ぼくは歩いてゆくの作品情報・感想・評価

「ぼくは歩いてゆく」に投稿された感想・評価

何も悪いことをしていない、ただみんなと同じように学校へ行ったり働きたいだけの男の子なのに両親が出生届を出しておらず戸籍がないために、仕事も学校へも行けない。
それでも家計を支えるために働き口を探し歩き、身分証を取るために役所に何度も足を運ぶ。

観ていてすごく辛いし怒りさえ覚えた。
こんなことあっていいの?!って何度も憤りを感じたし、少年の涙が頭に焼き付く。
そしてこの両親がとことん屑で、揃って薬物中毒。学校へ行けない子供が必死になっていても他人事のようで放置。
薬も子供に買わせるし、仕事をもらうために少年が借りたタイプライターも薬欲しさに勝手に売ってしまう。
「お父さんが働けばいいんだ」って少年が泣きじゃくりながら必死のお願いをしても、考えようともしない。
これがフィクションではなく本当のお話ってのが信じられないし、悔しい。

実はこれ、主人公を演じる少年に実際に起きた話を本人に演じさせてる作品。
なので、主人公もクズ両親も実際の人物が自分達を演じてる。
彼らが演技をしてる時に監督はいきなり質問をしたりして、演技から素になって監督の質問に答えるシーンもたくさんあった。
すごく不思議な手法の作品だったけど、それがなんともリアル。

唯一の救いが、この撮影後に少年は監督の働きで無事に戸籍と名前を手に入れることが出来て、学校へも行けるようになったこと。
両親も薬中のリハビリ施設に入って社会復帰できたらしい。

仕事を求めて街をさ迷ってた少年を監督が偶然見つけて映画化されたこの作品。
この2人が出会って本当に良かった。
riekon

riekonの感想・評価

4.0
親が戸籍をとってあげなかった為に
学校に行けないし身分証もないから働きたくても断られる…。
9歳なのに親に頼らず(親がダメだもんね…)
役所やお店で懸命にお願いをするシーンが何度も出てきて涙が出てくるよ。
最後の笑顔は上手くいったんだよね??
そうあって欲しい。
この作品は主役の彼の実体験を基にして作られてこの映画の後戸籍と身分証を取得できたんだって!良かったよ〜。 ​
ヤク中の父親が兵役を逃れるために役所へ行くことを避けたせいで、本当の名前も戸籍も持たぬまま育ってしまった少年ファルハード。
学校に通えない彼は家計を助けるため、働き口を求めてひとり街を歩いてゆく…。

いきなりケーキをパクついていると思ったらせかせかと食べ終え、振り向いて「食べたよ」。そこはケーキ屋で食べていたのは店主が恵んでくれたケーキだったのだが、ケーキなんかより少年は仕事が欲しいのだ。
また、楽しく遊んでいると思ったら留置場の中だったりして…まったく、何て少年時代! 何てクソ親父! と思わざるを得ないのだが、俺がこの映画で一番感動したのはこの親父の駄目さ加減だった。
息子が他人様から借りていたタイプライターを、クスリ欲しさに勝手に持ち出して売っ払っちまうんだが、そのあとの取り返し方が最低で最高!
本当にどうしようもない人間だが、正真正銘この子の父親なんだろうと信じることが出来ました。
Tyga

Tygaの感想・評価

3.2
戸籍のない少年、ファルハード9歳。
戸籍がないから学校にも行けず、働くのにも苦労する。
両親は薬物中毒で、隣の女の子も学校に行けなくなって……みたいなお話。

イランのお約束のセミ・ドキュメンタリー形式なのだが、キアロスタミとかと比べると、少し美しさは落ちる気がする。
インタビューが唐突に挟まるのは、何だかなあと少し思ってしまった。
それだけこの現状を知って欲しかったのだろうけど。

戸籍がなくて、名前もなかったファルハード役の少年は、この後戸籍を所得して、正式にファルハードくんになったそう。
嘘から出た真実が面白い。
この世に生を受け当たり前に与えられるものが与えられない現実。

日本という国で生きている限り、世界規模での日常を把握し理解することは不可能なのだと思う。

このような作品を観たところで、日本で過ごす日常によって日に日に忘れ去られていくのだ。
現に私はすっかり忘れていた。

ジャリリの作品は本当に胸に刺さる…
nori007

nori007の感想・評価

3.3
アジア周辺を旅していると、貧しい子どもたちにたくさん出会う。
その子たちは一様に、笑顔もみせることなく人に甘えるということも一切ないので子供らしさが全く無い。どうしてそんな事になってしまうのか?その一つの例がこの映画の中にあります。ここに出てくる話は主人公である少年の実体験を基に作られたドラマなのだから。

根本は国の混乱の影響でこうなってしまったのかもしれない。しかしそれにしても両親は人としてダメすぎる。そのしわ寄せは子供たちにふりかかり、一家を支えるために子供が働かなくちゃならないという。。。
日本の小学生なら誰からも可愛がられる存在だというのに、この主人公の場合は子どもというのがネックになってしまって働くことが出来ない。学校にも行けない。そもそも戸籍が無いので存在すらしていないことになっている。

もちろんどうこうすればいいと簡単に言える問題じゃないけれど、世界にはこういった人たちの方が圧倒的に多いのだし、我々はたまたま日本に産まれてラッキーなだけというのを肝に銘じておきたい。
oqmr

oqmrの感想・評価

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革命の混乱後に生まれた少年は父親が出生届を届けず、戸籍を持たない言わば存在しない人間。父親は無職で少年が働いて家族をやしなっているが、IDが無いので合法的に働くこともできないし、学校にも当然いけない。そんな実在する少年に監督自らカメラを向け、少年と問題を見つめる。
貧しいが豊かな心をもっている少年がどう生き、成長していくか。最後に感動付きです。