坊っちゃんの作品情報・感想・評価

「坊っちゃん」に投稿された感想・評価

kasa51

kasa51の感想・評価

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これだけの俳優を使ってここまでか。ちらほらとおもしろいシーンはある(ばあやが坊っちゃんの出発を見送るシーンとか坊っちゃんと山嵐の和解シーンとか宴会シーンとか)のですが語り口がスムーズでないのでストーリーが流れない。
若い頃の岡田茉莉子は明るくっていいな。藤間紫も艶っぽくていいな。
冒頭の浦辺粂子さんの清とのやりとりが心に染みる。清のために精がつく鯉を手に入れようと露天商に80銭も費やす世間知らずの坊っちゃん。清はそんな坊っちゃんが箱根の先(!)で1人で暮らしていけるか気がかりでならない。

キャストはベストといっても良い。池部良の坊っちゃんがはまり役。赤シャツが森繁久弥、野だいこが多々良純、正に適役。

後年、黒幕、悪役が多かった小沢栄(小沢栄太郎)さんが山嵐というのが嬉しい。イナゴ騒動の主犯の生徒が佐藤 允(若い!)

そして岡田茉莉子のマドンナが美しい。
うらなりとの婚約は恩義のある親が決めた事。反発するのは個人主義VS家父長制の対立でもあったのか。原作でははっきりとしないマドンナの気持ちや立場が描かれていて納得できる。

そして、赤シャツ、野だいこを退治した後、マドンナから「文学士から離れて自分の人生を探します」という手紙を受取る。

これは原作にない部分。この部分の為に原作とこの映画は全く変わってしまった。

「坊っちゃん」は江戸の没落した家の青年と会津出身の山嵐が明治政府配下のエセ知識人達に生卵をぶつけて憂さ晴らしをする負け戦さの物語。

しかし、このマドンナからの赤シャツとの決別を告げる手紙で負け戦は勝利に変わったのだ。

原作ファンにも納得のいく改変で爽やかな結末となった。

欲を言えば、坊っちゃんのナレーションを全編に付けて欲しかった。「坊っちゃん」の魅力は一人称の語りの魅力だから。「だから清の墓は小日向の養源寺にある」というナレーションを聞きたかったな。
小五月蝿い「我輩は猫である」よりも
純朴な「坊っちゃん」が好きぞなもし。
nagashing

nagashingの感想・評価

3.0
岡田茉莉子目当て。基本的には配役の妙を楽しむ映画。小沢栄太郎の山嵐、森繁久彌の赤シャツ、浦辺粂子の清など、アクの強い役者たちがピタリとハマる。佐藤允や中谷一郎が喜八映画のごとく血気さかんな学生を演じているのもニヤリ。マドンナが坊っちゃんに好意を抱く脚色にはちょっとノレないが、マドンナにもらった鈴虫の鳴き声がうるさくて(=彼女のことが気になって)眠れない、という描写や、原作にもある氷水代の硬貨など、小道具の使い方、見せ方はなかなかうまい。電柱やら蓄音機やらのせいで明治の地方には見えず。岡田茉莉子のマドンナ(固有名詞)はめっちゃマドンナ(普通名詞)。
さっきフィルムセンターで観た。
森繁久彌の赤シャツがハマり役だった。
チェケ

チェケの感想・評価

4.0
他の役者が比較的真っ当な演技をしている中で一人だけ完全に観客を笑わせにかかっている森繁の赤シャツが最高。多々良純の野太鼓も粋でいい。マドンナが坊っちゃんに惚れるという改変はよくない。
yucca

yuccaの感想・評価

3.2

このレビューはネタバレを含みます

全体としては淡々としてたっていうか、あの時代の軽い映画にめずらしく、締まらないまま終わっていった。でも役者勢を楽しむための映画だと思ったら見る価値あり。森繁久彌×藤間紫の絡みとかある一つの完成形だし。

期待通り良ちゃんがまーかわいいわ男前だわスタイルいいわで、あんな教師が来たら騒ぎになるだろ!って感じだったんだけど、生徒役にまさかの佐藤允!さらに中谷一郎!独立愚連隊コンビじゃん!もう中谷一郎の中学生なんて魁!男塾状態で笑った。

色々とクスッとくるようなシーンがあったんだけど、中でもお祭りで遭遇したマドンナ岡田茉莉子に池部良が「やあ!スズムシありがとう!(ニコニコ) おかげで近ごろよく寝れないよ!(悪気ナシ)」って言うシーンが最高だったよ!
「生誕百五十年記念 夏目漱石と日本の文豪たち」@神保町シアター
fumi

fumiの感想・評価

3.3
1953年版。シネピピアの午前十時“頃”の映画祭にて。森繁久彌さんの赤シャツが、もう滑稽なまでにヤな奴で最高ぞなもし。
あんな男前が赴任してきたら、縁談が殺到しそう。原作のスピード感には欠けるけど、森繁や多々良純の達者さや明治らしい空気は楽しめた。映像だと“いいオチ”にしないと文句が出るのかな。学生にサトマコ。
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