イル・ディーヴォ 魔王と呼ばれた男の作品情報・感想・評価

「イル・ディーヴォ 魔王と呼ばれた男」に投稿された感想・評価

いち麦

いち麦の感想・評価

2.0
胡散臭い歴史上の大物を、神経質で陰鬱な顔で見せ、シニカルな台詞で聞かせる。シンメトリックな構図のカットが、静的で逆に嫌悪感を与える…巧いね。でも字幕で伝えられる限界を感じた。堪能しきれてない。
yonemako

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5.0
イタリアの現代政治の闇を描いた「イル・ディーヴォ、魔王と呼ばれた男」。7期も首相を務め、終身議員で94歳で没したジュリオ・アンドレオッティを描いた作品(映画の公開当時は存命)。彼の秘密を知りすぎた人間はみな消され、一人サバイバル。27の罪状で裁判にかけられながら、すべて「記憶にありません」で逆転無罪などと。面白すぎ、闇が深すぎて眩暈がしました。しかし50年にわたって与党の座にあった所属政党・キリスト教民主義は解体。映画の中でも度々名前が出てくる協力関係にあった社会党のクラクシ書記長は、裁判を逃れてチュニジアに亡命し、そのまま客死。

赤い旅団の名前は知っていたけど、右派のロッジP2(フリーメイソン系、ベルルスコーニもメンバーだった)は知らなかった。自らの政治生命を守るために右派組織を利用して共産勢力の仕業に見せかけ(ボローニャ駅爆破事件では85人が死亡)、マフィアを利用して、またバチカンの銀行を利用してローンダリング(銀行家ロベルト・カルヴィの変死)など、すべての犯罪がつながっている世界。闇が深すぎ、真っ黒すぎる。

赤い旅団がモロ首相を誘拐して殺害したのは有名だけど、この映画の中では、モロ首相が理想や真実を信じる「小者」であり、左派勢力に拘束され、政府と交渉の中でアンドレオッティが彼を見捨てたためと説明される。イタリアの現代史について興味がある人には必見の作品。
ルネ

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5.0
2008年の作品で、日本公開は2012年。 

『グレート・ビューティー』(2013年)というフェリーニっぽい傑作を手掛けた、パオロ・ソレンティーノ監督作品。

権力を利用して数々の犯罪に手を染めながら、長期間にわたってイタリアの首相を務めたジュリオ・アンドレオッティの実像を描いている。

1989年に公開されたイタリア系マフィアとイタリア政界、さらにバチカンとの癒着(とカルヴィ暗殺事件及びヨハネ・パウロ1世の「暗殺」)を扱ったアメリカ映画『ゴッドファーザーPARTIII』では、マフィアとバチカンと親密な関係がある政治家「ドン・ルケージ」の原型となった。

地味で猫背な大人しそうなおじさんで、とても淡々としていて激することもない。そんな男が暗殺し放題な現実の恐ろしさ。スタイリシュでなめらかな映像がとても美しい。

登場人物が多くて時間軸も前後するので最初混乱するが、そのカオス感がまた良かった。
Akira

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2.5
アンドレオッティに興味があって観たが、なんとも中途半端な作風という印象。
普段の顔を描いているわけでも政策や功績を描いているわけでもなく、何がしたいのか今ひとつわからなかった。
ただし導入と音楽はスタイリッシュで好みだった。
deco

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2.2
映画から歴史や政治を学ぶことが多いのだが、今作も非常に勉強になった。
そして、
「ゴッドファーザー」を見返したくなった。

映像、テロップの出し方とかがカッコ良かった。
風刺の効き具合も画面の華やかさも予想以上。もっと淡々とした語り口かとばかり。イタリアの政情についての知識が皆無だとさすがに厳しかったけど、それでも十分に楽しめた。音楽も粒揃いで好印象。
感想川柳「政治家が 力を持つと ほぼマフィア」

トニ・セルヴィッロが出てるので観てみました。_φ(゚Д゚ )

かつて魔王と呼ばれ、93歳となった現在も健在の元イタリア首相・アンドレオッティの半生を描く伝記ドラマ。確固として永遠に不変な権力に君臨し、多くの犯罪や汚職に手を染めながら決して裁かれることのなかった彼の本質とは?…というお話。


いくらイタリアとはいえ
政治家がここまでの力を持つことの怖さ( ´Α`)

都合の悪い人間をマフィアに始末させたり
あらゆる汚職に手を染めながら
裁判では証拠不十分で無罪( ゚A゚ )


なんか日本の現政権が可愛く見えますね(・ω・)(良いとは言ってない)

間違いなくオンドレオッティはサイコパスの類いでしょうね((゚□゚;))

自分の目的遂行のためには
極めて冷徹に行動する( ・ω・)


政治ものなのにマフィア映画を観てるような気分になります(^o^;

どこかのラグビー選手みたいに一回も笑ってなかった(´Д`)


トニ・セルヴィッロの演技も冴え渡ってます( ゚∀゚)

気になるセリフ
「愚直さと知性は共存する」

んでまず( ´∀`)/~~
山

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3.8
オープニングビンビン。「イライラ歩きより運動をなさって下さい」「運動が好きな奴は全員死んだ」
誉め言葉として何がしたいのか分からない。実在の政治家の醜聞騒動の諷刺画をスタイリッシュ且つユーモラスに描くのだが、明瞭なではない、この作家独特の天然ユーモアで語る。それも、事件を肯定も否定もせず、客と同じ立場ですらない独特さ。面白い
birichina

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3.5
内容を理解することは最初からあきらめトニ セルヴィッロの演技を見ることを目的に観たので、わりと堪能できた。
おどろおどろしいシーンより哀愁を感じるシーンがよかった。アンドレオッティという人物の心の孤独感と臆病な一面が とても伝わってきた。

気に入ったシーン
*まず、いつも肩をすくめているアンドレオッティの姿勢

*首相に再選されて(?) 執務室へ向かう途中、ペルシャ猫が通路をふさいでいて、猫を退かせようとするシーン

*秘書の年配女性に「背筋を伸ばして」と注意されるシーン(前半と後半にある)

*秘書とファニー アルダンの会話
ファニー: 危険な方と聞いていますが…
秘書: アンドレオッティは危険な人物じゃないわ あの人は危険を顧みない人です

*選挙に破れたのち、妻とテレビで見ている歌手のコンサートの歌詞

*秘書が退職前に、アンドレオッティ宛のラブレターの山(本人には見せていない)を処分するというエピソード (この年配秘書はアンドレオッティのマンマのような存在として描かれていると思う)

*検事(?)の男性が裁判とかで公の場に出る前にフサフサした白髪にスプレーをかけるエピソード