人間の時間の作品情報・感想・評価(ネタバレなし)

人間の時間2018年製作の映画)

인간, 공간, 시간 그리고 인간/Human, Space, Time and Human

上映日:2020年03月20日

製作国:

上映時間:122分

3.0

「人間の時間」に投稿された感想・評価

タツキ

タツキの感想・評価

3.5
寓話ってことなんだけどあんまり面白くはないかな。暴力が発動されるのが早いのは、地上から船が離れようが、元々世界の真実ってこれだったろということでもあると思う。基本的にむき出しの世界を描いてきた作家。
unO

unOの感想・評価

2.0
軍艦でのクルーズ旅行に参加した日本人のカップルや、特別扱いされる韓国の著名な国会議員親子と恩恵にあやかろうとするギャングや売春婦に謎の老人らの様々な人々。大海原で各々の欲望がむき出しとなる事件が勃発し、それに呼応するように空中へと浮かび上がった艦内でそれぞれに暴走する混沌の様を描いたキム・ギドク監督作品です。

第69回ヴェネツィア国際映画賞で金獅子賞を受賞した『嘆きのピエタ』らの独特な世界観の作品が欧米で評価を受けるも、性的暴行疑惑により韓国の映画界から追放されコロナにより死去したキム・ギドクによる、韓国では上映されなかった長編映画で、食欲や性欲、権利欲に溺れる人々をアダムとイブをモチーフにした独特の感性で描きます。

『マザー!』に似た寓話ですが、映像や物語も作り込みが甘く、黒の章を見ての御手洗のような無垢な感傷には浸り難いです。なにより人の本性論はホッブス然りルソー然りで中世の政治哲学で頻出する前時代的な主題で、自然界の殺るか殺られるかの原理に背き、故に様々な矛盾に苛まれながらもそうでない世界を目指すのが文明なのですから。
marie

marieの感想・評価

-
ひどく悲しい気持ちになった。

キム・ギドクの本作、過去作品も含め、
インタビューを拾い読みした。

「私は、人間への憎悪をやめるために映画を撮る」
「黒い色を見せることによって白い色が認識できるのと同じように、
正直にありのままの姿を見せるべきだと思って描いている」

暴力・欲望・裏切り
人間とは突き詰めれば、欲の塊でしかないのか?
動物と同じで、野生と本能からは逃れられないのか?
過ちは永遠に繰り返されるか?

なぜこんな残酷な物語を描くのか?

彼の作品を見ると、毎回とてもつらい部分があるのだけど、
やはり最後に思わされるのは、
ひどくおぞましいと思える行為も、確かにそれが存在するという事。
私たちと地続きの世界に、それらは確実に含まれているものなんだと。

もっとずっと先に、彼が撮る映画を見て見たかったです。
kzpt

kzptの感想・評価

2.0
色々な事があった監督だけど、私の中で表現者として真に作家で真にアーティストで、、、ヒーローでした。尊敬し、憧れです。ご冥福をお祈り致します。
コムサ

コムサの感想・評価

2.9
監督の遺作となってしまいました😔
うーん、群像劇じゃない方が…
日本の俳優さんの下手さが
際立ってます
韓国の女優さん使えなかったのかな?
女優さんがいまひとつ
ヴレア

ヴレアの感想・評価

2.0
突然の訃報に衝撃を受けた。
キム・ギドクの作品はほぼ全て追っかけて観てきたのだけど、単純に面白いからというよりは、他のどの作品とも似ていない圧倒的なオリジナリティを感じたからに他ならない。時に衝撃的なテーマで、また時には寓話のようなファンタジー性で、観る者の想像力を刺激してくれた。
最近の作品はあまり好きではないが、それでも新作が出る度に期待せざるを得ないような、そんな特別な監督だった。

この「人間の時間」もまた期待外れな内容ではあったが、相変わらずのギドク節は感じられたし、タイトルからは想像もつかないような衝撃的な内容であったので度肝を抜かれた。

もうはっきり言って何処へ向かってるのキム・ギドクは?というのが率直な感想だった。あまりにもめちゃくちゃ。あまりにも狂ってる。登場人物全員が狂っていて、誰一人として感情移入できない。
そして、問題の謎の"空間"である。
これは一体何を表しているのか、何も説明が無い。
置いてきぼり感が凄い。
この地獄のような展開を通してキム・ギドクは何を伝えたかったのだろうか?
やっぱり人間の愚かさだとか、滑稽さなのだろうか。
性欲が先か食欲が先かという事なのだろうか。
その答えはキム・ギドクの脳内にだけ存在するのだろう。

─合掌─
2018年のキム・ギドク監督作品。
これはやべえ・・・。キム・ギドク版アダムとイブ。韓国語と日本語の壁を突破する不思議な世界観。船を国とした支配構造の単純化は、あまりにも分かりやすく、そして難解でもある。禁忌を全て破る人間の末路の醜いこと! 禁断の果実を人肉にするあたり、かなり人を食ったような寓話で相当残酷。

オダギリジョーが早々退場したのは予想できなかったけど、チャン・グンソクってあんな汚れ役もやるんだね。テレビで少ししか見たことないけど、普通に感心しちゃった。
自己満足点 9点

※普段自分は過分なネタバレを含んだレビューを書かないようにしていますが、本作に関しては人に一切勧めたくないので、完全ネタバレ込みで書きます。

今年の圧倒的ワースト1位。
観ていてこんなに怒りが込み上げたのはいつ以来だろうか?

