暗黒街の顔役の作品情報・感想・評価

「暗黒街の顔役」に投稿された感想・評価

ゆ

ゆの感想・評価

3.4
鶴田浩二演じるヤクザが、実弟と組織の間で板挟みになる話。
実弟はある犯罪に関わった末端組員だが、人目につくなという組織の指示を無視してナイトクラブの歌手としても活動していて、早く組織から抜けたいと考えている。

同じ岡本喜八の『暗黒街の弾痕』と同様、ヤクザ組織、自動車工場、ステージのあるナイトクラブが舞台。

岡本喜八の画面は白黒作品は良いがカラー作品はイマイチという偏見があったが、『暗黒街の顔役』も『暗黒街の弾痕』も魅力的なカラーの質感。ストーリーと無関係に、画面に出てくる人や物を観ているだけでも飽きない。
くぅー

くぅーの感想・評価

3.5
ずっとタイトルが気になっていた作品で、やっと鑑賞・・・意外にもカラーが鮮明に見え、映像的には逆に新鮮に感じる。

ストーリー的には、ギャングの世界から足を洗おうとする弟と、それを拒む親分との間に立つ兄の苦悩を、あの岡本喜八監督が活写。

まぁ、ノワール的には今一つ締まりが無く、妙にアメリカンを意識してたりと、ちぐはぐ感は否めなかったが・・・スター映画として見たらなかなか味わいがあるかも。

そんな俳優陣では、鶴田浩二に宝田明・・・やや浮き気味ではあるが、これはこれで面白い。
そして、三船敏郎は珍しく冴えない役ながらも、存在感は流石。
むしろ、脇役陣がいい味を出し、平田昭彦が印象に残るし・・・終盤に現れる佐藤充が実にいい。
女優陣では、白川由美に草笛光子らがしっかりと華を添える。
個人的には若かりしミッキー・カーチスに、さらにニンマリ。
ちー

ちーの感想・評価

3.4
岡本喜八初期の作品、カラー。凡庸なノワールでたまにふざけてる。昔の日本映画に出てる外国人みんな味があっていいですね。ちょい役の三船敏郎がオーパーツの如く輝いている。主役を食ってしまっている佐藤允も大変良かった。
zhenli13

zhenli13の感想・評価

3.0
実はあまり記憶に無い。
すでにスターであった三船敏郎が現代劇でしかも準主役の自動車工場主という役どころで違和感が拭えなかったが、後半面白かったような。

このレビューはネタバレを含みます

https://umemomoliwu.com/kaoyaku
miyagi

miyagiの感想・評価

2.5
段取りくさいカット割りが性に合わなかった。
銃の転がるところとか、驚いた顔とか、テンポは出ても嘘くさい。
演技も基本やり過ぎ。チクショーってはっきり言っちゃう映画は大体あんまり面白くないというのが持論。
主人公の兄弟ふたりが、みねおとりゅうたで、峰竜太が頭にずっと浮かんでた。
裏カジノの外国人の演技が酷すぎてコメディかと思った。「はーいうしろにさがってー」
終わり方も、え?そこで終わんの?嘘でしょ感がすごい。
しんちゃんも普通に歩けすぎ。
HK

HKの感想・評価

3.8
後に「日本のいちばん長い日」「激動の昭和史 沖縄決戦」などを撮る岡本喜八監督によるノワール映画シリーズ第1作目。脚本は「ゴジラ」シリーズなどでも有名な関沢新一。キャストは鶴田浩二、宝田明、三船敏郎などなど

日本のマフィア組織による金融機関社長の暗殺事件が発生した。犯行現場を目撃した人間がいたため、親分は幹部の主人公に、その事件に関わった弟の処理を何とかしろと命ずる。弟はキャバレーでジャズシンガーをしており顔が知られていた。兄はそれを何とか止めさせようとするが弟はそれを聞かない。痺れを切らした組長は弟と目撃者諸共消そうとするが、兄はそれを止めることができるのか。

岡本喜八監督の映画作品ではDVD化されているのでは一番古い作品なのでしょうかね。総天然色であるためとても見やすかったです。

自分としては、三船敏郎さんを自動車工場主という配役で撮るというのがある意味斬新に感じました。既にこの頃は「七人の侍」とかで名を馳せているときにこのようなことができるなんて本当にすごいというか。

この頃の徒手格闘シーンて、リアリティーがあるというよりは、なんかコミカライズされるほどのオーバーなアクションになっているのが却っていい味を出しているのではないのでしょうかね。大体喜八さんの徒手格闘って相手の胸倉を掴みながら、何度も右手でぶん殴るシーンを見せたり、往復ビンタを見せるなどテンポ感を重視しているところが多い気がした。なんか3回パンに似てる。

