修道士は沈黙するの作品情報・感想・評価(ネタバレなし)

「修道士は沈黙する」に投稿された感想・評価

TS

TSの感想・評価

3.4
いろんな風に解釈できる作品。
私自身は正直難しかったです。世界経済を牽引していく各国の重鎮達がなんと不完全で危ういことか。寡黙で常に人を冷静に見ている修道士と重鎮達の対比が面白い。
開明獣

開明獣の感想・評価

4.2
この作品の内容に関しては黙して語らない。それは、私がこの作品から受けた告解のように。

イタリアの思想家の賢人は、古来から数多く存在する。有名どころを列挙すれば、神学のトマス・アクゥイナス、今でも読み継がれている「自省録」で有名なマルクス・アウレリウス・アントニヌス、誰もが知るレオナルド・ダヴィンチ、現代に通ずる古典「君主論」の著者ニコロ・マキャベッリ、マルクス主義のアントニオ・グラムシ、ローマ時代のホモ・サケルを現代で解き明かしたジョルジュ・アガンベン、新たな帝国の定義を打ち立てたアントニオ・ネグリ、などなど綺羅星の如く立ち並ぶラインアップに堂々と名を連ねることの出来る人物が、ウンベルト・エーコである。

この「薔薇の名前」や「バウドリーノ」の著者としても知られる碩学の記号学者は、その博覧強記ぶりにものを言わせて縦横無尽にテクストを連関させるメタフィクションの達人であったのだが、本作品は、まるでエーコの小説を読んでいるのかのようであった。

監督自身は、インタビューで「難しく考えず、一人の生身の男対巨大な権力の話しとして楽しんでよ。西部劇みたいにね。」と話しており、それは確かにその通りだが、各シーンを鑑賞者が多様に解釈して楽しめる設計になっているようで、とても楽しい。

ポストモダン的な解釈では、作品の最終的な価値は鑑賞者の判断によるものとして、自在な読み方を推奨してきた。例えば、古典である「方丈記」を現代の中でどう読み解いていくのかも、その一例であろう。ともすれば、極端、もしくは突飛な解釈すら容認してしまうポストモダニズムは、言葉遊びが過ぎるということで、今では一旦収束しつつある思想体系ではあるけれど、芸術と娯楽の中心に位置する映画という表現媒体を通して、今でもかような諧謔と時に晦渋な意図に満ちた作品があるのは興味深いものがある。

音楽を、「ライフ・イズ・ビューティフル」でオスカーを獲っているニコラ・ピオヴァーニが担当しており、とても美しい調べを聞かせてくれる。ともすれば、大量生産型と揶揄されがちなピオヴァーニだが、この作品では旋律ときちんと対峙しているように思える。

劇中では、シューベルトの「冬の旅人」から最終曲、「ライアー回し」が使われ、エンディングでは、有名な「楽曲の興の3番」が流れるが、これがどういう意図を持つのか想像してみるのも愉しかろう。

言うまでもなく、多義的な解釈の出来るものが、必ずしも優れているという訳ではない。それは一神教と多神教のどちらが優れているかを論じるくらい馬鹿げて意味のないことだ。

一寸の隙もない、荘厳で堅牢な大伽藍のような建築物も美しいが、また一方、張り巡らされた蜘蛛の巣が視点によって、その姿を変えるように、カレイドスコープのような作品もまた楽しくもあるということだ。
ミルコ

ミルコの感想・評価

4.0
トニ・セルヴィッロの素晴らしい演技。
犬と同じようにPadreについて行きたくなった。
Essini

Essiniの感想・評価

3.8
経済vs人道をめぐるおとぎ話。ハイリゲンダムでのG8サミット前夜、IMF専務理事ロシェは修道士サルスと絵本作家クレア、ロックスターの異色の三人をゲストに招く。サルスに告解を求めたロシェは翌日、ビニール袋で窒息死した姿で発見される。殺害容疑を駆けられてもサルスは沈黙の掟に従い、告解の内用を秘す。

一向に動じないサルスに光を見るのか、やがてG8決議事項の重責に耐えられない大臣もサルスに告解し、クレアを助手(?)として決議が揺さぶられ、ロシェの死の真相も明かされる。

