ピートロさんの映画レビュー・感想・評価 - 5ページ目

ピートロ

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TITANE/チタン(2021年製作の映画)

4.3

想像以上にグロテスクでずっと嫌悪感しかなかった。
アレクシアの醜悪な姿は、女性の「生理」が神秘性とは無縁の過酷な現象であるという表現かと思っていたが、ラストで考えが変わった。
表層にとらわれない愛の本
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きさらぎ駅(2022年製作の映画)

3.6

このレビューはネタバレを含みます

懐かし題材のホラーかと思ったら、『オール・ユー・ニード・イズ・キル』や『リゼロ』みたいな「ループ攻略」ものだった。
POVとVFXの雰囲気が白石晃士っぽかった。

マクベス(2021年製作の映画)

3.8

コーエン「兄弟」ではなく、ジョエルが監督・脚本。
モノクロでスタンダードサイズ、セットも演出もミニマルで、原作に忠実…と地味な要素が並ぶが、主演のふたりはとんでもなく豪華だし、勢いのあるA24だし(?
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グリーン・ナイト(2021年製作の映画)

3.9

退屈で意味不明だけど、なぜか「観てよかったな」と思える不思議な作品。
『ア・ゴースト・ストーリー』が好きだったので本作も観てみたが、静謐感や音楽の使い方など通底していた。
独特の間や雰囲気があるので肌
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DAICON FILM版 帰ってきたウルトラマン(1983年製作の映画)

3.9

本作についてはいろんなところ(『アオイホノオ』とか)から情報が入ってきたし、部分的には観たことがあったけど、想像の何倍もクオリティが高くて驚いた。
学生が80年代に8mmでこれを撮ったなんて、ちょっと
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修羅雪姫(1973年製作の映画)

3.8

漫画原作のB級アクション活劇。
ツッコミどころの多さが愛嬌となり不思議な魅力があった。
幼少期の特訓シーンが面白いが(樽に入れられて坂道から落とされる。なぜかダチョウ倶楽部の上島みたいに突然全裸になる
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ベイビー・ブローカー(2022年製作の映画)

3.8

物理移動が多く景色による画変わりがあるのに、なぜか根本的な単調さを感じてしまった。
うまくいえないが、引っかかり(毒とか)があるべきテーマや設定なのに想定内の展開がするすると流れてゆき、反対に細部の粗
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リコリス・ピザ(2021年製作の映画)

4.1

監督の初期作品の頃のような勢いと雰囲気が懐かしい。
どう転がるのかわからない展開と二人の関係性の絶妙な匙加減。
重要度を無視して羅列したかのような雑多な構成にもしびれる。
実在のモデルとか時代背景とか
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窓辺にて(2022年製作の映画)

4.2

今泉作品の原点に立ち返ったような、濃密でストイックで洒落てて誠実でウィットに富んだ傑作。
すべてが「会話劇」というストロングスタイル。会話とシチュエーションの面白さだけで約2時間半を劇伴もなく飽きさせ
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すずめの戸締まり(2022年製作の映画)

3.9

ポストジブリを意識するのはいいけど、ぼくが新海シェフに求めていたのは万人受けするファミレス料理じゃなくて、「俺はこれが旨いと思っているんだ」と個人的趣味を押しつけてくるクセが強めの町中華だったんだよな>>続きを読む

機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島(2022年製作の映画)

3.4

ファーストの15話を約100分に拡張しているので、正直、間延び感は否めない。
アムロの声がいまだに古谷徹であることが驚き。70歳近いのにあの少年ボイスはすごすぎる(ちょっとフガフガしてたけど)。
歌が
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ハケンアニメ!(2022年製作の映画)

4.1

『SHIROBAKO』を実写化したようなストーリー。
劇中作アニメの『サウンドバック 奏の石』『運命戦線リデルライト』のクオリティがすごい。
柄本佑演じる行城さん、かっこよすぎてずるいなあ。
アイドル
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ボーイ(2010年製作の映画)

3.8

監督自らが演じるハチャメチャな父親にイラッとし、内気で心優しい弟にウルっとし、健気で痛々しい主人公にグッときた。
ワイティティ作品の特徴だと思っている「ユーモアと哀愁」が長編2作目の本作ですでに開花し
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RRR(2022年製作の映画)

4.3

『バーフバリ』と違って舞台は現代(といっても1920年代の英国植民地時代のインド)。
基本的に徹頭徹尾、面白いんだけど、厳しくいえばちょっとだけ冒頭、物語が軌道に乗るまでが遅く感じた。
ビームとラーマ
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ベルファスト(2021年製作の映画)

3.8

監督が自らの幼少期をフィクション化。
映像は美麗で両親も美形でオシャレなセリフと演出でルックはいい。
ただ、過酷な現状を子供目線で描く手法からどうしても『ジョジョ・ラビット』を思い出し比較してしまうが
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四畳半タイムマシンブルース(2022年製作の映画)

4.2

ディズニープラスで観たけど(5話に分割され配信オリジナルが1話追加)、内容は劇場版と同様と考えていいのかしらん?
もはや古典の趣さえあるヨーロッパ企画の演劇『サマータイムマシン・ブルース』と、森見登美
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ウエスト・サイド・ストーリー(2021年製作の映画)

3.9

キャストへのこだわり(プエルトリコ人にラテン系キャストを)や、映像美、迫力ある歌とダンスで古典をアップデートした手腕はすごいし(とはいえオリジナルを観たのは遠い昔なのでほとんど覚えてない…)、今この「>>続きを読む

