修道士は沈黙するの作品情報・感想・評価・動画配信

「修道士は沈黙する」に投稿された感想・評価

kanko

kankoの感想・評価

3.8
とても面白かったのですが難しかった。
まずG8の人の大臣がどの人がどの国の人なのか、ホテルの人とか警察?含め。後、決定しようとしていた政策が今ひとつ分からなかった。はっきり知りたい、私が理解しきれてないだけ?

にしてもミステリー作品としてもとても楽しめました。ワンちゃんも良いよね。

日本の大臣?と思われる人の前で修道服を脱ぎ出して泳いだのは何か意味があるのかどうなのか?(笑)

ミモザフィルム見放題配信パックにて

このレビューはネタバレを含みます

吹き替え版があればもう1回観たい
ロシェなりの告解
沈黙を貫く修道士
数式で勘づく財務達だが修道士の熟考のセリフは痺れました
終盤のあの場面は、どういうことかよくわからなかったがかっこよかったし、犬と修道士が円に収まる編集は、懐かしさがありました
TS

TSの感想・評価

3.4
いろんな風に解釈できる作品。
私自身は正直難しかったです。世界経済を牽引していく各国の重鎮達がなんと不完全で危ういことか。寡黙で常に人を冷静に見ている修道士と重鎮達の対比が面白い。
開明獣

開明獣の感想・評価

4.2
この作品の内容に関しては黙して語らない。それは、私がこの作品から受けた告解のように。

イタリアの思想家の賢人は、古来から数多く存在する。有名どころを列挙すれば、神学のトマス・アクゥイナス、今でも読み継がれている「自省録」で有名なマルクス・アウレリウス・アントニヌス、誰もが知るレオナルド・ダヴィンチ、現代に通ずる古典「君主論」の著者ニコロ・マキャベッリ、マルクス主義のアントニオ・グラムシ、ローマ時代のホモ・サケルを現代で解き明かしたジョルジュ・アガンベン、新たな帝国の定義を打ち立てたアントニオ・ネグリ、などなど綺羅星の如く立ち並ぶラインアップに堂々と名を連ねることの出来る人物が、ウンベルト・エーコである。

この「薔薇の名前」や「バウドリーノ」の著者としても知られる碩学の記号学者は、その博覧強記ぶりにものを言わせて縦横無尽にテクストを連関させるメタフィクションの達人であったのだが、本作品は、まるでエーコの小説を読んでいるのかのようであった。

監督自身は、インタビューで「難しく考えず、一人の生身の男対巨大な権力の話しとして楽しんでよ。西部劇みたいにね。」と話しており、それは確かにその通りだが、各シーンを鑑賞者が多様に解釈して楽しめる設計になっているようで、とても楽しい。

ポストモダン的な解釈では、作品の最終的な価値は鑑賞者の判断によるものとして、自在な読み方を推奨してきた。例えば、古典である「方丈記」を現代の中でどう読み解いていくのかも、その一例であろう。ともすれば、極端、もしくは突飛な解釈すら容認してしまうポストモダニズムは、言葉遊びが過ぎるということで、今では一旦収束しつつある思想体系ではあるけれど、芸術と娯楽の中心に位置する映画という表現媒体を通して、今でもかような諧謔と時に晦渋な意図に満ちた作品があるのは興味深いものがある。

音楽を、「ライフ・イズ・ビューティフル」でオスカーを獲っているニコラ・ピオヴァーニが担当しており、とても美しい調べを聞かせてくれる。ともすれば、大量生産型と揶揄されがちなピオヴァーニだが、この作品では旋律ときちんと対峙しているように思える。

劇中では、シューベルトの「冬の旅人」から最終曲、「ライアー回し」が使われ、エンディングでは、有名な「楽曲の興の3番」が流れるが、これがどういう意図を持つのか想像してみるのも愉しかろう。

言うまでもなく、多義的な解釈の出来るものが、必ずしも優れているという訳ではない。それは一神教と多神教のどちらが優れているかを論じるくらい馬鹿げて意味のないことだ。

一寸の隙もない、荘厳で堅牢な大伽藍のような建築物も美しいが、また一方、張り巡らされた蜘蛛の巣が視点によって、その姿を変えるように、カレイドスコープのような作品もまた楽しくもあるということだ。
ミルコ

