マニャニータの作品情報・感想・評価

「マニャニータ」に投稿された感想・評価

東京国際映画祭で観賞。顔に傷を持つ女性スナイパーの物語。アクションが続く作品かと思っていたら、まったくその予想は外れ、自分の意志とは関係なく、軍隊を除隊させられた女性主人公の日常が、ゆったりとしたテンポで描写されていく。狙撃手として抜群の素晴らしい腕を持っていた彼女が、なぜ軍をさることになったのか、その理由は彼女にとっては理不尽なものだったに違いない。そこで彼女は生きる目的を別なものに向けていく。その心の移り変わりを、カメラはゆっくりと彼女の行動を追うことで表現していく。退屈というレビューも多く聞かれるが、自分にはなかなか緊張感もあり、悪くはなかった。

「マニャニータ」というのは、フィリピンの政府と警察が繰り広げる麻薬撲滅作戦の名前らしいが、ラストで、その意味が大きな意味を持ってくる。いつ、女性主人公が行動を起こすのか、ずっと見守っていたが、それがこの作品が持つ最大の意味ではないだろうか。いわば、復讐劇の一種ではあるが、それを逆手にとった物語の結末は、なんとも考えさせられるものがあった。フィリピンのポール・ソリアーノ監督の作品。脚本と製作は、フイリピンを代表する映画監督のラブ・ディアス。
ごはん

ごはんの感想・評価

3.0
優しき救済の物語。

復讐だけを考えて生きてきた彼女はこれからどうして生きていくのだろう。
正直煮え切らないと思う。そんなことで終わらせてんじゃねーぞってなる。てか思ったけど。

でもこの歌で、間違いなくこの国は変わった。

日本人にはないこの感覚。ちょっと羨ましいな、と思ったりした
yuki

yukiの感想・評価

3.4
ラヴ・ディアスが脚本担当ということと、ポール・ソリアーノが『キッドクラフ』の監督ということで期待して観に行った作品。草むらに隠れる女の存在が、植物→銃口→目という流れの横移動で明らかになるファーストショットでは心を奪われたものの、全体を通じては凡庸に感じた。そのため、観ている時や観たあとすぐにはあまり心に響かなかったのだが、何故か今になって強烈に印象に残っている。

軍に従事する女性スナイパーが、自らの過去を精算するために家族の仇を探す旅に出るロードムービーだが、復讐映画としては綺麗事ばかりで、ぶっちゃけ実在する「アカペラを歌うことで犯人に投降を促す方針の警察署」のアピールが主な目的である。が、何故か鮮明に記憶に残っているのだから不思議。
osa

osaの感想・評価

-
この映画の結末に感じた気持ちを今もたまに思い出したりする。衝撃的だった。ラストまでの約140分をこんなふうに使ってみせる映画が世の中にはあるんだと
Naoya

Naoyaの感想・評価

2.4
顔に半分の痣を持ち、射撃選手出身の女性は軍に仕えていたが職を解かれ連日バーで泥酔していた。ある日彼女にある電話が入る。ヒューマンドラマ作。女性の長旅が、台詞も極力排除され、盛り上がりを見せずに淡々と描かれる。スナイパーとしての姿は序盤のみで、ほぼロードムービーかのような事の起きなさは長尺で中弛みを感じてしまうが、だからこその衝撃的な結末は印象的。圧倒的な彼女の長旅を追ったからこそ味わえる結末の余韻の深さは感じられる。物語の内容としたら、小一時間あれば終えてしまうような物語だが、約140分あるからこその意味、重みは一応にある。
東京国際映画祭で鑑賞。セリフはほぼ無し、美しく映像の長いカットが多く、じっくり絵画を見てるよう。音楽も、テーマも良く、今年の映画祭で一番好きな映画。

このレビューはネタバレを含みます

東京国際映画祭にて。

軍を除隊処分された女狙撃手のもとに届く1本の電話。。。

台詞を極限まで削ぎ落とし、彩度を落とした叙情的な映像と歌によるストーリーテリング。
こう聞くと、非常に好みな部類と期待した。しかし、冒頭の狙撃シーンの緊張感こそ引き込まれたが、その後は怠惰な泥酔する女のシーンが続き、さすがに冗長さは隠せず。

長回しの撮影や歌が女の揺れ動き漂う心情を表現しているのはわかるが、肝心の女の過去を台詞で説明してしまっては、ここまで着いて来たのに一気に突き放された気分になる。
ラストのテロップが、この作品の核だとするなら、(それ以外、考えられないが)内容はもう少しシャープな印象にしても良かった気がする。
共同脚本にラヴ・ディアスがクレジットされているのでこういった作風になるのも理解はできる。
最初の狙撃シーンは緊張感があって良いと思う。そのあとのシーンはひたすらに女の日常が描かれている。これがスローシネマなのかどうかは自分にはよく分からないが、あまり肌には合わなかった。
最後の最後になってこの映画で伝えたかったことみたいなやつが出てきたけど、あれを描くための映画だったのかもいまいち分からない。
ただ、所々素晴らしく美しい映像が入ってくるのは良かった。
冒頭の狙撃シーンは非常に緊張感あってよかったんだけどな〜。
他の人も書いてるように無意味な長尺のシーンが多い…。
主人公の抱えてる苦悩が物語後半で明らかになるので、それまで主人公が何で苦しんでるのか観客にわからないから、長く感じる。
期待してただけに残念…。
メラ

メラの感想・評価

2.1
【狙撃手の苦悩】【東京国際映画祭】
除隊処分を受けた狙撃手の女性が一本の電話を機に「とある使命」を遂行しようとするドラマ映画。

 映画で国の事情・物語を語る作品は数多く存在し、本作もそれに該当するけど現地の歌?が隠れた主役として起用されている試みは面白いです。見終わると歌がどうゆう役割を担っているかが分かるし、やろうとしてることは理解できるかと。

ただ個人的には本作は合わなかったです。
撮影スタイルとしてキュアロン監督の「ROMA/ローマ」みたいな順撮り・長回しが起用されているけど、本作の順撮り・長回しがただ冗長で尺伸ばしになってて見辛かったです。
一応、この長回し・台詞の削ぎ落としには彼女の人生の心の歩みを反映しているらしいけど、それを伝え方ではなく時間の長さに置き換えるスタイルはナンセンスに感じました。
局所的ならまだしも全編でそれをやられて150分近くも尺があるのは苦痛かな…他にも歌を起用するスタイルは本作に限らず様々な映画で用いられるけど、そこが本作の良いところでもあり多用による食傷・くどさという悪いところを同時に出してしまった感があります。
マーケティング通り映像が綺麗だし狙撃という見どころを作ろうと思えばいくらでも出来る筈なのに、表現の方針で食われてるのは勿体ないと感じました。

見る相手を選ぶ以前に解釈の放棄と思われる表現のやり方がつまらない方向に出てしまってて残念でした。
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