瘋癲老人日記の作品情報・感想・評価

「瘋癲老人日記」に投稿された感想・評価

文豪たちの昭和

性なる、生なる、聖なる老人の最期を見届ける。
若尾文子の悪女ぶりはこれまで観た中で最強かも。
甘味

甘味の感想・評価

3.6
色ボケ爺を手玉に取って金を巻き上げるSっ気たっぷりな文子様が最高。衣装がどれも素敵で、特に肩出しドレス姿のなんとまぁセクシーで可愛いことよ。そら爺の寿命も延びるわ。
仏足石の足型取るシーンがアホみたいに長くて主演の二人と一緒に観てる方も疲弊。(なんとなくノスタルジアの温泉チャレンジシーン思い出してしまった)
幸福感と悲壮感入り混じるラストシーンが滑稽の極みで、なんとも言えない気持ちになりながらもフフフと笑っちゃいましたな。
若尾文子の足にすがりつくたび尊厳を破壊されていく山村聰。
普段の振る舞いが威厳あるだけに無様。

足の跡を取るシーンに至っては尊厳ゼロで滑稽の極みだが、そこからラストシーンまで謎の幸福感で溢れる。
「庭にプールを作ってくれたら泳ぐの見せてあげるのに」
「年寄りのくせにネッキングなんて贅沢よ」

死期に近づくほど脚への情熱(フェティシズム)が募っていく。仏足石か、勉強になった。家族も意外と理解があって、医者に「患者の異常性欲がその生命を支えているのかも」と言われる始末

足の拓本を取るシーンが長く、山村聰と若尾文子の体力の消耗が見る側にも感じ取れて、「拓本キレイに取れてよかったねおじいちゃん!」って思えた

映画はプール完成前で終わってしまったけれど、文子様が泳ぐ姿をおじいちゃんは存分に楽しめたのかしら

予告編では「『鍵』よりも異常性欲」とあったが、それは盛りすぎではなかろうか

タイトルだけで増村保造監督かと思っていたけど、木村恵吾だった。そつなく撮るというのが木村恵吾の印象だけど、山村聰と若尾文子だけでなく脇役もお見事で、このキワモノ文芸大作をキレイに整えた感じ(特にラストの拓本を眺めるシーンなんて、とても優しい)

増村版が見たいと思わないでもないけど、木村恵吾だからこそこんなに優しい映画になったのだな
とにかく若尾文子が凄い
共演で年上の山村聰の顔を蹴り上げたり、顔に唾を吐きかけたり、よくこんな女王様みたいな役引き受けたよねっていう(流石に疲れや戸惑いが見える気がする)
その山村聰も若尾文子の脚をベロベロ舐めまわしたり、なんていうかディープな世界を熱演していて...

谷崎潤一郎のヤバすぎる物語を演るっていうのは、ものすごいキツそう...
まぁ観てる分には何だかんだ、もはや笑っちゃうけどって感じ
瘋癲?なんて読むのだ?
かんしゃく、癇癪、違う。
てんかん、癲癇、違う。
あつかん、熱燗、んな訳ない。

チケット売り場で、
「大映の次の回のヤツ一枚」
「ふうてん老人日記ですね」
ふうてん、フーテン?
調べてみると、無職という意味の他に、精神疾患なんて意味もあるんだと。

映画史に残るベストシャワーシーンは「サイコ」だと思っていたが、比肩するかというインパクト。
ノーマン・ベイツの刃より鋭い口撃と足蹴のしつこい応酬には腸捻転寸前で最高。

谷崎作品をまともに読んだことはないが、こんなコメディタッチで有ろう筈はない。
軽快なリズムやテンポにいつまでも見ていられる楽しさ。
日に日にエスカレートする筈の行為が、ネッキング(ネックハンギングツリーに非ず)と空中キッス止まりのお預けに嗚呼無情。
そんなプレイ代がcat's-eyeなんて非道い。
老人の一向に満たされない性欲がとっくに止まっていてもおかしくないハートビートを促す愚かさよ。

墓場探しの旅となる京都編が一転麗しやと思わせておいて、仏足石まがい朱墨版採りのハンドリングシーンの長さにウンザリ。
発声可能上映なら"もうええわ!"と声が飛ぶに違いない。

先日見た、本作より僅か3年前の作品では、颯爽としたナイスミドルを演じていた山村聰が醜いドM老人の赤ちゃん返りまでをも熱演。
若尾文子のイケズなヒールぶりには誰もがいぢめられたいと願う事だろう。

2018劇場鑑賞39本目
原作を良く再現出来ていると思います。
あややのコロコロ変わる美しく華やかな衣装たちも見所。
老人(山村聰)と老婆(東山千栄子)には、息子(川崎敬三)の嫁(若尾文子)がいる。
老人は嫁を溺愛しており、足(膝から下)を揉むから始まり、嫁がシャワーを浴びている最中に出してきた足を舐めて転がり回ったり、足の指まで舐めたり、と変態的。 
段々、若尾文子が「女王様」で、山村聰が「しもべ」の構図となり、強欲美人嫁の若尾文子のいいなりにどんどん金を出す老人。(一方、実の娘には金貸さない極端さ。) 
若尾文子の「私の言う事なら何でも聞く?」→山村聰「なんでも聞く」というセリフが二人の関係を顕著に示している。 

終盤、お釈迦さまの歩いた跡を意味する「仏足石」の説明を老人が嫁にして、「君の仏足石を作る。僕の墓にそれを置いて、僕はさっちゃん(嫁)の足の裏の下で永遠に安らかに眠ることができるのさ」と若尾文子の仏足石を取りまくる。
そして……。


若い美人女性に対する老人の異常性欲を描いた映画だった。
77年生きたところで、食欲と性欲はまだ尽きない。欲情を感じる息子の嫁に、ナメクジのようにあしらわれても、喜んでしまう老いた命。駄々っ子のように、気違いのように、高鳴る血のひびきを求め、母性と魔性の言いなりとなって、足元を這う瘋癲。「おじいちゃんのくせに生意気よ」と、若尾文子に魅了される。
若尾文子がボケたエロじじいをたらしこみ、あしらうそんな映画です
こんな美しいドSの若尾ちゃんになら踏まれたいというのはわからなくもない
こういう役やらせたらやっぱり上手い!そしてファッションショーのように、くるくると鮮やかに衣装が変わるので見ていて楽しいです
この頃の若尾ちゃんホント美しさの極みって感じで、目が離せないくらい良かった!
山村聰もそれをさらに引き立てる実に情けない役で、老人の、男の哀しさの体現見事でした!
考えてみるとちょっときわどく生々しい内容なんだけど、どこか笑えるそんな楽しい作品でもありました
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