「『沈黙は真の自由だ』という言葉は君にお似合いだよ。経済破綻したある国の、詩人の言葉なんだけど」

という台詞の皮肉さよ。この皮肉がすぐにわかるかどうかで映画の味わい深さも違ってくるかと。

アンドー監督作はミステリー調の作品でもトーンが一貫して上品だなと思います。コミカルかつ寓話的なシーンもいくつかあって、黒犬が良い仕事をしてました。新しい主人に与えられた名前ベルナルドは、シトー会の聖人から取られた名前かな?修道士と犬に丸くスポットが絞られて終わるラスト、なんだか懐かしさすら感じる。
タイム

タイムの感想・評価

3.8
光と影、善と悪などビジュアルだけでなく、登場人物も対照的な立場や考えを持つストーリーでした。

認知度は低いですが、私自身は映像も、ストーリーも好きでした。動きや映像のバランスが素敵でした。

少し笑みが出てしまう、キュートな場面もあり、大人の映画です。

実際に貧富の差が世界中どんどん広がる時代に、このままで良いのかと考えてしまう作品でした。
今更ながら、2018年の鑑賞作品の整理として。

なんか、イマイチ盛り上がりに欠けた感じだったような。

2018年に劇場で観た映画の中で94位(148本中)です。
本数は新作、および準新作の劇場鑑賞本数で、複数回鑑賞も1本で計算しています。
って、誰にも関係ないことですが、自分ルールとして。

(2018/07/01 シアターシエマ 2D 字幕)

わんちゃんが野生を取り戻すシーンとわんちゃんが追いかけてくるシーンしか好きなところないんだけど、どういうことか。

でも、訳もなく「数学者」という響きに惹かれるのは私だけじゃないはず。
miyu

miyuの感想・評価

4.0
うーん。
正直、キリスト教的なものは ワタシには、全くと言って良いほど、よくわからないですが…
善悪の観念と… 何が、この世の中において大切なのかは…
それは 日々 考えたりしています。。。←一応、宗教に携わって生きていますので…でも ワタシには それが 何かなんて
言える立場でもないし…
自分が出来る事なんて 正直しれています。。。

トニ セルヴィッロさんは、『ローマに消えた男』(←コレ 途中までしか見てない映画💦)のひとらしいんですが…
名演技ですねぇ✨

まず 告解…って 言うものが ウチの宗教にはないもので…
(いや、勿論 今までいろんな映画を見ているので 告解の事は周知しております!)

ウチとは宗教的には異なりますが…
告解で聞いたことを 絶対に 黙して語らない…
コレ すごい事ですよねぇ。。。
ある意味 解脱して 悟りの域に達していないと 難しい事だと 本当に思います!!!

ワタシなんか 無理やゎ〜😅💦

この映画、宇都宮に住んでいる映画友達がワタシの住んでる京都に昨年の春、遊びにきた時に上映していて…
「何か、映画見る?」…って 話なり、
この映画と、『ナチュラルウーマン』のどっちにしようか…悩んだんです。。。
結果 『ナチュラルウーマン』になり 映画館で 本作見損なったわけなんですが…
彼女は、メジャー映画大好きな人なんで
ミニシアターに行った…って 事に満足していたから 結果 良かったの。。。

今 本作見て あーぁ この映画 チョイスしたら良かったなぁ〜
って チョット 思っちゃいました。。。

絵を描いて教える修道士の姿…

含蓄のある言葉…

また 自分に足りない部分を 映画から
教わるワタシでした(笑)
ろっち

ろっちの感想・評価

3.8
G8の財務相会合がドイツで開かれる。
今回の内容は、発展途上国にとって経済的な大打撃を与えるような決定を下すものである。
国際通貨基金のロシェ専務理事は8カ国の財務大臣8名と異色の、ロックスター、絵本作家、修道士の3名をゲストに誕生日会を開く。その後告解をし、そして謎の死を遂げる。色々あって(笑)告解の内容を巡り、G8メンバーは振り回されていく。ってあらすじ。
内容が内容なだけに少々難しいが、途中途中で、告解の内容を小出しにするので、酷く難しくは無いと思う。
イマイチ盛り上がりにかける感じですが、面白かったです!ラストの犬はイイ。
まぁ多くは語るまい(笑)
かわいそうな修道士の話なのかと思ったら、少年漫画の主人公かと思うほど最強の修道士だった。
シリーズ化できそうなくらいのキャラ立ち!

政治経済に疎い+理解が及ばず内容がちょっと難しかった。

映像が静かで美しく良かった。
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