すずめの唄の作品情報・感想・評価

すずめの唄2008年製作の映画)

THE SONG OF SPARROUS

製作国:

上映時間:96分

3.9

「すずめの唄」に投稿された感想・評価

ナホ

ナホの感想・評価

4.1
『運動靴〜』のだめだめお父さんが主役ってだけで、愛すべき作品。
ダチョウの唄、じゃなくて、すずめの唄にしたのは〜?
という気もするけれど、とにかく愛すべきマジット作品!
サウンドがきちんと付けらていた印象。

ドラマティックな展開が多い割に
余白、余韻の多いので、バランスが悪いとこが気になった。
引きのカメラワークとか、バイクのシーンとか、
キアロスタミ的なカメラワークが多かった。
すばらしい!!! 久々に映画見てこんなに涙したわ! マジッドマジディはほんまハンカチーフ必携っすね! オープニング、いきなりダチョウの顔面アップで、養ダチョウ場で働くおっそんたちの風景から始まり、デカさが人間よりある巨大なダチョウたちがワラワラいるという見慣れぬ光景に魅せられ、卵でけーとかいろいろ驚きながら、ホントに素朴な田舎の人たちに起こる小さなドラマが展開していく。娘の補聴器が壊れてしまって新しく買わないといけないのにダチョウを1羽柵の外に逃してもうて職を失い、クサクサし始める主人公。テヘランでバイクのタクシーをして結構いい金を稼ぎ始めてからは、謙虚さと平静を失っていき、自分のことばっかを考える自分と、イスラム教的喜捨を求める自分とが葛藤するようになる。そんなとき、とんでもない事故が起こってしまう。ほんとにどのシーンをとっても全然大した話じゃないのに、人物たちの心に起こる葛藤や逡巡や後悔などがだんだんと積み重なって、少しずつ少しずつ心の琴線に触れ、感動が深まっていく。で、最終的に涙腺決壊、最後の20分くらいはずっと涙が止まらないという驚きの状態に。人間の純朴で素直な善良さってのはホンっトに美しいなと思わずにはいられないし、人物の感情をまったく言葉であらわさずに、全て繊細な映像の演出によって巧みに描いていくのがもうサイコーに素敵。息子の手を見るシーンとか、娘がほんとは聞こえてないシーンとか、マジでたまらぬ! 何でこんなに美しい作品がこんなに一般に知られてないのかが不思議。んー、確かに、テーマも雰囲気もものすご地味なんやけどね笑 けど公開もソフト化もないというのはどういうこと! これが埋もれてしまうのはもったいなさすぎる!
ゆうか

ゆうかの感想・評価

3.4

このレビューはネタバレを含みます

イラン映画。
ダチョウの養鶏場?で働いていた主人公の男性は、ダチョウをうっかり逃してしまったことで頸になり、娘に補聴器を買ってやるために、都会でタクシー業を始めることになる。
ドライバーとして働き、都会の色々な人とやり取りをするうちに、お金に執着し始め、ゆとりのないケチになっていく。
都会から持ち帰った廃材の山を庭で漁っている際に大怪我をしたことで、しばらく働けなくなった主人公は無力感に苛まされるが、その間に「何もできない」と思っていた息子は、立派に働いてお金を稼ぎ、娘も「補聴器は治った」と嘘をついて気遣ってくれる。
働く姿を見て、息子を見直す主人公。
息子は息子で、働いて念願の金魚をたくさん手に入れたのも束の間、大半を失ってしまうが、1匹だけがその手に残る。
冒頭で逃げていたダチョウが戻り、大喜びする養鶏場の元仲間とは別でどこか寂しげな主人公。
ダチョウを見つめたままのシーンで、終幕。

主人公が職を変わることで、価値観を変えていくが、怪我したことで色々と気づき、最終的には元に戻りたいって話、でしょうか。
イランの都会と田舎の対比も印象的。

何より、金魚可哀想!と思った。