藤井美菜とチャン・グンソクを主演に迎えたキム・ギドクの新作映画ですが、自分はこんな作品を作り上げたキム・ギドクが許せないです。

それ以前から、正直言うとキム・ギドクは監督としてあまり好きではなく、「メビウス」と「殺されたミンジュ」は嫌いだし、世間から評価されてる「嘆きのピエタ」もそんなに好きでは無いです。
ただ、前作の「The Net 網に囚われた男」は稚拙な所はあれど設定が興味深くて面白かったので、少しだけ彼の評価が自分の中で上がってた頃に本作を知り、知ってる日本と韓国の俳優も出ているので鑑賞しました。

...ですが今は、少しでもキム・ギドクに期待した自分を殴りたいです。


まず、冒頭から酷い。
話の内容は「ある日突然クルーズ船が空に浮いて外部との通信が取れない状況となり、人々が飢餓状態になっていき、善悪の境目が無くなる」という内容は宣伝で書かれていました。

クルーズ船と言ったものの、豪華な客船ではなく何故かボロい軍艦に乗っており、藤井美菜と恋人役のオダギリジョーは「新婚旅行」で船に乗ったという設定。その時点で「?」という感じですが、他のお客さんは皆韓国人で韓国語なのに、韓国人に日本人二人の日本語が通じてるというお粗末ぶりには開いた口が塞がりません。

まぁでもそこはファンタジーとして無視するにしても、問題はまだまだ沢山あります。
チャン・グンソクやオダギリジョー等の有名俳優が出演してるにも関わらず、全員が演技下手またはワンパターンという杜撰さ。
そして、登場人物達が発する台詞回しは説明的だし、自分の主張を押し付け過ぎていてリアリティに非常に乏しいです。
後で詳細を書きますが、空に浮かぶ前の夜のエピソードもまた長い上に最悪です。
ちなみに、オダギリジョーは食事に文句を言ったことで、ヤクザに因縁を付けられて殺されるので序盤しか登場しません。

そして、ようやく船が空に浮きますが、浮いてから乗客の食料問題に発展しますが、何故か政治家がヤクザとつるんで船の事を仕切り始めます。そして、自分達のみ良い食べ物を使った高級そうな料理を食べている場面は社会風刺とも捉えることも出来ますが、そもそもその料理は誰が行っている?
乗務員と対立してるので乗務員が作ってるとは到底思えないです。
だいたい食料が底を尽きる可能性があるのに「権力にしがみつきたい」という理由で威張るのは「コイツらバカなの?」と本気で思います。
そもそも自分達も食料が尽きる可能性があるのに豪勢な食事取ってたら自分達の首を絞めるだけです。

映像についても、
カメラのフレーミングは汚いし、後半の暴力表現や人肉の描写についても韓国映画にしては弱いし、映像表現も彼の作品の中でも素人臭いです。

ここからが自分が一番怒りを感じた所ですが、
船が空に浮かぶ前日の夜に、藤井美菜がオダギリジョーと夜の営みを行った後に、何人もの人にレイプされるんです。
ヤクザや政治家、政治家の息子役のチャン・グンソクにまでされてしまうので、何とも胸糞悪いのですが、観ていてあまりにも安直でした。
あと何故か女性は藤井美菜以外は風俗嬢ばかりだし、ラストでも藤井美菜は自分が産んだ子供にも犯されそうになるし、ここまで女性に対しての扱いが酷くて安直な映画もあまり観たこと無い。
そういった性暴力の場面を安直に描く描写は個人的に大嫌いで、この時点で観るの止めようかと考えるくらい憤りを感じていました。

そして、藤井美菜がチャン・グンソクに自分を犯したのかを問い詰めると「許して下さい」という発言。
ここで怒りが頂点に達しました!
そして、藤井美菜が後半であっさりチャン・グンソクと行動してる辺り、この監督は性暴力を働いても謝れば許されると思ってるんですかね?