ミルコの感想・評価

4.0
トニ・セルヴィッロの素晴らしい演技。
犬と同じようにPadreについて行きたくなった。
Essini

Essiniの感想・評価

3.8
経済vs人道をめぐるおとぎ話。ハイリゲンダムでのG8サミット前夜、IMF専務理事ロシェは修道士サルスと絵本作家クレア、ロックスターの異色の三人をゲストに招く。サルスに告解を求めたロシェは翌日、ビニール袋で窒息死した姿で発見される。殺害容疑を駆けられてもサルスは沈黙の掟に従い、告解の内用を秘す。

一向に動じないサルスに光を見るのか、やがてG8決議事項の重責に耐えられない大臣もサルスに告解し、クレアを助手(?)として決議が揺さぶられ、ロシェの死の真相も明かされる。

「『沈黙は真の自由だ』という言葉は君にお似合いだよ。経済破綻したある国の、詩人の言葉なんだけど」

という台詞の皮肉さよ。この皮肉がすぐにわかるかどうかで映画の味わい深さも違ってくるかと。

アンドー監督作はミステリー調の作品でもトーンが一貫して上品だなと思います。コミカルかつ寓話的なシーンもいくつかあって、黒犬が良い仕事をしてました。新しい主人に与えられた名前ベルナルドは、シトー会の聖人から取られた名前かな?修道士と犬に丸くスポットが絞られて終わるラスト、なんだか懐かしさすら感じる。
タイム

タイムの感想・評価

3.8
光と影、善と悪などビジュアルだけでなく、登場人物も対照的な立場や考えを持つストーリーでした。

認知度は低いですが、私自身は映像も、ストーリーも好きでした。動きや映像のバランスが素敵でした。

少し笑みが出てしまう、キュートな場面もあり、大人の映画です。

実際に貧富の差が世界中どんどん広がる時代に、このままで良いのかと考えてしまう作品でした。
今更ながら、2018年の鑑賞作品の整理として。

なんか、イマイチ盛り上がりに欠けた感じだったような。

2018年に劇場で観た映画の中で94位(148本中)です。
本数は新作、および準新作の劇場鑑賞本数で、複数回鑑賞も1本で計算しています。
って、誰にも関係ないことですが、自分ルールとして。

(2018/07/01 シアターシエマ 2D 字幕)

わんちゃんが野生を取り戻すシーンとわんちゃんが追いかけてくるシーンしか好きなところないんだけど、どういうことか。

でも、訳もなく「数学者」という響きに惹かれるのは私だけじゃないはず。

このレビューはネタバレを含みます

G8財務相互会に、各国の経済担当大臣が集まり、国際通貨基金のロシェ専務理事と共に、会合を開く予定だった。またそこには、ロシェが強く希望して招待した作家が三人おり、その内の一人が、厳格なイタリア修道士であるロベルトだった。
ロベルトは、皆でロシェの誕生日を祝ったその夜、彼に部屋に呼ばれ、告解をして欲しいと頼まれた。そしてその翌日、ロシェは頭に袋を被った状態で死んでいた。
自殺なのか他殺なのか判然としない。しかし、会合に集まった面々にとっては緊急事態だった。実は彼らは、国際経済の行く末を左右するある重大な決定をする予定でいた。ロシェ主導で行われたその計画には反対者もいたが、経済成長のためにはやむを得ないと、実行される予定だった。それが、ロシェの死によって揺らごうとしている。
彼らはもちろん、修道士から話を聞こうとした。しかし彼は、沈黙を貫く。ロシェがあの晩一体何を話したのか。その内容次第で、世界経済の今後が大きく左右されるのだ。
様々な思惑を持って、様々な人間が修道士に近づく。ロベルトは一体どう決断するのか…。
というような話です。

設定は実に面白い、と感じました。ただ、物語全体としては、ちょっとよく分からなかったな、と。扱われているテーマが世界経済であり、民主主義の根幹がうんちゃらとか、世界経済がなんちゃらとか、そういう話が結構出てくるので、難しかったなぁ、というのが正直な感想です。

これを書くことはネタバレになってしまうのかもしれないけど、結局ロシェを始めとした面々がどんな計画を実行に移そうとしていたのか、少なくとも僕には最後まで見てもイマイチ理解できませんでした。いや、もしかしたらちゃんと分かるように示唆されてたのかもだけど、経済に疎い僕にはちょっと分からなかったなぁ。「彼らがどんな計画を実行しようとしているのか」という部分も、物語の重要な核として描かれると思っていたので、ちょっとそこは肩透かしだったな、と思います。

なんとなく重要そうな場面というのは時々あるんだけど、結局それが何だったのか最後まで見てもよく分からなかったし、設定が魅力的だっただけに、ちょっと残念感がありました
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