良き隣人の変節を配信している動画配信サービス

『良き隣人の変節』の
動画配信サービス情報をご紹介!視聴する方法はある?

良き隣人の変節
動画配信は2025年7月時点の情報です。最新の配信状況は各サイトにてご確認ください。
本ページには動画配信サービスのプロモーションが含まれています。
目次

『良き隣人の変節』に投稿された感想・評価

kyoko
-
クロード・ランズマンによる「ソビブル、1943年10月14日午後4時」が蜂起、脱出するまでを取材した作品であるなら、こちらは脱出後を追ったドキュメンタリー。
脱走できた300人がなぜ100人に満たない数にまで減ってしまったのか。
逃げた先の村々で何が起こっていたのか。
生き残った当時15歳だったトーマス・ブラットが収容所跡地から逃亡の道のりにそって、淡々と語る。
逃げる、隠れる、逃げる、匿われる、通報される、逃げる、のくり返し。
仲間は捕まりひとりになった彼はある村と村との分かれ道に立った。
それが彼の運命を分けた。

ドラマチックな部分は一切ない。
あるとすればやはり終盤の再会シーンだろうか。
それも当人たちはそれほど感極まっている感じはしなかった。

劇中、精神科医のコメントが入るのだけれど、これがもんのすごく眠くなる。ドイツ人?たぶんネイティブじゃない英語を、ゆっくりゆっくり。
ゆっくりすぎてぜんぜん頭に入ってこない。
善意はイデオロギーとは無関係に発動するものだとかなんとか(でも彼を助けた人物は、俺がパルチザンだったからとか言ってたんだけど)。

たまに監督が複数いる人全員のアテレコつけたり(しかも全部同じトーン)するのも困る。
満席状態な上に周囲の客運がすこぶる悪かったこともあり、集中を欠いてしまった。

ソビブルの跡地で会ったポルトガルから来た女子高生たちは、映画「ソビブルからの脱出」(たぶん)を観て興味を持ったから来たという。彼女たちにトーマスが「俺、あの映画に出てくる○○」とドヤ顔で話すのがちょっと笑える。
あと分かれ道で、「こっち行ったら殺される」と彼が指さした瞬間、車がそっちに曲がっていったのもなかなかミラクル。
ランズマンの『ソビブル、1943年10月14日午後4時』(と『ショアー』)同様過去のアウシュヴィッツなどの強制/絶滅収容所の記録映像を用いない姿勢は徹底しているが、ランズマンは記録映像は用いないと言ってもそれをエクスキューズにして随分と突っ込んだ質問をしたり倫理的にそれは聞いちゃ駄目だろうということすら聞いてしまっているから、その執念には平服するがちょっとやり過ぎ感は否めない。

対して本作の場合、記録映像を用いると「それは実際の映像だ」って時点で思考がそこに留まってしまうことを避けるためだろう(ドラマとかでもいますよね、「これは実話です」って文句に弱い人が。実話ってのとそのドラマなりが良く出来てるのかは勿論別の話です)。審美性と言うと少し違うかも知れないが、ネストラーは直接的言及を避ける。ソビブルの生還者であるトイヴィさんはさり気なく淡々と衝撃的な事実を述べるが、それは結果として事実をドラマタイズしないネストラーの方向性と合致する。

しかし、途中で映画自体を相対化するように出てくる精神分析医イグラさんの言ってることは、心情的には分かるし正論だけど、「良きことを為す」結果の現象論的な考察がなくていささかナイーヴな結論になってはいまいか。本作もこれに沿った落としどころに落ち着いている感。これと合わせ鏡のような話だが、アイヒマンはあくまで自分の職責を果たしただけだというロジックを持っていた訳で、話はそう簡単ではない。
ソビブルの蜂起を生き残ったトイヴィが春と冬を行き来しながら収容所跡地で当時の惨憺たる体験を語る。おもむろに地面から小さな白い塊を拾い、骨だと見せる。骨はいくらでもそこに落ちている。良き隣人がある日突然密告者に変わる。それらをあんなに静かに語れるのは月日のせいなのか、諦めなのか、パルチザンの恩人との再会が低温度なのもリアル。
ただ、合間合間にゆっくり英語で注釈を入れてくる精神分析医の存在が妙で、おそらくアイヒマン実験的な事を言ってたのだけど、こちらの思考を限定してくる構成は作為性がないというネストラーの評価の逆をいってる

『良き隣人の変節』に似ている作品

バビ・ヤール

上映日:

2022年09月24日

製作国:

上映時間:

121分
3.9

あらすじ

大量虐殺の次に起きたのは歴史の抹殺だ 1941年6月、独ソ不可侵条約を破棄してソ連に侵攻したナチス・ドイツ軍。占領下のウクライナ各地に傀儡政権をつくりながら支配地域を拡大し、9月19日につ…

>>続きを読む

小林多喜二

製作国:

上映時間:

119分
3.4

あらすじ

小林多喜二は、一九〇三年(明治36年)秋田の貧しい農家に生まれた。彼が四歳の時、一家は伯父のいる北海道小樽に移住した。伯父のパン工場で働きながら勉学に励み、高商(商大)卒業後、北海道拓殖銀…

>>続きを読む

ゲッベルスと私

上映日:

2018年06月16日

製作国:

上映時間:

113分
3.8

あらすじ

ナチス宣伝大臣ゲッベルスの秘書、ブルンヒルデ・ポムゼル103歳。 彼女の発言は、20世紀最大の戦争の記憶を呼び起こす。 若きポムゼルは、第二次世界大戦中、1942年から終戦までの3…

>>続きを読む