目から敵役感を漂わせていたが、最終的に本当は優しい心を持った人だと感じた。
スリザリンに選ばれたからには、ヴォルデモートに忠誠を誓うことが運命であり、彼の恐怖から従わざるを得ない二人。

ホグワーツを裏切るが、ハリーとその母親のリリーのことを常に思っていたスネイプ先生。
1作目からずっとハリーが悪さをしないように、先生として注意していたことを思い出すと、スナイプ先生の死はとても悲しく感じる。

いつもハリーに敵対心を持ち、ちょっぴりイジワルなマルフォイ。
彼はハリーの不幸を喜んではいたものの、決してハリーを殺そうとは思わなかった。
臆病者だけど、それは優しさから来ているものだと感じた。
最初はスリザリンに入って偉大な魔法使いになって、両親を喜ばせたい気持ちがあったのだろう。
だけど、入学直後に「ハリー・ポッター」という自分より有名な人が現れて、嫉妬していたんじゃないかな、と思う。
ハリーが「ハリーポッター」という名前ではなかったら、純粋に友達になれていたのかもしれない。
彼は根っからの悪者ではないからだ。

2025年 18作目
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