その下りで思ったけど...
キム・ギドク、お前全然反省してないだろ!
「メビウス」で女優に告発された事件のことで一応謝罪してるそうですが、今作の藤井美菜をはじめとした女性達の描写を観ると反省してるようには全然感じられないです。


自分はてっきり船が空に浮いてから「人間の負」の部分が出てくるとばかり思ってましたが、最初から人間の「負」ばかり描いていて、キム・ギドクは人間のそういう所しか見れないのか、「負」の部分にしか興味ないのかとしか思えないくらい偏見的に描かれているところがこの映画においての最大の問題点である気がします。

まだまだ突っ込みたい所もあるし、本来ならこの映画に対して1点も付けなくなかったのですが、人間が飢餓状態になった際に暴走していく様は稚拙ながらも少しリアルに描けてたので加点しました。一応。


「人間の善悪」の物語にしては負の部分しか描いてないし、胸糞映画にしては「ファニーゲーム」や「アレックス」のような胸糞の描写に意味を見出だせる作品にもなってないし、何もかも低俗で怒りばかり感じる映画でした。
韓国では未だに公開されてないそうですが、こんな映画は上映しなくて正解です。

キム・ギドクには本当に失望させられた作品で、今後新作を作っても観るのが憚られます。

(追記 12月17日)
キム・ギドクが逝去されたので、今作が遺作になりました。
気の毒ではありますが、今作への評価は変わることはありません。まさかこんな駄作映画が遺作になり、本国の名誉が回復されないまま逝去したというのは何とも皮肉に思えます。

2020年映画ワースト10「第1位」
格差社会の構図を一隻の船に凝縮し、弱肉強食のグロテスクさを描いたファンタジックなのに一抹のリアルさも感じる作品。

極限状況に置かれることで次々と人間性を失っていく者が続出し、食欲や性欲という本能的な欲求を剥き出しにしていく様に震えが走る。

議員や取り巻きのチンピラ達と一般の乗客との食事の扱いが常に違うシーンは箸休め的な感じがして笑ってしまった。

あのラストもいかにもキム・ギドク監督らしくて、ホントに最高だった。
津次郎

津次郎の感想・評価

2.0
少年が、小動物に紐をゆわえつけて、動きに難儀しているのを見て、嘲笑している。残酷だが、幼さでもある。だが、かれはその枷を背負って生きる……

春夏秋冬~は忘れられない映画だ。うまく言えないが、人の業(ごう)、輪廻が象徴的に描かれていた。

魚と寝る女、悪い男、絶対の愛、弓、うつせみ、サマリア……話も状況もちがうが、極限状態の欲に焦点するテーマは一貫していたと思う。

が、なぜか知らないが、キムギドク監督は、どんどん隈路に迷い込んでいった。

熱っぽい作家だったのが、近年になって、近視眼になり、なんか、言いたいことがありそうな──のは解るけれど、小品化、アマチュア化してきた。フイルムも35ミリでなくて習作の印象になった。

キムギドクはイチャンドンとともに韓国映画の高度成長期の先鞭だった。
そのあとに、パクチャヌク、キムジウン、ポンジュノ、ナホンジン等々、きらきらする監督がぞくぞくあらわれた。

韓国映画を意識して見始め、最初の衝撃が、ペパーミントや春夏秋冬だった──ゆえに、練達だった監督が退化した──感がある。

wikiを見たら、その変節の理由がすこしわかった。

『しかし、2008年の『悲夢』の撮影中、自殺未遂シーンを演じていた女優が実際に命を落としかける事故が起きたことにショックを受けて映画製作が困難な状態に陥り、以後の3年間、寒村の山小屋で隠遁生活を送った。』(Wikipediaキム・ギドクより)

その後エンタメ系ニュースで「メビウス」出演の女優から暴行で起訴された、とか、過去作に出演した女優から、MeTooの動きと連動して、モラハラ/パワハラの告発があがっている、などの報道があった。

ほんとのところも、キムギドク監督のひととなりも、知る由もないことだが、本作に出演している藤井美菜は、この映画の会見で「キム・ギドク監督と仕事ができてうれしかった、撮影現場は常に楽しい雰囲気だった」と答えていた。

とうぜん疑惑のスポイルを企図した発言だったと思う。藤井美菜は賢いひとで、日本で主役を張らず、台湾や韓国などアジアに主力して、浮かずとも、沈まない立脚点を確立している。立ち回りに戦略性がある。見ばえと努力あってのバリューだが、展望と業界バランスがたくみ。うまく泳ぐひとだと思う。

そんな藤井美菜とオダギリジョー、チャングンソク、鯨とりのアンソンギまで配した豪華出演陣だが、映画は、描写がおなじキムギドクとは思えないほどつたない。むかしと比べて力量がかんぜんに劣化している。カメラが近すぎるし、フレームもぜんぜん決めない。なんかオーディションリールを見ている感じ。が、腐っても鯛、テーマだけ、キムギドクが残っていた。
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