ふたりの世界の温度感とそれを包む音楽が、とっても好きな作品だった
疲れた夜や雨の夜、家で流し観たい。きっと優しい気持ちで眠れる。
「これなんの話?」「あの人の世界の話」
「こよみさんはよく世界って…
記憶。
視覚、聴覚、味覚、触覚。
記憶はとても美しく、時に残酷。
いい思い出も悪い思い出も鮮明に覚える。
覚えておきたい思い出も、そうでないものも、心の奥底に残るか消えるかはだれも予想できない…
親しくなりきる前の段階で関係性が固定されてしまったふたり。
記憶が毎朝リセットされてしまうから、これから毎日いっしょに過ごしたとしてもこれ以上深い関係にはなれない。
その現実に少しずつ疲弊していく様…
宮下奈都・文藝春秋