明治侠客伝 三代目襲名の作品情報・感想・評価

「明治侠客伝 三代目襲名」に投稿された感想・評価

自身の人生に厳しい選択を迫るのは主役だけではなく、時として観てしまった我々にも課せられることさえある  加藤泰「明治侠客伝 三代目襲名」

まずは皆様に問いたい。
一本の映画を介して一人の友人との10数年以上にも亘る友情を決壊させた経験はおありか?
私はあります。その映画は「明治侠客伝 三代目襲名」
この作品を全面否定する友人О氏の意見を私は完膚なきまでに論破した。О氏の人格までに言及したかもしれない。
その代償として彼との友情に終止符が打たれた。6年前のことです。

私はその翌年の年賀状に自分の非礼を詫びて送りましたが返事は返ってきませんでした。

「明治侠客伝 三代目襲名」を支持した事自体後悔してません。この作品のおかげで私はその後100本以上のマキノ映画と本気で向き合えたのですから。

この夏の初めО氏の奥様から彼の訃報の手紙が届きました。食道がんだったそうです。享年49歳という若さ。気持ちの整理がようやくついてきた今やっとこの作品について語る事ができました。

この拙文をО氏に捧ぐ
最初の祭りのシーンから引き込まれる、画がかっこいい
鶴田浩二はもちろん津川雅彦も素敵なんだけど特に藤山寛美!最近偽座頭市役やってたの観てたから特に素晴らしく感じた
任侠映画の最高傑作と名高いが、初めの祭りの「円」の描き方などは素晴らしいにもかかわらず、後半に失速する最大の欠点は見逃せない。『博奕打ち総長賭博』には勝てないだろう。
とも

ともの感想・評価

4.5
藤純子がいやいや、何もかも忘れさせて…というところがグッときた。藤山寛美かっこいい!
紫色部

紫色部の感想・評価

4.0
2017.5.9 BS

藤純子が鶴田浩二に桃を渡す川縁でのショットにかかるオレンジの空の美しさよ… 列車の驀進音や汽車の蒸気などを随所で挿入しながらも、ラストシーンに至るまでその全貌をお得意のローアングルによって明かさない演出もひたすら秀逸。
いつみ

いつみの感想・評価

4.0
任侠映画の傑作!
鶴田浩二、かっこよかったー!

ストーリーはいつもの流れなんだけど、浅次郎の熱い任侠道に泣かされました。

女郎の藤純子との純愛も切なく美しく、流れ物の渡世人役の藤山寛美にもぐっときました。

津川雅彦の若い頃、顔が今と違いすぎて全然わかんなかった。
まさかの晴夫が津川雅彦だったなんてびっくり。笑
大傑作!!!
鶴田浩二がちょーかっこいいぜ?
藤純子との川沿いのシーンがとんでもねえ美しさと奥行の使い方をしている!
そしてその夕陽!
ラストで二人が別れるシーンでは逆に夜が明けるのよ!

津川雅彦が画面手前でねちっこいキスをし、画面奥行で宴会がなされてるカットなんかは加藤泰らしくて好きだけど津川雅彦のキスが若干気持ち悪い。
冒頭の、祭りの雑踏の中での暗殺シーンから引き込まれる。
えげつない人相の殺し屋が、クルクル吹き(正式名称がわからん)を吹きながら獲物を探している。
そいつに狙われた鶴田浩二の親分が致命傷を負ってしまい、タイトルにもある跡目相続の話になっていく。

序盤から、親分が寝室で伏せっている真横からの物凄い長回し。
「緋牡丹博徒」の菅原文太出るやつにそっくりのシーンあったなあ、なんて思ったら、
監督が同じ加藤泰だった。藤純子もお竜とは正反対の儚げな女郎役で直後に登場。
ひたすら男の暴力に耐える藤純子が健気だなあ。お竜とは思えない。

豪華キャストだけど相殺し合うこと無くキャラ立ちして、かつそれぞれに見せ場があった。

いつもはついイラついてしまう若い津川雅彦の演技も、未熟なボンの役に嵌ってて気にならない。
愛すべき嘘つき、藤山寛美の男気が熱い。
忘れた頃に出てきては、きっちり諭していく丹波先生の訓示が染み入る。
敵の卑劣ぶりゴミクズぶりも大いにフラストレーションを溜めさせてくれる。
そして、歩きながら着物を脱ぎ、徐々に刺青を晒して敵討ちに行く鶴田浩二がカッコいい。
右手に銃、左手に長ドスで暴れまくり。
まあ面白い…けど話はこびは普通だし特別に好きでもない。そもそも男気みたいなものに興味が無いから向いてない。藤純子はきれい。
tjr

tjrの感想・評価

4.4
傑作。空間で泣かせる鬼のように決まったカットの数々。組の為に身を粉にする鶴田浩二の無私ぶり。橋の側での鶴田と富司純子の逢瀬を照らす夕陽。これぞ任侠映画の精華!
それにしても低い、低過ぎるカメラ位置。冒頭の祭シーンや線路のシーンなど撮影風景見てみたい。
プログラムピクチャーかと思いきや「明治侠客伝」の名を冠するのは本作だけなのか。
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