堅気でやっていきたい弟と、それを引き戻そうとする組織側の双方の立場からのジレンマにかられる男役として鶴田浩二を置いているが、これはこれで良い配役なのではないでしょうか。

佐藤允は、この頃からなんかどっちにとればいいのかわからないような飄々とした役柄をやっています。それでも熱い男でもあるので、最後には味方になってくれるというのは良かったんじゃないのでしょうかね。

岡本喜八さんによるフォービートを意識したイリュージョンともいえるカッティングはこの頃から健在です。自動車工場におけるカンカンと鉄を鳴らす音は大工だった父親から学んだ金づちを叩くテンポ感を見事に出しているようでした。

まあ、映画としては脚本が関沢新一さんということもあって若干東宝臭いウェルメイドスタイルになってしまっていますが、それでもそんな中で喜八さんの独特のカッティング演出は光っていたのかと思いますね。

終盤に向かって登場人物が一か所に集まって全てが決まって終わっていくあの演出は嫌いじゃないです。あそこでの盛り上がりは好きなので見れて良かったと思います。
りっく

りっくの感想・評価

3.7
やくざの世界から抜け出したい弟の行動に苦悩する同じやくざの兄貴の話で、やや湿っぽいストーリー展開になっているが、そんなところをできるだけさらっとやり、代わりにカットの切れ味と小気味よいテンポの良さとスピード感、アクションシーンで工夫を施す。

敵を屈服させて揚々と引き揚げていくのがカッコよく、じめっとしたところがない乾いたアクション。殺し屋を演じた佐藤允の不気味さ、気弱な自動車工場のおやじ役の三船敏郎、美声を披露する宝田明などもよく、音楽も独特の使い方で印象に残る。
佐藤允のケレン味と三船敏郎の眼力がすごすぎて、一気に目が離せなくなってしまう。
mitakosama

mitakosamaの感想・評価

3.0
初見は20年以上前の浅草東宝のオールナイト。岡本喜八は大好きだが、正直言って今作にはあまりノレなかったんだよな。
で、先日スカパーにて再見。当時の記憶が蘇ったが、やはりそこまで堪能は出来なかったかしら。

やっぱり個人的に鶴田浩二がハマらないんだと思う。特に今作はヤサオトコっぷりが、見ていて焦れったさが先にくる。

とは言え流石は岡本喜八。テンポの良さに豪華キャスト人の大胆起用といい、見応えもある。
それに東映・大映が任侠ヤクザ路線をひた走る中、東宝はあくまでギャング映画を目指しているんだよね。60〜70年代のヤクザ映画ブームとは一線を画して、東宝には洗練された様式美があるんだよね。

殺人事件があり、事件発覚を警戒するギャング
重要参考人である男(宝田明)はギャングを辞めたく音楽活動に躍起になる。
ギャングの幹部クラスの兄(鶴田)は弟に音楽を自粛させ潜伏する様に交渉するが、弟は拒否。
ギャングは弟や、正体を知った無関係の娘の命を狙う。

弟とギャングとの間で揺れる鶴田だが、中間管理職的な悲哀は感じるがギャング的な貫祿が無いのが惜しい。喧嘩のアクションとかもイマイチハマらない。兄貴分の平田昭彦の方が感じでるよ。

しかし宝田明と鶴田浩二との実の兄弟の関係は良いなぁ。顔が似ている訳じゃないのに血の繋がった関係に見える。

更に三船敏郎がギャングにたかられる自動車修理工を演じる。いつも通りの威丈高な演技には変わりないが、悔しがりながらヤクザの言いなりになる三船の姿は他に無いキャラクターで新鮮だ。
三船が妖しい動きをしようとすると、ギャングのお目付役の従業員がトンカチでガンガン叩きだすという演出もサブリミナル的で面白い。三船演じる修理工の焦燥感を上手く表現してるね。

鶴田にもお目付役に佐藤允。ニヒルで感情を表には出さないが人間味があり面白いキャラクター。
やっぱり岡本喜八は佐藤允が好きなんだろうなぁ。絶対にステレオタイプな演技の鶴田や三船より、佐藤允の役幅の広さを買ってると思う。

足の悪い実子を人質に取られたり、良い仲のボスの娘(草笛光子)が救出してくれたりして、最終的にボス一味と戦う。今までの鬱憤が晴れる瞬間だね。
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