テキサスタワーの作品情報・感想・評価

「テキサスタワー」に投稿された感想・評価

タツキ

タツキの感想・評価

4.0
ドキュメンタリーの意地をみた。ある事件を多面的にやるんだったらここまでやらないとと思わされる、まさに本気かつエモーショナルにあの時起こった悲劇を描いてた。この間起きたラスベガス銃撃事件を考えると、とてもドキュメンタリー映画の一言では済まされない、そして済ましてない映画だった。痺れた。

このレビューはネタバレを含みます

事件を生きた人々の記憶 / 記録。
フッテージとアニメの巧みな綴折りによって悪い夢の中に紛れ込んでしまったかのような感覚を味わう。

その緊迫の始終に圧倒された。
良く出来た再現アニメと思っていたら、後半、よりドキュメンタリーの方へとシフトしてゆき、最後、妊婦だった女性の言葉に滝の如くボロボロだった。
愛の人。ゆえに最強の人。

暴力を引き起こすものがなんであるかはまた別の問題であると思う。
jnk

jnkの感想・評価

4.0
50年前の銃乱射事件をインタビューを基にロトスコープアニメで再現するという壮大な試みを高いレベルで達成してた。
ロトスコープでやるなら実写でやればいいのにと思ってたけど、映画を観るとその必然性がよくわかる。
終盤付近の映像を見て、アニメにすることで逆に本当にあった事件であることが強調される効果を確認できるし、確実にこんな悲惨なことがあったと伝えなきゃいけないから、証言者への配慮って部分も大きいのだと思う。

要は何人死んで何人が負傷した事件があったというニュース的な段取り説明ではなくて、被害者一人一人の人生がこれだけの数奪われたという話。
アニメの意味はここにもあって、それぞれの人生を生きたつもりになれる。それが奪われることを体感させる。
ラスベガスのもこの映画の事件も明らかに銃があったから起こった惨事だけど、「銃がなくても人を殺す手段はある」なんてことをこの映画を前に言えるかな。
さど

さどの感想・評価

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ラスベガス乱射事件のニュースで、観たかったのを思い出して鑑賞。
38度の真夏日、昼下がり。カフェテリアを出て、他愛もない会話を交わす幸せそうなカップル。空を割って行ったのは容赦のない弾丸。悲劇は突然やってくる。
本作で象徴的なのは、実写をトレースしたアニメーション技法であるロトスコープを使っていること。生々しい挙動を表しながら、その質感はのっぺりとしてどこか現実感がない。「リアルであるはずなのにリアルでない」「夢であってほしい」趣味の悪い白昼夢に放り込まれた人々の90分の過去をなぞるように、彼らの心情は豊かな色彩と飛躍により紡がれていく。そして、青い瞳がそのまま本人と重なっていくシーンでは、「やはり現実なのだ」とぞわりとしてしまった。
よーこ

よーこの感想・評価

3.6
日本じゃ銃乱射なんてほぼありえないけどアメリカじゃ日常茶飯事やもんなあ。

恐ろしすぎ。
Inori

Inoriの感想・評価

3.4
1966年に起きたテキサス大学タワーからの銃乱射事件を、アニメーションと絡めながら再現するドキュメンタリー。1人の男が90分に渡り通行人に乱射し続け15人の死者が出た事件だ。事件が起きたその時から当事者達の声を役者がアニメーションとして語りながら、まさにその場に自分が居るような気分になる、ちょっと変わった手法の映画だった。「自分ならどうしたか」と自分に思わず問いかけてしまう。

この映画を観たいなと思っていた矢先にラスベガスの乱射事件が起きて、いつまで経ってもこういう事件は起こるんだな、と寒気がした。
kaito.m

kaito.mの感想・評価

3.1
アニメーション、役者、本人すべてを駆使して表現するのは、単に退屈させないためだけの小手先の技法に見えてしまう。
完全に被害者視点であるので、なぜこのような事件が起きえたのか分からず。警察が無能だったのか、この時代では精一杯だったのかも分からず。教訓や問題提起も弱く、引っ張るわりには犯人には触れず、がっかり。
犯人はただのモンスターとしておいておいて、危険を犯して他人を救う人や犯人を許せる心をもった被害者をしっかり描いていることから、本作のテーマは人間讃歌なのかもしれない。ちょっと釈然としないが。
人非人

人非人の感想・評価

1.0
実写パートとアニメが互いの良いところを殺し合ってる。アニメで当時の若いままの目撃者たちが語っていたと思ったら、年取った現在の実写姿に切り替わったりして、節操ない。
1966年8月1日にテキサス大学で起きた銃乱射事件だが、そんな説明はあとで読めばよい。感じるべきはその映像だ。実写を部分アニメ化し、ノイズをそぎおとしたシンプルなラインは、おどろくほどのリアリティをもって、ぼくたちの肌に触れて来るものだから、38度の炎天下でコンクリートに伏せたままで動けなくなりながら、何が起こっているのかわからないまま、遠ざかる意識を感じているものと、それを見ているものと、そこに駆け寄るものと、その周りで動き始めるものが、なにか渾然としながら恐怖のタワーのまわりをまわってゆく、まさにその時間イメージが、ここにはあるのである。
守株

守株の感想・評価

4.5
犯人の姿は見えないまま塔から降ってくる弾丸、50年前の記憶、テキサスの真夏の真っ昼間の日差し、焼けるアスファルトに寝転んで見上げた青すぎる空、危険もかえりみず駆け寄る女性の赤い髪、お腹の中の動かなくなった赤ちゃん…あらゆる意味での「現実感のなさ」と、ロトスコープという表現方法がぴたりと一致している。当事者の声を敢えて当時の年恰好で再現する、というのも見事。すべてを包むモヤを突き破って自分のなすべきだと思ったことをなした者の尊さと、その後の無力感と、それでも残るもの。ドキュメンタリーというより、昨今隆盛を極める「最後にご本人が登場するアメリカ実話物映画」の決定版、すごい映画でした。
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