スロータージャップ(2017年製作の映画)

3.8

低能、暴力、殺人、差別、カニバリズム…。あらゆる不謹慎が露悪的に詰め込まれた「初期阪本作品」テイストの全開の本作だが、なぜか嫌悪しきれないキッチュさがあり、個人的には嫌いじゃない。
前半の障害者になっ
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ソー:ラブ&サンダー(2022年製作の映画)

3.8

ワイティティ監督作ということや、ポップなポスターやタイトル、ノリノリの予告編から感じた期待ほどではなかったものの、安定のマーベルクオリティ。
GoGのメンバーが出演するのもうれしい。
ソー姿のナタリー
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こちらあみ子(2022年製作の映画)

4.2

間や距離感が絶妙で、なんとも不思議で奇妙な後味。
ロケーションや青葉市子の音楽もすごくいい。
あの坊主の同級生は、彼がいなかったら話が成立しないんじゃないかというくらいの重役で好き。
誰にでも「あみ子
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画家と泥棒(2020年製作の映画)

3.9

画家が自分の絵を盗んだ泥棒に会いに行くドキュメンタリー。
前知識なしでの鑑賞がおすすめ(といってもびっくりするようなオチがあるわけではないけど)。
メインの2人のキャラが非常に魅力的。
とてもドキュメ
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Swallow/スワロウ(2019年製作の映画)

4.1

スリラーとジャンル付けされていたので、どんな陰惨な展開が待ち受けているのかと身構え過ぎた…。
「異食症」の行為自体はスリリングでたしかにスリラーといえなくもないが、内容は直球の(フェミニズムな)ヒュー
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永峰中村飯塚(2021年製作の映画)

3.6

3人の会話がメインのショートフィルム。映画美学校の終了制作セレクションらしい。小説のような会話文は味わいがあり嫌いじゃない。クリアな映像と音声が良かった。

大虐殺(1960年製作の映画)

3.9

冒頭の関東大震災からの朝鮮人&社会主義者の大虐殺は凄惨で迫力があり「これはしんどい内容だな」と思ったが、天知茂がテロを起こそうと苦悩し実践する展開になると空気が一変。
隙のある脚本に愛嬌を感じた。

勝利者の復讐(1958年製作の映画)

3.4

天知茂が一人二役。
悲惨な内容ながら犯罪計画はどこか間抜けで、ほのぼの感すらあった。

劇場版 ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか オリオンの矢(2018年製作の映画)

3.5

テレビアニメシーズン1と2の間の物語。
あいかわらずのキャラ崩壊無縁な神作画。
悲恋(?)だからということもあるが、テレビアニメのようなカタルシスがなく、グズグズするベル君にイライラしてしまう。
主人
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東海道四谷怪談(1959年製作の映画)

4.0

こんなにケレン味溢れる演出の作品だとは思わなかった。
ビビットな赤や緑のライト、そして連発する「戸板アトラクション」。
天知茂めあてで観たのだが、狂夢の世界で尾羽うち枯らしのたうち回る殺陣はなぜかかっ
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スケアリーフレンド(2022年製作の映画)

2.5

PFFアワード2022準グランプリ。
カットやカメラアングル、小道具、ストップモーションアニメなど、熱意と労力はすごい伝わってきた。

アテナ(2022年製作の映画)

3.9

冒頭のタイトルバックまでの長回しがめちゃくちゃカッコいい。
その後も要所要所で長回しはあるものの、振り返ってみればやはり冒頭がピークだった感は否めない。
ちょっと劇伴が大袈裟すぎたかも。
密集して盾で
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J005311(2022年製作の映画)

3.4

第44回PFF、満場一致のグランプリ。
U-NEXTで鑑賞したが音が小さすぎてテレビの音量を普段の倍にしても聞き取れず。
とはいえ台詞は少なく、長回しを多用した独特の空気感は面白かった。
主演俳優の消
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夢の丘(2019年製作の映画)

2.8

窓から見える丘の風景が印象的。
雰囲気はあるがなぜかイメージは膨らまなかった。
劇団的演技。

ナワリヌイ(2022年製作の映画)

4.1

もちろん意図あるドキュメンタリーなのですべてを鵜呑みにはしないが、それでも衝撃的な事実自体は揺るがない。
日本のドキュメンタリーはなるべく素材に手を加えないことが良しとされている印象を持っているが、時
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雨を告げる漂流団地(2022年製作の映画)

3.4

使い古されたこのフォーマットをあえて使うからにはプラスアルファが必要だと思うが、残念ながらそれがなく「悪い意味でオーソドックス」だった。
またところどころに古臭い価値観が顔をのぞかすのも気になった(子
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神は見返りを求める(2022年製作の映画)

4.2

『BLUE』『空白』と続いての本作という流れがさすが。
テイストは『犬猿』や『ヒメアノ〜ル』の頃に戻りつつも、クオリティは明らかに高く面白いから、今後の作品がもっとも気になる監督。
主演のふたりの演技
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エクスペンダブルズ(2010年製作の映画)

3.8

単独で主役をはれる有名な脳筋たちがこぞって大暴れする元祖アベンジャーズ。
爆破の規模と回数がすごい。
何も残らないところも潔くて嫌いじゃない。

さかなのこ(2022年製作の映画)

4.0

現実と幻想が地続きな演出は、沖田作品に慣れていないとちょっと面食らうかもしれない。
明るく楽しげな雰囲気の裏に感じる不穏と狂気がたまらない。
のんとさかなクンというポップなフックのどさくさに紛れていろ
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