これはおもしろかった!「パワー・オブ・ザ・ドッグ」の原作にも登場しこんな昔からあったんやぁとなったアバクロンビー&フィッチ、通称「アバクロ」。90~00年代のめちゃ短かった栄枯盛衰を描いたドキュメンタリーです。単に時代に合わなくなったとかそういう問題ではなく、その陰には流行の立役者となる謎に包まれたCEOマイク・ジェフリーズの屈折した欲望が...
割と最初の方で指摘されるようにアバクロの流行は必ずしも市場調査をして若者や時代のニーズに応えた世界観を提示して生まれたものではない。完全にこのCEOの個人的な、矛盾に満ちて歪んだ夢の世界を体現したのがアバクロやったんやねぇ。外見がかっこよくありたい。若くありたい。男性らしくありたい。育った田舎の伝統的な価値観が懐かしい。でも封印した性欲は満たしたい。いやでも、白人として・マジョリティ―としての優位性を維持したい。
ぜひこの人の伝記映画作ってほしい。彼を心理分析したいと言っている記者が登場しますが、ホントその通り。今までほとんど知らなかったけどめちゃくちゃ面白そう。今作でも彼は一切取材拒否だったそうです。その代わり、この会社に関わったあらゆる立場の人が証言をしていて非常に説得力のある内容になっています。
この会社の浮き沈みに関してはマイク・ジェフリーズの個人的な面が大きそうですが、同時に外見至上主義や多様性など社会的な面で考えさせられる内容も多く盛り込まれており、パーソナル/ソーシャルのバランスがとれたまとめ方でよかったです。
私はドンピシャ世代よりは少しだけ若いのですが、それでもSNSのなかった当時を思い出し懐かしいとともに、SNSがなくても結局代替の何かがあっただけで、若者はいつの時代も一緒だなと思いました。
さて、新たな女性CEOを迎えアバクロは再び若者の支持を得ることができるのか?難しいんじゃないかなぁ。服飾ブランドって腐るほどあるから、別に既存のブランドを再生しなくても代わりがいくらでも。でも、歴史があるお店やブランドがなくなっていくのも寂しいですね。
ヤバかったですねー!!びっくりしすぎて、観ながら家族に実況しましたw CEOの映画見てみたいです怖「グリード ファストファッション帝国の真実」みたいなのもありましたしね💦
angelicaさん 幹部クラスからモデルさん、末端店員までいろんな立場の方が出てきて、証言が生々しくてヤバかったですね。観ながら家族に実況(笑)、気持ちわかります! CEO謎キャラらしいけど、暴いて映画にしたら「グリード...」を超えそうですね...